四方を海に囲まれた和の国、日本には大陸国家とは異なる文化がある。
島国であるがゆえに逃げ場がない一方で外国からの侵略にも遭いにくい。
理不尽なことをやりそうな隣国に接しているが海に囲まれているため攻めるのはかなりの軍備が必要で、元寇の時に攻められたことが一度あるだけで、それも神風で難を逃れたという歴史がある。
そうした海洋国家である日本に攻め入る国は元寇以来なかったが、それから600年余りを経過して太平洋戦争が勃発。海洋国家、日本も米国からの東京大空襲や原爆の投下という悲惨な出来事を味わうことになった。
そしてまた、理不尽な隣国による軍事進攻の足音が近づいている。
日本がどこかに移動できれば良いのだが、残念ながらこの島国はかつて人気のあった人形ミュージカル劇「ひょっこりひょうたん島」のように大海原を漂うということはない。絶えず反社会的勢力とも言うべき理不尽な大陸国家の脅威に晒されている。
ところで「ひょっこりひょうたん島」はご存知だろうか?
井上ひさしさんの脚本劇で1964年4月6日から1969年4月4日までNHKで放送された人形劇で私も含めた中高年が17時45分から18時までの15分間、毎日テレビに釘付けになった人気の番組。
個性豊かな登場人物でテレビの普及に貢献した戦後の日本の発展を後押ししてくれた映像コンテンツの一つではないだろうか。
57か国語をあやつるとされる初代大統領ドンガバチョの饒舌なおしゃべりと寡黙な警察官(実はシカゴのギャング)であるダンディさんに5人の小学生とその先生であるサンデー先生、海賊上がりのトラひげはがめつく猛烈なケチンボで、集めた財宝を元手に商売を行うが人の良さ、情のもろさで金儲けができないというキャラクター。
その面白さや心に残るオープニング曲は今でも私の脳裏から離れない。
全18にも及ぶシリーズのストーリーなどはウィキペディアにも詳しく出ているので御覧になって頂きたいが、この人形劇は実は日本に欠けていると言われる投資教育や政治教育がいつの間にか入っていることに気が付かされる。
人形劇の中では海の暴れん坊である海賊たちに島から出ていってもらうとの話があり、11人の島民に国民投票をしてもらって決めるというシーンがあった。その海賊たちは島民の困る水源を押さえて水を治めるとの行動に出るが、こうした話は今にも通じる話ではある。
また、子供の中には天才少年である博士がいてビジネスマンであるトラひげと組んで水を運ぶための蒸気機関車を設計し製造。
こうしたストーリーは「必要は発明の母」とも言うべき技術の進歩を思い起こさせてくれる。
他愛もない話のようだが、日本という島国は、「ひょっこりひょうたん島」のようなもの。数々の困難を政治家や経済人や国民が克服する姿が心に残る物語なのである。
(炎)
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しにんのしま