電子レンジはどの家庭にも1台はある家電製品です。チンして温めて食べる便利なマシンなのですが、どのような仕組みで温めたり、解凍したりできるのかなど普段は考えることはないかと思います。
この電子レンジに用いられているのが電磁波の一つである電波の一種であるマイクロ波。マイクロ波は周波数が300MHzから300GHzの電波です。周波数で分類される電磁波はガンマー線やX線などが医療や材料検査用として使われているほか光として分類される紫外線や赤外線などは殺菌灯、電子デバイス製造装置、赤外線こたつなどとして使われています。
また電波に分類されるマイクロ波はレーダー、衛星放送(約12GHz)、テレビ・携帯電話、電子レンジ(周波数2.45GHz)に使われています。
マイクロ波が一定の周波数帯の電磁波の作用(1秒間に24億5000万回もプラスとマイナスが入れ替わる振動)で物体を加熱する現象を電子レンジでは用いているとされます。
1940年代から文献に描かれたいたとされるマイクロ波の技術は戦前から日本では電波を管理していた国家がその研究を行ってきました。
つまり戦前はマイクロ波研究は主に電波兵器の国家による研究開発という色彩が強かったようです。
マイクロ波の応用分野は幅広く、衛星テレビ放送、多重無線通信、レーダー、マイクロ波加熱(電子レンジ)、マイクロ波分光法、マイクロ波化学、マイクロ波送電、マイクロ波イメージングなどがあります。
先週IPOを果たしたマイクロ波化学(9227・G)のミッションは
「Make Wave Make World世界が知らない世界をつくれ」
でありそのビジョンは
「100年以上変わらない化学産業を革新しモノづくりの世界を変革する」
~マイクロ波プロセスをグローバルスタンダードに~
というもの。
2007年の創立以来の取引先としては東洋インキや三井化学、太陽化学、三菱ケミカル、住友化学などの大手企業が名を連ねています。
その中の一つである太陽化学(2902)とは2017年にショ糖エステル合弁工場を竣工。太陽化学ではこの技術を用いた食品乾燥加工品を製造、世界最大級の食品用連続式マイクロ波乾燥装置を有しています。
同社には博士号保持者が16名在籍。マイクロ波を用いた化学産業における製造プロセスを変革しようとチャレンジ。製造業の脱炭素化において必須となる製造工程の「電化」への貢献を目指す。
従来は外部から間接的に全体にエネルギーを伝えるがマイクロ波は内部から直接的にターゲットした部分にエネルギーを伝えることから真逆の伝達手段となります。このためエネルギー消費量は従来の3分の1、加熱時間は従来の
10分の1、用地面積は従来の5分の1となります。
新素材の製造コストを実用可能な水準にまで低減したり従来法では実現困難な高品質新素材の開発が可能となります。
また、再生可能エネルギーによる電化と組み合わせることで90%のCO2排出量削減につながるという革命的なイノベーションが起こせますので注目されます。
未来を明るくする技術を特許化してきた同社はおよそハードウェアについての140件近い特許を国内外で取得。デザインに関する知見は秘匿化しノウハウとしていることで競争優位性を確保してきました。
世界を変えるマイクロ波で今後の活躍期待のベンチャー企業、マイクロ波化学の未来はどのように輝くのでしょうか。大いに期待したいと思います。
(炎)
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