今週(3月8~12日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で853円51銭上昇し(率にして2.96%の上昇)、2万9717円83銭で取引を終えました。3週ぶりの上昇です。
週初の8日(月)は、米長期金利の上昇への警戒感から日経平均株価は3日続落し、前週末比121円安となりました。2月4日以来、約1カ月ぶりの安値です。
しかし、9日(火)以降は、米長期金利の上昇一服、米国の株高、米追加経済対策の審議の進展などを受けて12日(金)まで4日続伸。
11日(木)には欧州中央銀行(ECB)が長期金利の上昇を抑制するため、債券の買い入れペースを加速すると表明したこと、米国の追加経済対策がバイデン大統領の署名により成立したことなどを受け、12日(金)の日経平均株価は前日比506円の大幅高となりました。
12日の「メジャーSQ」がさして波乱なく通過したことも好感されたようです。
米連邦準備理事会(FRB)など主要国中央銀行が金融緩和政策を維持するなか、米国で1.9兆ドル(約200兆円)もの追加経済対策が成立したことで、米国景気は強い追い風を受けることになります。長期金利にも上昇圧力が強まるものと思われますが、過去を振り返れば、米国景気の回復や長期金利の上昇は、ドル高円安の進行と相まって、日本株の上昇への大きな「援軍」となりました。
日本において時価総額構成比の高い景気敏感株の業績向上につながるためです。また、4月の新年度入り以降、国内機関投資家のニューマネーによる株式や米国債の購入が進み、米長期金利の上昇抑制につながるものと見込まれます。
また、2月の工作機械受注額(速報値)は前月同月比37%の大幅な増加となり、19カ月ぶりに好不況の境目とされる1000億円を上回りました。
景気敏感株を中心とする株価上昇は今後も継続するものと予想します。グロース株の業績も拡大し、バリュエーション面で投資妙味が生まれることで再度物色されるものと見込んでいます。
(水島寒月)
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