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相川伸夫の新規ピックアップ銘柄フリュー(6238)

2022/04/06 13:03 投稿

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■相川伸夫ピックアップ銘柄フォロー(動きのあったもののみ掲載)
 ※4月1日(金)執筆時点

・AB&Company(9251)22年1月10日配信

 株価1104円⇒850円(―20%)

 最も懸念していたIPO直後の1Q決算数字が想定よりも悪く株価は勢いよく下に行きました。
 ただ、悪材料に合わせて優待利回り10%超えになる開示を織り交ぜてくるあたりはきちんと株価意識をしていることが確認できたので良いと思います。
 決算後の取材は4月末に予定しているのでそこでの内容はまたこちらで報告したいと思います。同社のビジネスモデルは出店効果で下期にかけて加速していくモデルですので元々1Qは進捗率の観点で売られる可能性はありました。が、そういう問題以前の数字となりましたので大きく売られてしまいました。
 まだ取材していないのでどういう状況なのか推測でしか語れませんが、今期通期の数字の達成は相当困難になったと思います。また、それによる減配の可能性も意識しておいた方が良いでしょう。
 反面、優待利回りで10%ほどあるので今後の下値は優待効果もあるのでそこまで下に押さないのではないか?とも思われます。
 相場のことは相場に聞くしかありませんが、中長期での成長のシナリオが崩れたわけでは無いので長期投資目線の方は落ちたときに拾っていくのが悪くない戦略と思います。

 続報は次回以降で配信します。


※ピックアップ銘柄は買い推奨ではありません。
 私の目で面白い、アツイ要素がある!という理由で記事を執筆した企業の経過観察です。
 銘柄には大化け狙いと堅実成長狙いの銘柄が混じっており、銘柄数もかなり増えたので全てを列挙することはやめることにしました。


◆新規ピックアップ銘柄フリュー(6238)


 同社代表の三嶋CEOにこれまで2回取材をさせて頂き、今回ピックアップ
として取り上げることにしました。

〇フリューHP IR情報TOP
 https://www.furyu.jp/ir/

 同社はプリクラ設置台数で業界ダントツTOPの95%のシェアを誇る企業であり、利益基盤になるのはプリクラプレイ時のシール紙の卸販売(プリンターのインクのビジネスモデル)と撮影したプリクラデータをダウンロードするための有料課金アプリのストックビジネスに成ります。機械販売も含まれていますがこれは原価、物によっては赤字での販売です。

 キャラクターMD(マーチャンダイジング)セグメントが近年急成長しており、このセグメントは…

・ゲームセンター向けのクレーンキャッチャーなどのプライズの卸販売(企画・販売はフリューで製造は外注で完全受注生産)
・上記プライズを直接海外(中国と北米)へBtoB販売(景品としてではない)
・高価格帯ホビーである『F:NEX(フェネクス)』のBtoC販売(中国と国内)、こちらも受注生産


 ピックアップの決め手は下記の3点です。

1)成長性・ポテンシャルに対して株価が割安
 ・今期予想PER11、配当利回り3.4%、財務状況(有利子負債0のネットキャッシュ経営)、会社の過去(2019年11月~2020年2月)の自己株買い平均1091円に対し今の株価が1085円
2)プリクラの撮影回数はコロナ前の4500万回/年に対し、前期も今期も3000万回/年程度であり、アフコロ銘柄。足元でプリントシール卸価格値上げ等の施策もあり、来期以降も期待できる
3)キャラクタMDセグメントの伸びは継続中にも拘わらず株価は『行って来い』で2021年9月の高値1966円から半値水準

 上記3点からピックアップ銘柄としました。


◆同社の強みをザックリ解説!

※詳しくは同社決算説明資料等を確認のこと


 プリクラの収益が入っているセグメントのことをGTB(ガールズトレンドビジネス)と呼んでおり、最初は「プリクラセグメントのが分かりやすいのでは?」と感じていました。実態としては思春期の女子(中高生)についてこれほどトレンドを知っている会社は他に居ないだろうと感じるほどに同社は理解しています。
 同社は2人×3組の女子に週三回グループアンケートを実施しており、年間アンケート回数は200組に上るとの話です。これはプリクラの為だけではなく、最近の悩みや趣味・趣向と言った全てについて調査をし続けているのです。

 当然新機種のプリクラを出す場合での要望や出来栄えチェックを始め、今回のプリクラ料金改定(卸価格が上がるとプレイ料金も上がる)に関してもアンケート+事前にフリューが運営するプリクラ直営店でも統計調査をしています。PDCAを回して経営の意思決定をしているので安心感も大きな物です。

 予測と行動から改善に結びつける経営を得意としている同社は、元々オムロンのエンタメ分野部門が始まりの会社なのです。現経営陣を主に2007年にMBOして2015年に東証一部に新規上場を果たしました。
 なので元々PDCAを始めとした企業文化と堅実な経営スタイルのもと事業展開してきているので、女子向けアプリや新規ビジネスもニーズ調査&結果のPDCAをきちんと回しており、大きくコケない会社と私は感じています。


■プリクラのシール価格値上げについて

 プリクラのシールの卸価格は元々135円でしたが、2021年の12月頃に販売した冬機種から今後は172円での提供と変更になりました
 これは決算説明資料の9Pに記載してあります
 ・2022年3月期決算説明資料
 https://ssl4.eir-parts.net/doc/6238/ir_material_for_fiscal_ym/113028/00.pdf


 原価は特に変化していないとのことですので、これは粗利率向上にストレートに効いてきます。
 コロナ影響の残る足下のプレイ回数3000万回/年で計算をすると37円/枚の値上げは年間11億円ほどの増益効果になります。たらればですが、コロナ前の4500万回/年であれば16億強の増益効果になります。

 プリクラの機種は年4回発売されるスケジュールとなっており、春機種は3月末に予定されています。
 新機種の発売後はその機種の人気が上がるので稼働に関しても新機種中心になります。取材時の話では『新機種+1世代前の機種でプレイ回数の半分ほどになる』との話です。そうであれば来期1Qのプレイ回数に関してはおよそ半分が値上げ後となり、下期にはほとんどが値上げ後のものになっていると思われます。


■キャラクタMD事業について

 国内向けのクレーンゲーム・海外販売・高価格帯の三つに分けて考える必要があります。

・国内プライズ向け
 ⇒業界そのものが拡大中です。説明資料のP42を見てもらうとわかりやすいです。ラウンドワンでもそうですがクレーンゲーム業界は今成長の一途であり、下記のように店舗面積に対してプライズゲームが増えていく方向です。
 ※世界最大級のクレーンゲームフロア「ギガクレーンゲームスタジアム」が登場!
  https://www.round1.co.jp/service/amuse/news/crane.html

 また、2022年3月からこれまで風営法で800円までだった景品価格が1000円になったことも追い風です。
 ※800円→1,000円に!クレーンゲームの景品の上限額引き上げに伴う注意点について
 https://tsunagu-office.net/archives/1128
2

・海外通販・高価格帯
 現在めざましく成長している部分であり、同社もアクセルをさらに入れてい くと話しています。
 輸出なので円安の恩恵もありますが、そもそもここが伸びているのはコロナ禍での巣ごもりでNetflixやアマゾンプライムビデオといった在宅での定額視聴のサブスク会員数の爆増の影響があるでしょう。海外でも鬼滅や呪術廻戦の人気は強く、そうした海外でのジャパニメーションの人気上昇によって日本の版権を持っているバンダイやセガ、壽屋などすべて好調です。
 これは一過性ではなくトレンドとして今後も継続すると思われます。

・版権獲得について
 そもそもこれまでフリューはプライズで業界3位の位置でした。バンダイ・セガ・フリューという順番らしく、セガの背中は見えている状況になってきたようです。
 海外販売においてはバンダイ・セガ・タイトー・フリューという順番らしく、国内シェアでは勝っているタイトーに海外では負けているのは努力不足だとして三島社長はアクセルを踏んでいるとの話でした。現在の海外販売に関してはフィギュア中心とのことですが、今後はセガが得意なぬいぐるみも出していく戦略というのも期待できます。個人的な感想ですが、フリューの作るぬいぐるみ景品の質はかなり高いと感じています。景品ではないですが、『魔王城でおやすみ』に出てくるでびあくまという愛らしいキャラの再現度はかなり素晴らしいです。これは高価格帯ホビーのF:NEX(フェネクス)での販売のものです。娘は毎日抱っこして寝ています(笑)
 ※でびあくま1/1ぬいぐるみ
 https://fnex.jp/products/detail.php?product_id=101

 業界構造の変化もフリューが近年成長できた背景です。ドラゴンボールに代表されるように版権は一社独占のことが多かったですが、鬼滅や呪術廻戦のように版権が従来の独占とは異なり、複数社に渡って版権を持てるようになってきたことという変化もあります。
 ここに関しても今後も版権獲得は順調という見込みであることと、ゆるキャン△をはじめとした自社IPも育ってきているというのも期待できるポイントでしょう。


■さいごに

 ―プリクラはスマホアプリの進化で消えてしまうのでは???―

 私も思いましたし、同社経営陣も大きなリスクと考えていました。
 度重なるアンケートを重ねた結果わかってきたことは「スマホアプリを日常的に使う女子ほどプリクラの撮影頻度は上がる正の相関がある」という話でした。
 スマホは日常を撮影するものであり、プリクラはアトラクション的な「キャッキャ」する非日常イベントと区分されているとのことです。

 ほかにもいろいろ書きたいところなのですが、どんどん長くなってしまうのでこの辺で締めたいと思います。
 ここで話したのはあくまで一部であり、今後も新規事業の柱も出来てくることでしょう。
 決算説明資料や決算説明動画、インタビュー等も色々あるのでそれらも見てみると面白いです。

・社長名鑑『プリントシールという文化を醸成した「フリュー」進化の秘密と挑戦』
 https://shachomeikan.jp/presidents/detail/10062934


・フリュー | 6238 CEOインタビュー
 https://www.youtube.com/watch?v=2Wgrb7fcnXo



 フリューは私が懸念しているスタグフレーションシナリオ、そこからの不況シナリオ到来でも戦える銘柄であり、絶対増配するという強い意志を持っていると感じれるのでさらに良いと感じてピックアップした次第です!
 これからフリューを応援していきたいと思います。


それではまた!


『全力全開全力前進!!!』



(相川伸夫)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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