株式投資は摩訶不思議な世界である。
株価が上昇している時は買いたくなるのに下げていると買いたいどころか売りたくなる。
そうした投資家心理が最近の株式市場には如実に出ており、全体相場の調整場面継続とともに個別銘柄も調整局面が続いている。日経平均やTOPIXに代表される全体相場が昨年3月のコロナショック時の6,7割上の水準なのに対して個別銘柄には業績は比較的堅調なのに既にコロナショック時の株価に接近中の銘柄もあるほか、上場した後の大幅調整場面を続けている直近IPO銘柄も見出せる。
中には年初に高値をつけた後、良いところなしに調整を続けている銘柄もあり、資金に余裕のある投資家にとっては投資チャンスが生まれている。
とは言え、こうした局面ではなかなか積極的な投資ができにくい。
まず、三角保合いを続けている全体相場の行方が不透明で、テクニカル上において下放れもありうるという見方から個別株においても積極的なリスクテイクがしにくいという点がある。
コロナ禍にも関わらず好業績を上げてきた銘柄の株価の位置は既に高水準となり手が出しにくい。一方で業績の伸びが鈍い銘柄は下落トレンドとなり下値を模索しており、底値を見出せずにいるから思い切った買いが入ってこない。
下落トレンドが続く中で更に下値を模索する展開となり悪循環の動きが見られる。
こうした展開が続く背景は、コロナ禍による経済や企業業績の先行き不透明感。日本経済や国力の根本的な衰退、日本の政治の不安定感、不透明感などによる。
このような状況下で海外(米国)株高が続く一方で日本株のトレンドが悪いまま推移し国際分散投資を行う外国人投資家の買いも入りづらい。
日銀買いへの期待は残るが日経平均が平均買いコストに比べ、まだ高い水準にあり限定的。
自由なスタンスで買いができる個人投資家の皆さんもこうした状況下でなかなか手が出しにくいが、安くなった銘柄をコツコツ買おうという投資家にのみ現在の株式相場は魅力的な位置にあると言えそう。
株はなかなか底値では買えない。
買っても買っても下げてくる銘柄と付き合われている皆さんにとってはここでは根気と忍耐が必要となる。
8月上旬は1Q決算の発表シーズン。
ここでの思い切ったリスクテイクが運用成果となって現れてくることを期待したい。
(炎)
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