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社外取締役制度を有効活用する企業

2021/02/18 14:35 投稿

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 企業の組織では社長を頂点にした組織が当たり前だった時代が終わり、社外の有識者等に経営参画してもらう社外取締役制度の導入が進み出している。
 コーポレートガバナンスにおいても重要な役割を担うと見られる社外取締役制度を導入した企業の話が先週は話題となった。


 まず、ECプラットフォーム「BASE」を運営するBASE(4477)の話題から。
 同社は2019年10月にIPOした個人や中小企業向けのEコマースプラットフォームサービスで急成長中。ミニ楽天的な存在でコロナ禍で拡大する巣ごもり需要を背景に利用をEC化の波が押し寄せており、前12月期の業績は売上高83億円(+115%)、営業利益8億円(前期は4.4億円の赤字)と急拡大。
 この潮流をビジネス拡大のチャンスと捉え昨年10月に120億円の資金調達(120万株公募、発行価格10810円)を行った上で今期は大胆な先行投資を実施する計画。今期は売上こそ18から27%の伸びを見込むが営業利益は9億円から14億円の赤字に転落すると2月10日に発表。

 同社の株価は12日現在で1万2240円。時価総額は2685億円(ピークは3517億円)に及ぶ。まだ利益は大きくなくても、ないしは赤字でも時価総額1000億円を上回るユニコーン型の企業としての高評価が与えられている。

 その同社は10日に新たな役員人事を発表。社外取締役にジャニーズ事務所の飯島三智氏が就任するということになった。

 これまで無名な存在だった同社は先日からテレビCMを流し始めたが、そこに出てくる元スマップのメンバーの一人である香取慎吾の所属先の上司でもある飯島氏の社外取締役就任の狙いは果たして・・。


 同様にペコちゃんで有名な山崎パン傘下の不二家(2211・時価2381円・時価総額614億円、前12月期経常利益30.36億円、今期31億円、EPS50円)でも社外取締役に女優の酒井美紀(かつて松井秀樹の奥さん候補と言われたことがある)を迎え入れるとの発表があった。
 掲示板では既に安易とも受け取れる人事発表に批判的な声も上がっている。

 折しも同社には原料期限切れ問題が発覚。まさかこの問題に対応しようとしての人事なのかはまだ分かりませんが、同社も昨年9月からジャニーズのスノーマンをCMに起用するなど巣ごもり需要で向上期待の業績を更に大きく伸ばそうとしているのかその真意は測り知れないものの、コロナ禍やテレビメディアの衰退で芸能人も仕事がなくなりつつあるため、こうした企業内での広報宣伝活動目的での人事政策に加担する事例は増えそうな予感がする。

 投資家の反応は批判的な声もあるがまちまち。結果としての業績向上につながるのであればと思う。


 かつてソフトバンクG(9984)の社外取締役にファーストリテイリングの柳井社長が就任して話題となったが、これは現役経営者同士の人間関係でつながってのもの。孫社長と柳井社長との関係があっての人事だったが、こうしたプロ経営者同士の関係による社外取締役人事は良いとしても経営には直接かかわりのない人物を役員として就任させた狙いはもっと明確になされないと株主からはいろいろ文句も出てくるだろう。


 皆さんの今回の人事に対するご評価はいかがでしょうか。


(炎)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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