本日は直近のマザーズ市場を検証したいと思います。


 マザーズ市場は2018年初めに高値1367.86ポイントを示現後、ほぼ一直線で2019年初めの水準まで下げ続け、その後の1年も、ジリ貧相場続きでした。今年2月末から止めの大幅下落を演じ底入れしました。今、マザーズ市場は2年3カ月間の下落相場から立ち直ってきました。

 現在、マザーズは527ポイントから1156ポイントまで回復、2倍以上の上昇を示し、2018年6月時の水準まで回復しました。無論、3月中旬以降の1部市場の戻り相場もあったが、それよりも3月13日、いち早く底入れし(日経平均は19日に安値)上昇に転じました。
 この時期は外国人投資家がマザーズ市場だけ買い越しに転じていました。


 さて、その上昇相場を見るにおいて、リード役が2銘柄あったと思います。

 その一つはIPO銘柄の代表として「メドレー・4480」です。新型コロナウイルスによって、オンライン治療やヘルスケアに係わりを持った銘柄です。3月の下落時においても立ち上がりも早く、新値を更新する動きを示していました。その後4月にかけては商いを伴い迫力がある動き示し、そして、一旦調整がありましたが、その時は、次の主役である「アンジェス・4563」が4月14日、ストップ高をスタートに上昇相場を演じていました。それ以前からも上昇基調を示していましたが、この日より本格的な相場が始まりました。

 同銘柄の新型コロナウイルスワクチン開発を始めたとの報道をきっかけに、今度はバイオ株中心にマザーズ市場を押し上げました。その後は5月、6月はIPO銘柄、バイオ銘柄と順次相場のリード役を務め、指数は年初来高値を更新して行きました。
 ここ7月は調整期間になりましたが、8月からはIPO銘柄が再び盛り上がり、BESA、マクアケ、NEXTONE、など1万円台まで上昇しました。更に出遅れとしてマザーズ市場のゲーム株にも物色の矛先が向かって行きました。また、今週は低水準銘柄の押し上げ相場も始まったようです。それは水準訂正相場を意味しています。


 世界的に株価が上昇する中においても、今回のマザーズ市場の戻りは一番大きい戻り相場を演じました。この動きと類似する市場は米国・ナスダック市場です。この8月の相場状況をみてもかなり力強く上昇しています。
 今の市場は景気回復期待の中で全体的に買い戻しがはいっているものの、不安感から割安なバリュー株よりも、やはり、今後の成長期待があるグロース株である情報技術、ヘルスケア、コミュニケーション関連に買いが向かいナスダック市場、S&P500市場が優位性を持ち、東京市場においても成長性の銘柄が多いマザーズ市場に資金流入しているようです。
 そうした流れから、マザーズ市場に外国人投資家が8月1週目、2週目、本日発表の3週目共に100億円超の買い越しを続けていました。1部市場の3週目は売り越しに転じ、このように、この上昇も外国人投資家の動きによるものです。

 以前から指摘していますが、外国人投資家動向は大切です。
 ただ、今週は高値水準での乱高下の動きが見られるので、ちょっとひと呼吸おいて市場動向を見極めたいと思います。

 マザーズ市場の特色は、市場の柱となるリード役が不在になると調整の始まりとなることに注意してください。


(大魔神)


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