全体相場は相変わらず堅調な展開が見られますが、個別銘柄には想定外の業績変動により調整を余儀なくされる事例も散見されます。
よく起きがちな事例としては業績向上への期待が意に反して下方修正で投資家の期待が裏切られるケースです。
例えば先日の日創プロニティ(3440)の場合がそうでした。
同社株は年初すぐにソーラー関連銘柄としての期待が高まる中で、人気化し1月8日に高値1350円をつけましたが、この際は業績面をほとんど無視しての株高でした。特段の好材料発表のない中で何でここまで評価するのか分からないままの短期の株価急上昇を演じたのですが、今振り返ると異常な株価上昇だったと言えそうです。
その後同社株は3月5日の安値805円まで一貫して調整しましたが、2Qの決算発表があった3月30日にはどういう訳か一旦、910円まで戻り、終値も897円とほぼ高値圏で終えていました。
発表前に決算内容に期待が高まったのですが、期待は大きく裏切られ2Q決算が下方修正されたほか、通期の業績も大幅に下方修正されてしまいました。
まさかの出来事に発表前に期待を寄せた多くの投資家がきっと目を疑ったのかも知れません。その日のPTSでは770円と言う株価がしっかりと出来高を伴ってついていましたので、それに連動して決算発表の翌日は一転して売り気配となり、779円でスタート。過度な期待の怖さを思い知った出来事となりました。
四半期決算の発表と同時に通期の修正を行う事例が多いので、皆さんもこうした経験をお持ちなのかも知れません。
こうした場合の対応方法についてはケースバイケースなのかも知れませんが、まずは業績の大幅下方修正の場合は思い切って見切り売りするのが最良の対処方法という考え方ができます。
売りそびれた場合は戻り売りスタンスとなるのですが、急落後少なくとも3日間は株高は期待できませんので一定の戻り水準で売り指値しておくしかないかと思います。
同社株の場合も翌日の寄り付きは779円でしたが、その日一旦は800円まで戻る場面がありましたので戻り売りされた投資家もお見えになるかと思われます。下げ2日目も797円まで戻るなど株価の反転を期待する買いが見られましたが、結果としてはまた押し戻された格好で推移しました。
3日間の下げ相場を経て4日目の本日は多少でも反転の動きを見せました。
さて多くの下方修正銘柄が概ねこうした展開を辿ることが予想されますが、企業の実体価値をもう少し吟味すると別の視点での対応が可能となります。
まずは全体相場が強いのかどうかという前提で言うと今は強気の展開の中にあり、個別銘柄が売られてもまた反転する可能性は高い。
個別銘柄の投資価値で企業業績(尺度はPER)ではまったく評価できなくなった場合に今回は該当します(PER10倍から50倍に一気にアップした)ので投資尺度を変えないとなりません。PBR面では0.5倍台前半。これなら下値は限られると考えてみる。また配当金も25円配当を修正がなかった点を前提に配当利回りが3.2%と上がって下支えしそう。…と評価してどこまで下落するかを冷静に考えておく必要があります。
また、同社の場合は保有する実質現預金が時価総額を上回っているので、これ以上の下押しはむしろ投資チャンスだなどと評価してみるわけです。
更には業績の下方修正の背景、回復の可能性などを吟味してみて業績面での回復可能性が次期の決算以降に想定できるかどうかを予想してみる必要があります。
それから出来高面も注意深く見ておく必要があります。
同社株の場合は下方修正後の4日間の出来高合計がPTS(夜間取引)も含めて50万株近くに達しました。これは130万株余りと推察される浮動株の4割ほどの水準となります。売りたい投資家はもうかなり売ってしまったと推察されます。
銘柄ごとに状況は異なりますが、こうした事例で経験を積んでいけば、業績下方修正で売られた場合の対応ができてくるかと思われます。
皆さんは思い切って売ってしまう派ですか。それともじっくり保有する派ですか。ぜひご意見をお寄せ下さい。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
コメント
コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。