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いよいよスタートする子供たちへの投資教育

2022/02/25 15:40 投稿

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 億近読者の皆様こんにちは。
 子を持つ親御様のために、お金の教育論について寄稿させていただいております遠藤です。


【2022年は投資教育元年!?】


 2022年4月から高校の家庭科で資産形成教育がスタートします。
 これは、本当に良いことだと思います。
 お金の知識は、ある人とない人で人生が180度変わってしまうからです。

 お金の知識は生きていくために必要です。
 例えば、私たちは学校の家庭科授業で最低限の栄養学を学んできました。
 だから生きていくためには、カロリーだけでなくカルシウムやビタミンが必要なのだと知っています。お酒やタバコをやりすぎると、健康を害することも知っています。
 もし私たちが栄養学をしっかり学んでいなければ、ファーストフードばかり食べて、ブクブクになってしまっていたかもしれません。生きていくための知識を学校では教えてくれています。

 お金の知識も同じように生きるために大切です。
 これまでの家庭科授業では、クレジットカードの使い過ぎは危険、マルチ商法には気をつけろ、訪問セールスにはクーリングオフが可能、ということを教えてきました。
 しかし、資産形成については教えられてきませんでした。

 学校教育が、子供たちが大人になったときに生きていくための知識を教える場とするならば、資産形成教育は必須だといえます。お金がないと人生は成り立たないからです。夢だけでは食べていけません。


 資産形成をする上で大切なことは、ライフプランの作成です。
 自分がどんな人になりたいか、どんな人生を送りたいかを考えることで、資産形成の目的が決まります。家族をもって子供を授かりたいなら、結婚する前から教育資金の積み立てをしていても良いわけです。資産形成は、金勘定の知識を教えるのではなく、人生を俯瞰して考える視野の持ち方を教える教育です。

 私は20代を非常に「ケチ」に生きてきました。
 それは、「起業する」という目的のために資本金を貯める必要があったからです。これも1つのライフプランです。
 ただ、20代の私は投資の知識は大したことはありませんでした。貯めたお金をもっと有意義に投資してれば、資本金の原資は何倍にも増やせたでしょう。資本金が多ければ、できることも増えます。人生の選択肢はもっと広げられたと思います。


「もっと早く投資の知識を得ていればよかった」

 これは、私だけでなく、投資の知識を得た多くの方が口にする言葉です。
 私も過去に同じことを思いました。30代でこれに気づけたら良い方です。
 もっと遅いと困ったことになります。

 私は、70代の方から
「老後の資金が足りないので家を売ろうか考えている。もっと蓄えておけばよかった。」
という相談を受けることがあります。

 60代の方から
「投資の知識を子供たちに教えてあげてください。私は今になってやっと投資が大事だとわかりました。投資を学ばなかったことを本当に後悔しています。」
という言葉をいただくこともあります。

 知識は早く学ばないと、手遅れになります。大病を患ってから栄養学を学んでも遅いのと同じです。


 家庭科で「資産形成」を教える、これが実現してよかったです。
 ただ、私は少し危惧していることがあります。それは


「子供たちが興味をもってくれるのか」


ということです。

 大人も子供もお金は好きなので、投資に興味を持つ人は多いです。ただ、私のFPとしての実体験でいうと、「お金がないのに、お金の増やし方なんて興味わかない」という反応をする人は少なからずいます。学生さんはあまりお金を持たないわけですから、大人の思惑通りにお金に興味をもってくれるとは限りません。しかし、これはもったいないことです。

 本当は、お金がない人でもキャリアをしっかり考え、収入を増やし、支出をおさえ、投資をするための資金を作れば、誰でも投資はできます。学生さんでも、アルバイトのお金をうまく残し、投資をしている人はいます。お金を全部使ってしまえば投資できないのは当たり前です。お金は有限です。

 投資は、できるかできないか、ではなく、やるかやらないかです。
 投資を学んだ方が資金を作るために家計の収支を見直した、という事例はよくあります。子供にお金のことを教える際に「無駄遣いはいかん」と教えるより、「投資資金を作ろう」と教える方が建設的です。


 ここで一旦まとめます。


 資産形成の学び、投資の学びは、お金を増やす術を学ぶだけでなく、人生プランを考えるきっかけになります。無駄遣いを抑制し、目的をもってお金を貯める習慣づくりは規律のある生き方にも影響します。投資の学びは、人生を豊かに生きるために必要です。


 ところで、私はこう思います。学校で資産形成教育を教えるのは良いことなのですが、長期、積立、分散、といった基本事項はなるべく早く終わらせて、株式投資に進んでほしいと。

 株式投資こそ、10代の方々にとって人生に大きな影響を与えるのではないかと思うからです。株式投資をされている読者の皆様は、「こんな面白い会社あるんだ」という感動をしたことが1度や2度ではないはずです。その発見は子供たちにとって財産になります。

 株式投資を学ぶと人生が豊かになります。例えば、配当利回りが5%の株を1000万円保有すれば、税引き後でも40万円弱の配当が受け取れます。増配株なら、配当金は50万円60万円と増えていくかもしれません。高配当が安定的に行われている銘柄をコロナショックなどのようなバーゲンセールで買えば、配当利回り5%のポートフォリオは、作れてしまいます。もちろん、減配にならないような銘柄を選ぶことが大切です。
 40万円のキャッシュフローは10年で400万円、複利を利用したらもっと大きな差になります。
 預金をしていてもほとんどお金は増えません。知識がある人とない人で、全然結果が違うわけです。


 上記の考え方はバリュー株投資の考え方です。
 株式投資の醍醐味はグロース株投資です。10代の方々がグロース株投資を学ぶと、それはキャリアを考えることにも繋がります。

 成長株を探しているうちに「この会社で働きたい」という会社も出てくるのではないか、ということです。誰でも、新しい社員も入ってこないような衰退企業で働きたくはありません。むなしくなります。当然そんな会社に大事なお金を投資しようとは思いません。

 逆に、成長企業には人も入ってきます。利益成長があれば株価も上がります。
 グロース株投資で得た知識はそのままキャリアに生かすことができます。
 いえ、生かさないともったいないです。

 しかし、学校で株式投資まで教えるのはむずかしいかもしれません。
 学校の家庭科には資産形成の他に、裁縫や栄養学などのカリキュラムもあります。おそらく、株式投資を深掘りできる学校はほとんどないでしょう。
 人生プランを立て、積立計画をシミュレーションしてみる、というところまでできれば100点です。


 株式投資の知識を教えるのであれば、課外活動の時間が必要です。

 そこで、金融教育サービスFPを運営する私遠藤と億近を運営しているNPO法人イノベーターズ・フォーラム代表の松田さんで、「10代のための金融経済教育、上場企業に学ぶ株式投資セミナー」という企画を立ち上げてみました。今回は、公募なので誰でも参加ができます。

 このセミナーの目玉は、「上場企業の社長が10代の方向けに講演をしてくれる」というところです。しかも、直接質問ができます。毎日忙しい上場企業の社長に、子供たちが「投資家」として質問ができます。上場企業の社長のお話の前に、株式投資の基本はレクチャーします。
 参加者は「この会社にお金を預ける意義はあるのか」という視点で上場企業とコミュニケーションをとることができます。この経験は、子供たちが自分の専門性を考え、将来の仕事を決める上で多いに役立つでしょう。
 就職は自分の身と時間を会社に投資することです。お金で会社選びの練習をしておくことができます。

 本セミナーのプレスリリースのURLを下記に記載します。

10代のための「上場企業の社長に学ぶ株式投資セミナー」開催のお知らせ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000061286.html

お申し込みページはこちらです。
https://toshi-wo-manabu.peatix.com/


是非、応援をよろしくお願いいたします。


(遠藤)


[遠藤 功二氏 プロフィール]

 日本FP協会認定CFP
 1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
 MBA(経営学修士)

大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。
自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。

子育て世代のための金融教育サービスFP君
web:https://fpkun.com
メッセージ:koji.endo@fpkun.com


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)

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