有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
=コラム「リバウンドの初動を見逃さないように市場と向き合う」=
(有料メルマガ第472回・2018/3/6配信号)
※2018年3月現在の内容ですので留意下さい。
【前略】
上げ続ける相場が無いように、下げ続ける相場もないので、これからは何時から本格的なリバウンド相場に入るかを考えながら株式市場と向かうほうが良いと考えています。
私もそうですが、2017年10月までのようにフルインベストを続けていて、リスクオフによる大きな株価の下落に遭遇すると、正しい判断ができなくなることも起こります。
投資家は、その時の投資環境によって急落が起きた時などには、正しい判断ができないことも多いのです。投資資金が大きくなっているときは特に用心する必要があります。
大きく評価したり、小さく評価したり。その時の多くの投資家の混乱や、雰囲気に左右されて、投資判断を左右されてしまいます。
その為に、無駄で雑な投資行動を起こします。
冷静さを保つためにはどうしたら良いのか。数え上げてみるといろいろあります。
企業のファンダメンタルズをしっかり調べること。
過去の業績の推移をできる限り長く追ってみること。
いまのビジネスの強みをしっかりと確認すること。
研究銘柄で行っているように5年くらいのスパンで、バランス・シートの中身がどのように変化して強化されているかを確認するのも良い方法だと考えて実行しています。
ビジネスの種類による利益の出方の違いをしっかりと把握することも大事です。
土地の含み益など危機が起きた時に資金調達の可能性を大きく高める資産の含み益などをしっかりと把握しておくのも冷静な判断には役に立ちます。
その努力が、市場環境に浮つき浮足立ってつけた株価に付和雷同しそうな自分を守ります。利益を大きく上げたときに、投資資金を減らして、投資額を少なくすることも冷静な判断を維持する有効な手段だと痛感している状況です。
【中略】
日本株が年末まで好調だったこともあり、私の株からキャッシュへのシフト額は6000万円まで増加して、84歳まで300万円を使える体制を整えることができました。これは本当に幸運なことでした。
【中略】
アベノミクスのおかげで、ついに専業投資家として自立したときから12年かかり目標を達成できたことから、上記の考えを実際に『有言実行』することができてホッとしています。
ただ、世の中にはまだ誰も気が付いていないリスクが常に存在しています。
預貯金に預け、すぐに株式市場に戻せないように定期預金や定額貯金にしましたが、余りにも小さな金利を体感して、大きなインフレが来たら老後の安心は吹き飛ばされると感じたことから、いまはまだ株で保有している資金に関しては、株を売ってキャッシュにシフトするのではなく、どんな経済状態になっても、必ず仕事がある企業の株を増やして行こうと考えを変更しました。
そしてどんな経済状態になっても必要とされるビジネスを行っている企業は、リスクオフになって株価が大きく下落する時に、投資しておいて安心でき、資産を増やしていける投資対象と一致すると考えています。
リスクは避けようとしても避けられるものではありません。どんなに現状でリスクの存在を想定して、リスクにかかわり、リスクをコントロールできていると考えても、リスクは自分の予想をすり抜けて襲いかかってきます。
いまでも、福島の原発事故が起きた時の恐怖は薄れていませんが、地震国日本で充分以上に高い耐震設計をしてリスクは管理されていると考えられてきた原子力発電所でも、想定以上の自然災害(=地震による大津波)により大変な危機状態に落ち込みました。
株式投資においては、投資している企業自体の業績が悪くなることもあるし、業績は順調だったのに取引先が倒産して、突然大きな不渡りをくらい、不良債権が発生することも起こります。
企業の業績は好調でも、政治的リスクでも自然災害のリスクでも、世界中の株式市場が暴落することもあり得ます。日本株への投資家はイギリスのEU脱退を問う国民投票の直後も、アメリカ大統領選挙の直後も、イギリスの株式市場やアメリカ本国の株式市場より日本株が大きく下落すること、そして日本株の下落率の方が当事国の株式市場より大きくなることも経験しました。
そして現在もトランプ大統領の過激な発言で米国株が大きく下落し、ドル円相場で円高が進み、米国株より日本株が大きく下落しています。
ただ大昔のブラックマンデーの暴落も、3.11世界同時多発テロの暴落も、リーマンショックの後の暴落も、東日本大震災後の暴落も乗り越えて、株式市場は暴落時点から回復してくれました。そのことも忘れてはいけない過去の大切な経験です。
自分の人生から逃げることが出来ませんが、リスク資産への投資は、すっぱりと止めてしまうことも可能です。しかしやめてしまったら、過去の暴落のあとに常に起こってきたリスク資産の回復による利益を取ることが出来なくなります。
その覚悟を持ってリスク資産に投資するかどうかを決めることが必要です。
私は自分の健康と年齢と計算できる年金収入や家賃収入を基にして株への運用額をアベノミスクが始まってからの利益の資産増加額の半分減らすという当初の計画を修正して、利益ではなく運用額の40%キャッシュに替えましたが、残りの運用資金は投資して安心できる企業の株を分散で増やして行くという新たな目標を立てました。
投資額が多くなると、玉石混合で投げられるときは、どうしても運用成績はマイナスになることが多いのは仕方がないと考えています。
企業を分析して、ファンダメンタルズを確認して買っているわけで、中長期や長期の時間軸で投資している場合は一時的なマイナスは必要悪だと考えています。できるだけ損を抑えることが必要ですが、中長期の時間軸に関していえば、その一時的な損は必要経費です。そうでなければ株価が数倍になるまで持ち続けることはできません。
短期の時間軸で投資している場合は、嫌な感じがしたら、損切りするし、利益が小さくてもポジションを落とします。これもコストです。
ただ損切りを連続で何度も続けていくと投資資金がいつのまにか大きく減ってしまうので、そこはきちんと管理していく必要があります。資金管理もリスク管理の一部です。
どの株に投資するか決める銘柄選択ではできるだけミスをしないことが大事です。短期トレードの場合はミスをしたと思ったら、すぐ損切りなどで対応してミスを修正できます。だから損切りができないのはブレーキの壊れて効かない自動車を運転するようなもので、いずれ事故を起こします。
ただ短期トレードでもミスを修正してリカバリーするより、ミスを犯さないほうがベストです。荒っぽいラフな銘柄選択で、ミスしたら素早く損切りでリカバリーすれば、ミスはなかったことになるので、早く資産を増やせます。
2017年のような相場ではラフな銘柄選択でもかなり資産を増やせました。
しかし今年は違うと思います。
ラフな選択で損切りでミスを修正し続けると、やはり資産の増加は遅れます。
短期トレードでも丁寧な銘柄選択が求められると考えています。
中長期投資の場合は、銘柄選択のミスは短期の場合より痛いです。ラフな銘柄選びでミスを犯すと、修正までに時間がかかります。ロス(=損失と時間)が大きくなるので、銘柄選択のミスは極力犯さないことを目指すことが大事です。そのためにはしっかりと調べて投資を決めることが短期トレードより大事になります。
2017年は大きく利益を上げられたので、2月からの日本株の下落での含み損など大丈夫で問題ないというような考えはありません。そんな甘いことを考えて選択を間違え続けると、最後には不毛の選択しかなくなる状態に追い込まれます。
信用取引で追証を払えなくなり『自分で清算しますか。それとも強制的に清算されたいですか。どちらでも好きなほうを選びなさい。』
このようなどちらを選んでも最悪な、不毛な選択しかない状況に追い込まれかねません。
選択を間違えることも良く起こりますが、最後に追い込まれてしまわないように、しっかりとリスク管理をすることが、中長期投資でも短期投資でも必要だと考えています。これが一番大事だと考えています。
今回のように実際には経済が悪化していないのに起きている、大きな株価の下落は、私が新しく立てた『運用資金は投資して安心できる企業の株を分散で増やして行く』という新たな目標を達成しするための大きなチャンスだと捉えています。
【中略】
多くの投資家が株式市場で毎日変動する株価が影であることを考えないで投資しています。多くの投資家は『株価』とは『企業の価値そのもの』だと勘違いしているようにも見えます。株価が企業の価値そのものだというのは大きな勘違いだと、くどいくらい強調したいと思います。しかし株価はその時点の全ての投資家の総意で形成されたもので、その株価でしか売買できないので、尊重するべきであることは、これまで何度も述べてきたことです。
企業の本質的価値が毎日変動し、半年で倍になったり二分の一になったりするようなことは、常識で考えてもありえないと思います。
たとえば、誰かが本気で、ある企業を買収しようとすれば、株価は吹き上がってしまうと思います。TOBが発表されたら直ぐ株価は上がりますから、これもわかりやすいことだと思います。
もう一度整理をします。私は株価というのは『企業の本質的価値』の影だと考えています。そしてその影を作る光というのは投資家の需給だと思っています。
そう考えると株価が毎日変動するのも、短期間に何倍にもなったり、何分の一にもなったりする理由がよく分かります。
停電で雨の日には深夜になると巨大なビルも建造物も影が消えて、真っ暗な中では見えなくなります。しかし、そこに巨大なビルや建造物があることを知っていれば、見えないから無いと勘違いすることはありません。見えないだけです。いずれ朝になり光が戻るとビルや建造物は見えるようになり、存在が目で確認できるようになります。
株価も同じです。パニックで需要が消えたら株価は下げる方向に動きます。株価という影が小さくなるわけです。そこで価値がなくなったと多くの投資家が付和雷同で投げ売りします。
しかしその企業の『企業の本質的価値(=本当の価値)』をファンダメンタルズを調べて知っていたら、慌てることもありません。需要が消えて下げた時は、本当に価値のある企業を安値で買うチャンスです。
私はバランス・シートや有価証券報告書で確認できるPBRが低い、つまり一株純資産が株価よりずっと大きな企業への投資を好みます。バランス・シートに含み益の大きな賃貸不動産を大量に持っている企業や現・預金や投資有価証券など現金同等物(=キャッシュ)を大量に保有している企業を好みます。このような企業はリスクオフで株価(=影)が小さくなっても安心してホールドできる企業だからです。
すでにバランス・シートに存在している資産は、誰にでも見えるし、調べることが可能です。
真っ暗闇の中で、株価が小さくなった時、影が小さくなっただけで、そこに価値があるということを確認しやすい企業に投資は投資していていると安心できます。
ただ、注意しないといけないのは、株価は影なので光が射す方向が別の企業のほうに移って、その企業にあたる光が弱くなると影が小さくなってしまう(=株価が下げる)ことも起こることです。だから光がこれから強く射すと思
える企業を光が射す前に見つけ出しておくことも、運用成績を上げるには必要で大事なことです。
相場テーマというのも、優待というのも光の強くさす可能性が高いので意識すべきだとも考えています。
『どの企業にこれから需要の光がさしてくるかな・・・』と考えるのが投資家の大事な仕事です。本命の企業を外してしまうこともありますが、投資家の買い意欲である需要(=光の基)が強いので、少し的を外しても、それなりに影が大きくなるので安心なことは安心です。
どう守り、どう攻めるか。いまは防戦一方の感じですが、米国株がこのまま落ちていくこともないと思っています。
ここで買い増すのは長期戦での籠城をする場合に備えての兵站銘柄(=安定配当と優待などのある自己資本比率が高く、配当を約束してくれている株)を増やして行きたいと考えています。
あと攻めの銘柄としては敵なしの基本特許に守られた市場での製品シェアが日本や世界でトップ級の製品を持つ上に、含み益が巨額な賃貸不動産を持ち、企業自体も赤字にならない体質を持つ企業を、攻めのために投資先として選びたいと考えていますが、攻めるためにもまず守りを固める企業を優先的に選んでいきたいと考えています。
【後略】
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
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研究銘柄京阪神ビルディング(8818)の詳細レポートと、コラムの構成です。コラムでは【優待+含み益の大きな賃貸不動産事業】【含み益の大きな賃貸不動産事業を併営している製造業】も挙げています。
以下のリンクからどうぞ。(一部無料で読めます)
こちらから ⇒ http://bit.ly/rin20180206
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