今年のIPO企業数は昨年の125銘柄に比べるとかなり減りそうですが、それでもおよそ100社ほどの企業が株式市場にデビューし事業活動を展開することになります。
皆さんもIPO銘柄に関心をお持ちだと思いますが、IPO後の株価は概ね短期的な変動でついていくのが大変なんではないでしょうか。
短期投資家が評価が定まらない中で売ったり買ったりしますので変動も大きくなりがちです。
何万もの企業の中から上場にまで至った企業ですから相応に評価されることは当然ですが、その企業価値評価は株価自体に求められがちで決して正しい評価がなされることはないと言っても良いでしょう。
つまり上がるから買い、下がりそうだから売りとの単純な評価なのです。
企業が取り組んでいるビジネスへの評価は二の次で実態が十分に理解されないままに売り買いされているということになります。
企業評価は企業の決算上の財務評価や収益性評価、将来性への評価など様々に絡み合ってなされています。IPOしたての企業はそうした実態の情報が十分ではなく需給面のみで変動を続けることになります。
大きく上がれば売りも出ますし大きく下落すれば今度は反転上昇に向かうとの変動に至ることになります。
株式公開に至った企業からしたら、何とか長期に企業価値を高めて時価総額を高めていこうと考えることになります。しかしながらまずは需給に左右されがちな株価変動となります。
上場時の株価は銘柄にもよりますが投資家の皆さんの関心は高いのですが、しばらくしますと関心が薄れてくるのが常です。
上場時に資金調達を目的に発行された株式をその会社の実力に応じて投資家から評価してもらえるようにPRするIR活動は企業にとっては重要です。
フェアディスクロージャーをベースにしたIRのためのリリースは当然のこと。より認知してもらえるための投資家やアナリスト、ステークホルダー向けに説明をしていく活動がIR。
その活動の中心は決算発表と中期事業計画、新事業、M&A、事業提携などの発表内容をメディア等を通じて国内外の投資家(株主、新規)に説明していくことにあります。
最近の説明会はコロナ禍でオンライン開催が増えて参りましたが、アナリスト向けのリアルな説明会を通じて認知してもらうことが重要です。
投資家やアナリストの様々な質問、疑問に対して企業側は真摯に回答し抱かれる疑問点をクリアにしていく必要があります。
株式市場への売り圧力は相変わらず続いていますが、上場したばかりの企業のみならず、上場後の社歴の長い企業にとっても入れ替わりの激しい株主や投資家に対して丁寧に説明していく必要があります。
そうしたIR活動の結果、株価は投資家の自主的な判断によってより正しい評価がもたらされることになるかと期待されます。
(炎)
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