コロナ感染急拡大の中で日本株には容赦のない売りが見られる。

 日経平均は2万7000円台割れでテクニカル上の三角保合いを下放れ寸前、マザーズ指数も800ポイント割れ。なす術もなく株式相場は下値模索が続く。

 堅調だった米国株も調整の動きでロシアによるウクライナ攻撃が懸念材料となっているほか原油高によるインフレ進展への対応として長期金利の引き上げにも反応しており、長期上昇傾向の米国の株式市場もいよいよ調整本番となるのではないかという局面となってきた。

 ここに来て中国による台湾有事も懸念されている。冬季オリンピック後の懸念材料となる。中国では不動産大手恒大集団の実質的な破綻やGDPの伸び鈍化(実際にはマイナス成長か?)で経済の先行きが不安視されている。

 日本でもスタグフレーションへの懸念に加え、各地で起きている地震発生もネガティブに見る向きもお見えかも知れない。


 このようにネガティブな要因が目白押しであるが、少しぐらいポジティブな見方ができそうなのは以下の点となる。


1.成長を先取りした銘柄に代わりバリュー銘柄への物色続く

 米国同様に日本株でも成長株の象徴的存在とも言えるマザーズ銘柄が下げ、配当利回りや低PER、低PBR銘柄に重視した投資家の物色気運が続いており、この潮流に乗ろうとする投資家の投資スタンスが見出せる。
 ただ、問題はこの物色の潮流がいつまで継続するのかという点。全体相場を象徴する日経平均やTOPIXがチャート上の三角保合いを続ける中での下支え要因となっている中で、絶えず波乱を覚悟した投資家は流動性を重視して変化に備えているとの印象がある。
 海運や非鉄、化学、鉄鋼並びに商社などの市況関連産業への物色気運はこうした潮流の下で形成されている。

 こうしたセクターには圧倒的な低PER銘柄も存在しており、株価を下支えしているが、それぞれが市況に影響されている点で関連した商品指数の動向を見守る必要がある。
 流動性重視の中ではあるが、中小型株にも圧倒的なキャッシュリッチ銘柄も存在しており、出来高の面でのネガティブ要因を横目に調整を続けてきた株価に反転の動きが見出せる。


2.過去から直近まで世界市場の中で成長し人気化してきたハイテク系銘柄は一時的な調整を見せているが、トレンドは崩れておらず出直りの期待が底流にはある。
 安くなったら買わないとならない機関投資家がしかるべき投資タイミングを待っているだろう。ソニーG、トヨタ、東京エレク、レーザーテック、キーエンスなどの日本を代表するコア銘柄群はまだ比較的高値圏にあり反転のタイミングを待っている。


3.一貫した長期下落が見られるマザーズ銘柄、直近のIPO銘柄には高値から半値以下まで売られた銘柄が数多い。
 指標面での割高感が続くためまだ本格的な投資タイミングには至っていないのだか、ニューマネーがこうした銘柄に入ってくる可能性は十分に考えられる。


4.日本にとって新たなターゲットとなる市場をどこに置くかが問われているが、過去は中国市場が日本企業においてはターゲットとなってきたが、ウイグル人権問題や香港、台湾問題、尖閣問題、新型コロナ対応などに加え、不動産バブル崩壊やIT系企業への締め付けなどで中国市場を忌避することが潮流となる中、新たな市場としてインドネシアをはじめとしたASEAN諸国への投資拡大の動きが見られる。
 とりわけ親日とされるインドネシアには日本から1600社余りの企業が既に進出しているが、先日国会で法案が通ったボルネオ島東端への首都移転の話が日本からの投資を呼び込む契機となるだろう。


 日本には親中議員が多く、これが日本の経済発展の妨げになってきたとの見方もできる。これからは中国からインドネシアやインドといった親日国家との交流が日本経済の発展につながる点をポジティブに見ていきたい。

 ASEAN10か国(インドネシア、シンガポール、タイ、ベトナム、フィリピン、ミャンマー、マレーシア、カンボジア、ラオス、ブルネイ)には一帯一路を掲げる中国が暗躍してきたが、これからは日本が主導権を握る番だ。

 日本以上に人口の急減時代を迎える中国に代わる新たな市場が長期で見ると日本経済を復活に導くと思われる。


(炎)


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