皆様こんにちは、投資家Sと申します。


 創業(1964年)半世紀を超える投資日報社が、毎週月曜・木曜に発行を行っております、”投資日報α”(月曜版)に”投資家Sの今週の注目銘柄”を連載しております。


 半導体不足が続いております。

 自動車用の半導体不足は特に深刻となっており、トヨタを筆頭に日本の自動車メーカーは軒並み減産を余儀なくされております。

 不足の原因は先進国のコロナ感染ではなく、東南アジアを中心とした新興国の感染が生産に影響を及ぼしており、サプライチェーンのグローバル化がコロナ禍で裏目に出ている状況です。

 筆者は投資日報社と別にデータセンター事業を行う会社を経営しておりますが、こちらの分野でも半導体不足の影響が出ており、サーバー・CPU・メモリーなどが手に入りづらくなっております。

 特にGPU(グラッフィクカード)の供給不足は深刻な状況となっており、その理由は仮想通貨のマイニングとなります。

 8月中旬に組み立て及び販売用にまとまった数のGPUを仕入れたのですが、対象製品は現在WEB上ではほぼ在庫切れの状況となっており、仮に商品が出て来たとしても、8月比で30%以上の高値で取引されております。

 今後自社の在庫をどのタイミングで販売しようかと思案しているのですが、一度手放してしまうと物が手に入らくなる可能性が高い為、数量限定で販売を行う予定です。

 今回の半導体不足を受けてトヨタ系列の取引先は、半導体在庫を5カ月程度まで積み増す要請を受けており、かつては「ジャストインタイム」で効率化を追求した同社も、戦略の転換を余儀なくされております。

 10年前の民主党政権時代はモノから人、そして最近ではミニマリストなる言葉も流行りましたが、どうやらモノ持たない事はリスクだとの認識が広まってきている事を実感しております。

 所有から使用の流れは誰かが自分の代わりに持っているからこそ成り立つ事です。

 投資だけでなく、日常生活でもストック(在庫)が必要な時代となっておりますので、食糧・水・車・PC等現代の生活必需品を洗い出して、シルバーウィークは在庫の仕入れに精を出してみて下さい。


 今回の注目銘柄は、上昇が続く日本株の中でも出遅れが目立っている、建機最大手コマツ【6301】を取り上げております。かつては中国への依存度が高かった同社ですが、現在は売上に占める中国の割合は一桁程度。建機も脱炭素に向けた取り組みが加速しております。


投資家Sの今週の注目銘柄
■コマツ【6301】



 建設機械国内最大手にして世界2位のシェアを誇るコマツ【6301】に、株価反転の兆しが出始めている。

 きっかけとなったのは、飛ぶ鳥を落とす勢いの外資系ファンド「アーク・インベストメント・マネジメント」の買いだ。
 アメリカに本拠地を置くこのフォンドの代表を務めるキャシー・ウッド氏は、ファンドマネージャーとしては直近5年間で最高ランクの成績を収めている業界のスーパースターとして知られている。彼のファンドが直近3年間で10倍以上の上昇となっているEV大手「テスラ」の破壊的なイノベーションに比較的早い段階から注目。ポートフォリオに組み入れていたのは有名な話。基幹ファンドの「アーク・イノベーションファンド」での組み入れ比率は10%を超えている。

 今回のコマツ株の買いは、同社が運営するアーク・オートノマス・テクノロジー&ロボティックスファンドでの購入と言われており、工業用イノベーション関連企業銘柄への投資が対象となる。新製品や新規サービスの開発、技術的改良、複数の業界における科学的研究の促進などに注力する企業を対象としている。

 アークがコマツのどの部分に着目して買っているのか考えてみた所、建設機械のイノベーション(革新・変革)を引き起こす事が出来る商品を開発中であった。それは“パワーアグノスティックトラック”となる。

 同製品は、従来までのエンジン・トローリーによる動力源だけでなく、バッテリー・燃料電池といった様々な動力源にも対応する新しいプラットフォーム。同社は本製品を、鉱山業界のリーディングカンパニーとなるリオティント・BHP・コデルコ・Bolidenの4社とアライアンスを組んで開発を行う事を発表しており、鉱山業界の喫緊の課題となっている脱炭素にむけた温室効果ガスの削減を、コマツの建機を使って行う事となる。

 パワーアグノスティックトラックは、9月中旬にアメリカで行われる鉱山機械の見本市でお披露目される予定となっており、期間中は注目を集める事となる。

 株価はTOPIXが高値を付けた3月19日以降、5カ月に渡って下落トレンドが続いていたが、7月9日に2,576円、8月27日に2,590円を記録。チャートパターン的にはダブルボトムを形成し、反転上昇に転じる可能性が出て来た。

 日経平均株価も8月20日を安値に反転上昇となっており、日経平均採用銘柄の同社株は、指数の上昇局面からも期待出来る。

 なお、同社については投資日報α限定動画でも詳細な解説を行っているので、下記のURLからご覧頂きたい。
 https://youtu.be/MYnp1I4KPvE


(投資日報α 2021年9月6日号掲載)


(投資家S)


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 ▼櫻田 学氏プロフィール
  トレース合同会社 社長
  株式会社投資日報社 専務取締役
  大学卒業後、2004年から証券会社にてFXの仕事に従事。
  以後、14年間に渡り、営業・企画・トレーディングの最前線で活躍。
  リーマン・ショック・ユーロ危機・Brexit等々の並居る大相場の中、裏方として市場の最前線で指揮を取り、FXの表も裏も知り尽くす。
  2018年秋、11年間勤めたマネックス証券を退社して、暗号資産(仮想通貨)の交換業者となる、株式会社ディーカレットの立ち上げメンバーに加わる。
  2020年5月に、相場道を究める為に同社を退職。
  個人投資家として株式投資を行いながら、投資に掛ける時間が限られる兼業投資家の方に有益な情報を届ける為、株式について日夜分析を行っている。
  日本テクニカルアナリスト協会 認定テクニカルアナリスト(CMTA)
  相場に対するモットーは、「利食いたくなったら乗せろ」


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