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 有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
 自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
 なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。


=コラム「バランス・シートを読むための簡単な知識(3)」=
 (有料メルマガ第347回・2015/9/15配信号)

※2015年9月現在の内容です。留意してお読み下さい。


【前略】


〇バランス・シートを見るときの第二の着眼点について


 企業にとっては何が大切なのか。それは『支払い能力が大切です』です。
 お金が支払えなくなると、企業は倒産してしまいます。したがって経理部門は日常的に資金繰り確保を重視しています。キャッシュ・リッチ企業は資金繰りに苦労することはありません。投資家にとっても、重視すべきことです。


 バランス・シートを見るときの第二の着眼点はずばり、この「支払能力」です。


<まずバランス・シートを上下二つに分けてバランス・シートの上半身を見ます。>

1.バランス・シートの上半身には短期的な支払い能力が示されています。

 「すぐお金になる資産」と「すぐ支払わねばならない負債」の差(流動資産と流動負債の差)をみるのです。その差が「支払能力」を表わします。

 欧米ではこれをnet working capital(正味運転資本)と呼んで、この動向を非常に重視しています。

 金融機関でも流動資産と流動負債の比率(流動資産/流動負債)を流動比率と呼び、重視しています。

 流動比率は短期不況抵抗力の指標とされています。

流動比率=流動資産÷流動負債×100

 流動比率は大きい(=比率が高い)ほうが財務内容がよいと判断します。

(注)投資有価証券は固定資産に分類されています。しかし投資有価証券は市場で売って、すぐ現金に換えることができるので、私は投資有価証券も流動資産として考えるようにしています。


2.バランス・シートの下半身には企業の長期的な体力が示されています。

 次にバランス・シートの下半身を見ます。

 流動比率による支払能力は、バランス・シートの上半身を見たものでした。それではバランス・シートの下半身は何を表わしているのでしょうか。

 バランス・シートの下半身を見る時は、まず「固定資産」対「自己資本」に着目します。

 すなわち、固定資産は設備投資などの「長期にわたって固定化したお金の運用」を表わしており、流動資産のように短期間にお金にかえることはできないのです。
 したがって、固定資産のお金の出どころは「返済しなくてよいお金」である自己資本によるのが安全だといわれています。これは先週の復習です。


 金融緩和が行われている時は、信用のある企業は、銀行から簡単に借り入れをすることが可能です。長期借入金と短期借入金では短期借入金のほうが金利が安いので、短期借入金を借り換えすることで、設備などの固定資産を購入する企業も出てきます。しかし不況時になると大手企業でも借入が難しくなることが発生します。やはり固定資産は長期借入金などや自己資金で賄うことが基本だと考えます。

 固定資産対自己資本を比率で表わしたものを「固定比率」と呼びます。

 年々の設備投資によってこの比率がどのような傾向を示すかを見ることによって、企業の長期的な体力(長期不況抵抗力)を知ることができます。

固定比率=固定資産÷自己資本×100

 固定比率は小さい(=比率が低い)ほうが財務内容が良いと判断します。


【後略】


経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎


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