ここにきて、9月相場からの流れに変化が出てきたようです。
8月28日、安倍首相の突然の辞意発表があり、それまで株式市場は米国株高でもあったので、堅調に推移していました。しかし、2時を過ぎた時点で5分たらずで日経平均は600円超の下落を演じ、売り優勢の中終わりました。
そして、この下落を期に、物色傾向に変化が見えてきました。その変化の流れは既に米国株式市場で起こり始めていた新型コロナ終息を株式市場が読み始めたことです。
この時期、叩かれ続けていたエアライン関連や飲食業関連、金融株などへ物色の矛先が向かいました。まだ、大きな上昇を示している訳ではないが他の銘柄に比べ下値がしっかりとした動きになっていました。
東京市場において、叩かれ続けていたセクターの中でも、いくつか代表的な銘柄が上昇を示していました。機械株では「日立建機」「クボタ」が新値を更新。今では「ファナック」が連日賑わっています。工作機械の「牧野フライス」も上昇基調を作り始めています。
自動車でも「スズキ」が戻り歩調を示し、銀行株でも「新生銀行」が今週からかなり積極的な動きを示していました。
大手証券の投資評価もあって海運大手3社も大きく上昇していました。
また、米国著名投資家が日本の大手商社5社を買い増ししているとの報道で伊藤忠、丸紅を始め、大手商社5社が上昇し、今でもしっかりとした動きをしています。
また、情報技術、テレワークなどの情報通信や、巣ごもり需用で出前、宅配企業やネット通販、EC関連、ゲームといった業種が物色対象になっていたが、米国ナスダック、S&P500の急速な調整を期に上記した銘柄群に利益確定売りが出て、調整色が濃くなりつつあります。
特にマザーズ市場の売りが結構激しく、大きな下落を見せた銘柄も多く散見されました。
資金の流れが変わると悲惨な動きを示し、正に、株式市場の怖さです。
また、全体市場が上昇をしても今は半導体関連だけはお呼びがなく、調整相場が続いています。
今まで頑張っていた銘柄が調整をし、反対に、3月叩かれ、その後も調整をしていた銘柄群にやっと救いの手が差し伸べられてきた感じです。無論、上記したように既に上昇基調をはっきり示し始めた銘柄もここ散見されており、東京市場もやっと底上げを演じている感じです。
安倍首相辞任で新総裁が決まり、恐らく総選挙もあると見ております。選挙の時には株価を上げないと与党は不利になります。その意味からも前とは違うセクターで、相場が始まると予想しています。
叩かれ続けた銘柄の逆襲があるか注目しています。
(水島寒月)
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