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家でおもちゃのお金は使わない

2020/06/06 16:48 投稿

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 億近読者の皆様こんにちは。

 お金教育に特化したFP、遠藤功二です。


 緊急事態宣言が明け、電車の中も大分人が増えてきました。
 この数ヶ月、感染防止のために多くの方が自宅待機、在宅勤務を強いられたと思います。

 職種によっては、在宅勤務といっても仕事はなく、実質休暇と同じ生活だったという人もいらっしゃるようです。
 仕事がなくても給与や休業補償が振り込まれるのは安心する一方、自力でお金を稼ぐ力の大切さに気づいた方も多いのではないでしょうか。


 私自身も、今回の新型コロナの騒動で、子供には、自分でお金を稼ぐ力を持って欲しいと思いました。

 以前のメルマガで、私は、子供にお金の稼ぎ方を教えるために、家の中のお仕事をしたらお小遣いをあげる、という方法を推奨させていただきました。

 このような私の考え方を申し上げると、

「家の仕事にお金を払うのはいかがなものか。」

という反論も受けすることもあります。

 また、「お金をあげないとお手伝いを全くしなくなったらどうしよう。」

このような迷いが生じる方もいらっしゃいます。


 そのような方のために、今回は私が子供にお仕事をしたら現金を与えている理由をお話ししていきます。


■おもちゃのお金を使ってはいけない理由

 まず、お手伝いにお小遣いをあげるのをためらう場合、「おもちゃのお金」をあげるという方法があります。

 実際に、家庭内でのみ通用するお金を、金融教育教材として発信している事業者もいらっしゃいます。

 ただ、私は、これは反対です。

 なぜかというと、家の中のお仕事に対しおもちゃのお金をあげる行為は、子供に対し失礼な行為だと感じるからです。

 私は、子供が家の中でお仕事をする場合、完璧を求めます。

 私の家庭では、子供がベッドメイキングをしてくれるのですが、私より上手になってしまいました。

 その完璧な仕事に対し、おもちゃのお金をあげるなんて、ホテルのサービスマンの方に同じことをしたら、とんでもない非礼なことです。

 また、「子供だからおもちゃのお金で良いだろう」と考えることは、子供を下に見ていることの現れです。会社で功労賞として、よくわからないポイントを渡されたら、逆に憤慨します。

 そのような「下に見る態度」は子供にも伝わってしまいます。
 信頼関係に影響します。


 ここで余談です。
 以前、私が家庭内で債券を発行することを子供に提案しようと思い、手書きの債券を作成し、

「この債券、満期に2倍になるけどこの債券に投資する?」
と聞いたら、
「そんな偽物の券いらない。」
と言われました。

 子供は、大人が思っている以上に本質を見定める目があります。
 裸の王様のお話でも子供が、本質を見抜きました。

 私はおもちゃのお金でお金の学習をすることは反対です。
 子供は騙されてくれません。また、騙される子に育ててはいけません。
(モノポリーのように「遊び」と割り切っているものは大賛成です。)


■家族の仕事を無償にしない理由

「家事は家族の仕事なのだから、お手伝いにお金を渡すのはおかしい。」
このご意見については、私は半分賛成です。

 しかし、私は、子供の仕事にお金を渡します。

 なぜかというと、家事は親の仕事だと思っているからです。
 子供の仕事は、遊びと勉強です。

 家を会社に例えるなら、社員が気持ちよく働ける職場を作るのが社長の務めです。
 家庭の社長は親です。

 多くの方に尊敬される社長は、朝早く会社に来て、掃除をしたりします。
 偉そうにするのが社長の仕事ではないとわかっているからです。

 しかし、次のようなことが起きたらどうしますか。

 もし、社長が朝早く掃除をしている中、若手社員が心を打たれ、
「僕が朝早く来て掃除しますから、社長はもっと大事な仕事をしてください。」
と言って、掃除を引き受けてくれたら。

 えこひいきになるようで気が引けますが、私なら掃除の時間も給与に計算してあげます。

 もしそれで、他の社員から「ずるい」という話が出るなら、みんなで朝早く掃除をすれば良いわけです(もちろん掃除の時間から時給発生です)。

 一方、若手社員が朝早く会社に来て、資格勉強の自習をしていても時給を渡す必要はありません。それは、自分のための行為だからです。

 子供がどんなに勉強を頑張っても、私はお小遣いとは結び付けません。
(ご褒美で焼肉に行くなどはありだと思っています。)


■家事は本来親の仕事。

 子供が行うお手伝いは、親の仕事の代行。
と考えれば、お手伝いにお小遣いが発生しないと、私はサービス残業を強いるブラック企業の社長になってしまいます。


 余談ですが、大人の世界では、先ほど例に出した若手社員のような行為を、純粋なように魅せて行う人を「したたか」と言います。
 人の気持ちを理解できなければ、「したたか」になることすらできません。

 私は、したたかは、賛成派です。
 辞書で「したたか」を調べると意外な意味があります。

 私は、子供に純粋なまま、したたかになって欲しいと思っています。


(遠藤)


[遠藤 功二氏 プロフィール]

 日本FP協会認定CFP
 1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
 MBA(経営学修士)

大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。
自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。
web:https://fpkun.com
メルマガ:https://mailseminar.fpkun.com/
メッセージ:koji.endo@fpkun.com


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)

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