有頂天になりそうな株価の上昇に、「ゆめゆめ油断を召さるな。」といった老婆心的なアドバイスなどは不要と言われそうな相場展開となっている。
好需給に支えられた市場はどこまでの株価上昇を演出することになるのか?
この相場は過剰流動性を背景にしたものである点が上げの理由となっている。
つい3か月前のコロナクラッシュの状況を考えると、「まさか、そんなことが起きるとは・・」と多くの警戒した投資家がこの上げ相場に引き続きの警戒感を持つことになることは想像に難くない。
今回の上昇相場のメカニズムを解説する市場関係者は筆者も含めて当初は日経平均が半値戻り水準を超えればどこかで2番底をつけると見て慎重な投資スタンスを採ってきたと推察されるが、ここに来てはこのまま1月の高値を抜け、日経平均が2万5000円台に向かうとの強気の意見も出てくることになる。
どうやら2番底形成の議論はあまりの相場の強さに杞憂に終わり、いつの間にかどこかに消えてしまいそうな展開だが、この背景が過剰流動性を背景にしたものとなれば、株式投資の考え方、運用スタンスを変更していく必要がある。
日銀や年金資金による株式買い支えに加え企業の自己株買いが株価の下支えを果たしてきたが、そうした資金が市場に集まってきた高値警戒感を持ち始めた個人投資家の売りを吸収。その結果、個人投資家にも行き場のないお金が溜まってきた。
そうしたお金が個人投資家好みの材料銘柄に向かった。
本来なら設備投資などに向かうお金もまだそこまでの気運は高まらず、不動産もコロナ禍でテレワーク化、Eコマース化が進みこの先の市況は不透明。消費税増税で盛り上がりに欠ける個人消費は10万円の給付金で4半期ベースで見ると徐々に復活はするが、良いのはコロナ対応品や学校の休校で内向き消費の食品や自宅待機ゆえのゲームなどの関連企業には恩恵がもたらされた。
つまり連想ゲーム的にお金が株式市場において循環し全体相場を押し上げてきたと言える。旅行大手のHISなどコロナ禍でネガティブな評価を受けた企業ほどこのところの株価の戻りは大きくなった。
利益確定売りを実行された個人投資家の皆様はこの勢いを活用して更にリターンを求めてポジティブな運用を継続されようとしておられるものと推察される。
浮動株が減少している中での過剰流動性相場がどこまで続くのか、果たして今後の展開はどうなるのか?
今後の株式相場の先行きに興味津々といったところだが、今後の相場の基調には変化がないと見られる。但し、相場のことだけに時には小さな波乱も想定される。既にコロナクラッシュ時のボトム水準から間もなく3カ月を経過しようとしている中で株式相場は一旦のピークを打ち、短期的には日経平均が2万円~2.1万円水準まで調整するといった展開を想定する向きもあろうが、強気派の勢いが弱気派を優る中で意外な展開に投資家各位が翻弄されないことを祈る。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
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