足元の日本市場はオミクロン株への過度な懸念が後退し、急落前の水準を目指す動きへと変化してきています。
今回はそんな中から、逼迫した人手不足で注目の銘柄を紹介します。
■クイック(4318)[東証一部]
【事業紹介】
『人材紹介事業』および『リクルーティング事業』が主力。人材紹介はエンジニア、看護師等の専門職に強みを持つ。子会社で人事に特化した『日本の人事部』サイトも運営。リクルートHD系の媒体を主力としており、情報出版の事業展開も行っている。
【業績】
10月29日に発表した決算では、22年3月期2Q累計の連結経常利益は前年同期比32.1%増の26.8億円に拡大し、従来予想の22.9億円を上回って着地した。
全てのセグメントが好調に推移している。
人材サービス事業では、建設関連職種や製薬関連職種、各種エンジニア等を対象とした特定領域の人材紹介、看護師紹介が順調に拡大し、同セグメントの売上高は前年同期比16.7%増の88.29億円、営業利益は同13.3%増の26.31億円となった。
リクルーティング事業では、新卒採用領域は新卒採用サイト及びインターンシップサイトへの広告取扱いが堅調。中途採用領域では、求人広告の取扱いも順調に推移。特にIndeedの取扱いが大きく伸長し、同セグメントの売上高は前年同期比42.4%増の11.67億円、営業利益は0.88億円(前年同期は1.40億円の損失)となった。
情報出版事業は、創刊35周年を記念した「金沢情報」特大号が成功。折り込みチラシ等のポスティングも安定した販促ニーズを受けて順調に推移したことに加え、転職領域で「ココカラ。」ブランドで展開するコンシェルジュサービスが好調だった。これらにより、同セグメントの売上高は前年同期比17.7%増の10.28億円、営業利益は同239.8%増の0.95億円となった。
海外事業は、北中米において米国及びメキシコで企業の採用ニーズが回復し人材紹介の業績が拡大。アジアでは中国では人材紹介が増収、ベトナムでも業績拡大、タイでも増収となった。その他地域でも伸びを見せ、同セグメントの売上高は前年同期比13.3%増の4.34億円、営業利益は0.10億円(前年同期は0.53億円の損失)となった。
【トピック】
12/7には、海外機関投資家の米フィデリティ傘下のFMRは12月7日受付で財務省に変更報告書を提出し、同株式保有比率は8.05%から9.11%に増加している。今後も買い増しが期待できそうだ。
株価は11/15に1491円をつけた後はオミクロンショックで急落したが、12/2以降は順調な戻りを見せている。コロナショック前の水準である1700円を目指す展開となろう。
昨年の新型コロナウィルスの出現で極端に人手を絞った反動が出てきている。
足元は逼迫した人手不足に陥っている。景気回復と共に人材確保が必要であり、同社の更なる業績拡大に期待できよう。
(あすなろ産業調査部 藤井勝行)
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