30年の歳月を要してやっと日経平均はついに3万円台に回復しました。
しかし、株式市場が盛り上がってこの値段を達成した感じがなく、その辺に寂しさを感じてしまいます。確かに、1部市場全体は底上げの動きを示し、新型コロナによって大きく打撃を受けた「電鉄・空運・金融・オフィス関連」も底値から這い上がってきました。
昨年3月の急落で200日平均線を下回り、10数カ月低迷していた銘柄ですが超長期移動平均線の200日平均線をも突破してきました。
そして、今戻り歩調を示している銘柄は「JAL、JR東海、三菱UFJ、キヤノン、コニカミノルタ」などです。しかし、指数を押し上げた銘柄は好業績を背景にコロナ禍でさらに業績が良くなった「半導体・電子部品・情報通信関連・EC関連」が、リード役となり日経平均型を中心に株式市場が押し上げられました。
特にファーストリティリングやソフトバンクグループが先頭に立ち、日経平均を押し上げ、ファーストリティリングはついに10万円台銘柄になり、その銘柄の上昇だけで、日経平均を2000円以上押し上げたとも言われ、昨年3月安値から3倍超上昇しています。
過去、自民党政権復活のアベノミクス政策によって景気回復する場面があって、日経平均もそれなりにその経済状況に即した上昇をしていたと思えました。しかし、今回は昨年、新型コロナ感染拡大により景気後退し日経平均が16358円19銭まで下落後、世界的な大型の景気対策により大量の資金が金融市場にばら撒かれて、日経平均は30714円52銭まで上昇しました。
この上昇は経済状況に即した上昇なのか?ちょっと疑問を感じます。
株式市場において、景気悪化の中でも金融調整によって上昇する金融相場があります。
そして、合理性があるのか?疑問を感じます。
株式投資をしていない、中小企業の経営者が今の株式市場はバブルと語っていたのを耳にしました。株式市場が活況になることは良いが、今回は金融相場であり、需給関係が成せる上昇相場であったと思えます。
冷静な投資家による売りが大量に溜まり、それに立ち向かう投機的な買いが今の3万円相場を作ったと見ております。
無論、今の上昇の原動力は米国市場の過去にない上昇力です。米国市場の3指数は指数の上昇により、今まで業績悪で売られていた銘柄までが買われ、大きく上昇した銘柄も多く、その他でも個人投資家の投機的な動きによって小型株が乱舞する騒動も起きていました。市場全般、行き場の失ったお金が投機対象的なものに向かっています。
原油価格の上昇、ビットコインの上昇などもその流れと見ております。
しかし、その状況の中、債券市場では金利上昇の動きが鮮明になっています。
米国では地区連銀の総裁がインフレ懸念を腐食する発言をしていますが、反応は限定的で、10年物国債金利は1.1%から1.3%へとじりじり上昇しています。
過去、金利上昇でブラックマンデーという急落相場がありました。金利上昇&インフレ懸念は株式市場にとっては災いの元です。今は、ちょっと冷静に株式市場の動きをウォッチしたいものです。
例年、2月後半から3月末にかけては機関投資家など大口投資家の決算対策売りが出て、買い手不在の相場になり、昨年は2月末から大きな下落相場が始まっていました。
(大魔神)
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