コロナ禍に加えてコロナ禍や脱炭素化政策による一連の物価高騰を横目にしたインフレ抑制に向けた米国での金利の上昇を背景に株式相場の調整が続いている。
これだけに留まらず、ウクライナ問題や北京オリンピック後の台湾有事の懸念、国内物価の上昇によるスタグフレーション懸念など株式相場を取り巻く客観情勢の悪化はこれまで強気で臨んできた投資家の心理を弱気に傾かせているものと推察される。
日経平均株価やTOPIXなどに代表される全体相場のトレンドは1月後半に暫定的にボトムを打ち反発気味ではあったが、基調は戻り売りが優勢で早くも再び下値模索の動きが見られる。特にマザーズ指数は反発しやすいが頭重くなればすぐに売りが出て反落に至る展開となる。
株価は売りたい投資家と買いたい投資家のせめぎ合いの中で形成される。
相場だけに相手があって成り立つ株の価格には後から理屈がついて語られることが多い。変動する株価を横目に投資家心理も揺らいでいくことになる。
株式相場はピークとボトムの間で変動を続ける。そこでは投資家の心理が影響もする。実際の投資家の懐状況にも影響を受けるが企業のファンダメンタルズが根源的な株価形成の最大の要因ともなる。
成長する企業の株価は上昇する。
一方で衰退する企業の株価が下落することは誰にもわかる理屈だが、その成長する企業への投資を中長期で行う投資家にリターンはもたらされる一方で未来に衰退する要素のある企業にはPERやPBRなどの投資尺度で低い評価がなされリターンが得にくいことになる。
現在の株式相場はこれまで買ってきた投資家も委縮気味となり、売ることで利益を得る投資家の餌食になってしまっている印象がある。投資家は相場が何らかの理由で下落するトレンドだと見抜いた場合は徹底的に売るし何らかの理由から上昇トレンドと判断した場合は徹底的に買うような行動に出る。
上昇か下降かの判断次第で投資行動が決まり、その判断が覆されるまでは同じ方向の下で行動することになる。
ところで皆さんは売りたい派ですか?買いたい派ですか?
この問いかけに買いたい派という投資家がどの程度お見えなのか恐らく少数派なのかも知れませんが企業側、つまり発行体のファンダメンタルズを見据えた冷静な投資家にとっては投資チャンスと映っているものと考えられます。
折しも3Q決算の発表が今後相次ぎます。需給悪の中でのファンダメンタルズを見据えた投資が奏功することを祈願しております。
(炎)
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