今週(10月11~15日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で1019円69銭上昇し(率として3.64%の上昇)、2万9068円63銭で取引を終えました。4週ぶりの上昇です。
東京株式市場は、先週7日(木)に9営業日ぶりに反発し、8日(金)は前日比370円高と続伸しました。米国の債務上限問題に解決の兆しが見えたこと、大型連休が明けた中国・上海株式相場が堅調だったことなどが支えとなりました。
今週は、先週の地合いが続いたことに加え、岸田首相が「金融所得課税の導入を急がない」と発言したことが買い安心感を生み、週初の11日(月)は日経平均株価が前週末比449円高と3営業日続伸して始まりました。
ただ、翌12日(火)は4営業日ぶりに反落し、前日比267円安と下落。前日の米国株の下落、原油高に伴う米長期金利の上昇などが警戒されました。
続く13日(水)も同90円安と下落。ただ、下値を買う押し目買いも幅広く入りました。
14日(木)は3営業日ぶりに反発し、同410円高と大幅の上昇。前日の米市場で長期金利の上昇が一服したことでハイテク株が買われた動きを反映、半導体株などが買われました。
続く15日(金)は同517円高と大幅に続伸。終値で2万9000円台を回復しました。米国で過度なインフレ懸念が後退したこと、半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が14日に発表した21年7~9月期決算が純利益で前年同期比13.8%増と好調だったことも好感されました。
これまでも報じられていたことですが、TSMCは日本に新工場を建設する方針を明らかにしましたが、これも円安の進行と相まって、半導体関連銘柄の物色につながりました。
中国の不動産開発大手の中国恒大集団の債務不履行懸念など、まだまだ懸念材料は山積していますが、株式相場の雰囲気はやや明るくなってきました。
世界的に、景気回復にやや陰りが見えるなか、原材料高などコストアップ懸念が浮上しており、いわゆる「スタグフレーション(不景気下での物価上昇)懸念」が株式相場を重くしています。
こうしたなかで注目業種を探すとすれば、やはり「高付加価値を生み出せる」業種・企業になると思います。
具体的には、機械、電機・精密、自動車の「加工型製造業」ではないかと考えます。
一方で、新型コロナの感染者が世界的に減少するなか、経済活動再開に向けて、空運、陸運などのセクターも買われつつあり、「コロナ後」を先取る動きも生じています。
引き続き、上記のセクターに加え、企業の業績改善、株主還元の強化に注目したいと思います。
なお、筆者は有料メルマガの「バリュー&グロース銘柄発掘情報」を執筆しておりますが、そこで取り上げました三菱商事(8058)の株価が上昇しています。
三菱商事バックナンバー ⇒ https://note.com/okuchika/n/n2f94655dbbca
同社が強みを持つ豪州原料炭のスポット価格が400ドル/トンを超えるなど急上昇していることが大きく影響しています。
理論株価を3500円としましたが、今週13日には高値3735円を付けています。よろしければ、「バリュー&グロース銘柄発掘情報」にもご注目ください。
(水島寒月)
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