暑中お見舞い申し上げます。
暑さとコロナで外出しないで家で株式売買されている皆さんもお見えかと思います。
株式相場は日経平均が2万8000円台に乗せるなど調整局面を脱し次のステージに向かうかどうかの局面になってきました。ここでは四半期決算の発表を投資判断基準に取り組まれている皆さんが多いものと拝察致しております。
海運株に続く市況産業株の業績向上では中山製鋼所(5408)がストップ高を演じていましたが、これまでの株価低迷がようやく見直された格好で、1Q経常利益33億円、通期経常利益110億円、今期の予想EPS144円への修正が起爆剤となり株価は前日の465円から545円へと急騰を演じていました。
好決算が発表された翌日の株価は買い気配を出して寄付きは499円。予想EPSの3.5倍でスタート。終値545円は同PERは3.8倍に過ぎないため、その株価上昇への期待感を今週にまで引き継いだ格好で終えていました。
こうした個別銘柄のポジティブな変動が株式相場には明るい展開と映りますが、株価がなかなか上がらずにいる個別銘柄にとっても中山製鋼所のような地味に人気のなかった銘柄の株高の事例は参考になるかと思います。
さて、活躍銘柄がある一方で不人気で株価がなかなか上がらない銘柄もある中で全体相場はようやく上向いて過去のレンジの上限水準にまで辿りついたというのがこのところの展開かと思います。
これは日本株だけでなく欧米の株式相場にも当てはまります。
NYダウもNASDAQ、S&P500指数も戻り相場の中にありますが、ここまで戻って果たしてここからの展開をどう見たら良いのかというのがここからの皆さんの関心事かと思います。
予期せぬ出来事も想定される昨今ですので、それを予想するのは難しいとは思いますがその一つのヒントとしては米国のS&P500指数の30日間のコールオプションとプットオプションのリアルタイム・ミッドクォート価格から算出されるVIX(恐怖)指数です。
この指数を絶えず追いかけて売買を繰り返しながらパフォーマンスを上げていこうという投資家にとって、再び買いポジションを持つべき水準が近づいたとの判断がなされています。それはこの指数がおよそ20から30ポイントの間で過去変動を見せてきたからです。
CBOE(シカゴボードオプション取引所)のVIX指数は先週21.15という水準にまで下落してきました。
S&P500指数の相場とは概ね逆相関にあるVIX指数は過去1年のタームにおいては最小値が15で最大値が35ということになっています。過去5年となるとコロナショック時に66ポイントという異常な値が出ていますが下限としては15ポイントで上限は35程度と見て良いかと思います。
この間で細かく変動を見せているVIX指数ですが、株価が落ち着いている状態の下では限りなく20以下の水準に低下するということになります。現在はまさにそうした局面にあるということになります。
そうしたVIX指数は過去1年でおよそ7回の上昇を見せましたが、そろそろボトム圏に近づいていると見られます。つまり相場は何らかの出来事により下に振れる可能性が高まっているということになります。
VIX指数をヘッジに使うという投資家の皆さんもお見えになるかと思いますが、株価が上がっているタイミングで次の下げを睨んでこの指数を買い持ちしておくという投資家です。
昨年10月のVIX指数は15.4でボトムを打ちその後12月には30ポイント台まで倍になりました。
その後はまた1月上旬に16.6という水準にまで下落。それがまた1月下旬には31.9という水準に上昇。その後も2月上旬に21ポイント台をつけたと思うと3月上旬には35ポイントまでありましたが、その後4月上旬には20ポイントを割れるという展開でした。
このような激しい変動を見せるVIX指数が6月13日の直近のピーク34ポイント台から2カ月ほどの低下を見せており、しかも過去のボトム圏である20ポイントまで接近していますので、今度はVIX指数の上げ、つまり相場の波乱がそろそろ想定されるということにもなる訳です。
普段なかなか考えないVIX指数ですが、そうした状況になっていることを念頭に入れて頂き、今後の相場展開を予想されて頂くと良いかと思います。
(炎)
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■指数動向
■相場の視点 VIX指数がボトム圏に接近
■先週の四半期決算発表銘柄(4銘柄)
■炎の中長期注目DX銘柄
■今週の注目決算発表です。
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