今やネット上で話題を振りまく堀江貴文氏ことホリエモンが宇宙ビジネスに力を入れているとの話は有名。
トヨタを超える時価総額の企業がなかなか出てこない中で彼の発想はとても大胆で面白い。大きなスケールもあってある意味、日本のイーロンマスクのような存在でもあるが、今日は宇宙ビジネスの話ではなく、その話題の主、ホリエモンの故郷が福岡県八女(やめ)市だということから入っていきたい。
八女市は福岡県の南西部に位置し人口は6万人足らずのお茶で有名な小都市。
久留米や熊本県の山鹿市に隣接しています。
山鹿と言えば熊本発全国展開を目指す異色の住宅メーカー、Lib Work(1431)の本社があるところで、筆者も3回も訪れたことがある、はっきり言って田舎の街です。その山鹿に隣接していますのでここも似たりよったりかとは思いますが、その八女市では再生可能エネルギーに絡んだあるプロジェクトが推進されており、そのプロジェクトに関わっている企業があります。
それはこのコラムでも時々取り上げてきた日創プロニティ(3440)です。
同社は福岡市に本社を構えており、グループビジョンとして「加工の総合商社」を掲げているユニークな存在です。
それを具現化させグループシナジーを最大化するため、「加工のプラットフォーム」実現を目指し、中長期的に挑戦的な活動を図ろうとしています。
2013年あたりからFIT(固定価格買取)制度の下で需要の高まりが見られたソーラー発電に絡んだパネルを支える金属台(架台)を市場に投入し、既に全国のメガソーラープロジェクト302件、1800MW(一般家庭の年間電力消費量、約54万世帯分に相当)からの受注実績を誇る。この結果2013年からの3期間で50億円という当期利益を得て、内部蓄積。その資金を後継者難の企業を対象にしたM&Aに積極的に投入し、ビジネス拡大を図ろうとしてきた。
ここに来ては収益源だったメガソーラー向けの需要一巡から戦略を変更。再生可能エネルギーのソリューション事業への挑戦を図ることとなった。
これまでのメガソーラーによる太陽光発電だけの展開から、カーボンニュートラルを掲げる企業や地方自治体へ、従来型のソーラー用架台製品の提供に留まらず自家消費型の再生可能エネルギーシステムのソリューション事業に取り組む方向性を打ち出したのだ。
こうした事業の一環として具体化した事例が八女市における同社のカーポート型架台を活用したプロジェクトがある。
これまで八女市では住民にための温浴施設へA重油ボイラー熱を用いた温水給湯を行ってきたのだが、これを同社のカーポート型架台に太陽熱集熱器84台を設置し太陽熱温水供給を実施する計画を策定。ボイラーのみの利用時に比べCO2削減に寄与し、燃料費削減も実現できるという。これによって推定、年間約130万円から170万円程度の燃料費削減効果があると推定され灯油換算で約1.9万相当のCO2削減効果が生まれるとされる。
こうした自治体との共同事業は同社が工場進出した福島県石川町との間でも推進されており近い将来具体化も予想される。具体化すると八女市に続く2件目のプロジェクトとなる。
再生可能エネルギーに関しては単に架台を中心にした金属加工製品の提供から再生ソリューション型のビジネスへと変化しつつある点に注目したい。モノづくり企業ながら加工を通じてクライアント先のニーズに応える企業グループとして存在感を高めようとしているが市場での評価はまだ低いままである。
市場ではモノづくり企業を支えるサービスを展開するモノタロウがこれまで評価を高めてきたが、その後を追う形で事業領域の拡大と加工のプラットフォームを実現させていこうという同社の取り組みに中長期スタンスで注目したい。
ということでホリエモンとは関係のないお話だったかも知れませんが地方に本社を置く企業による地方創生にもつながる話を今後も取り上げて参りたいと思いますので宜しくお願いします。
(炎)
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