今週(5月10~14日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で1273円35銭下落し(率にして4.3%の下落)、2万8084円47銭で取引を終えました。2週ぶりの下落です。
週初の10日(月)は、日経平均株価が前週末比160円高となり、前週から3日続伸しました。前週末に発表された米国の4月の雇用統計が市場予想を大幅に下回ったことで、米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和が長期化するとの観測が浮上し、景気敏感株中心に買いが広がりました。
しかし、続く11日(火)は、前日の米国株式市場でハイテク株に売りが広がったことを受け、日経平均株価は前日比909円安と急落しました(終値は2万8608円)。
12日(水)も同461円安と大幅に続落。米国の長期金利の上昇を受けたハイテク株売りが継続しました(終値は2万8147円)。
続く13日(木)も同699円安と3日連続の大幅下落となり、大引けでは2万5000円を割り込みました(2万7448円)。
ただ、14日(金)は、さすがに値ごろ感から自律反発を見込んだ買いが広がり、同636円高と反発して取引を終えました。
今週は、私自身想定を上回る急落となりました。大幅な値幅調整となったことで、当面は2万9000円程度で頭を押さえられる上値の重い展開になると思います。
ただし、中期的な株高予想は変わりません。
リーマンショック後の金融緩和が正常化される過程でも、2013年に当時のバーナンキFRB議長が唐突にテーパリング(量的金融緩和の段階的縮小)の開始に言及したことにより、株価の急落が引き起こされました。いわゆる、バーナンキショックです。しかし、その後は、FRBが慎重に正常化を進めたことで、株価は上昇基調を回復しました。
先週も述べましたが、今後、起こることは、株価および長期金利の上昇です。
株価は買われ、債券が売られる展開です。
株式市場では、選別的な動きが強まると思いますが、「1株当たりの利益が継続的に伸びる企業」の株価は上昇基調を回復するでしょう。
(水島寒月)
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