■相川伸夫ピックアップ銘柄フォロー
※5月29日(金)執筆時点
・山王(3441)2016年12月19日配信
株価560円⇒762円(+36%)
・テノックス(1905)17年2月20日配信
株価815円⇒845円(+4%)
・特殊電極(3437)17年6月12日配信
株価2922円⇒4700円(+61%)
・東北特殊鋼(5484)17年9月4日配信
株価1831円⇒1395円(-24%)
・新報国製鉄(5542)17年10月2日配信
株価1577円⇒950円(-40%)
・パウダーテック(5695)18年2月19日配信
株価4845円⇒3100円(-36%)
・東京エレクトロンデバイス(2760)18年4月6日配信
株価1970円⇒2824円(+43%)
・アバント(3836)18年6月25日配信
株価473円⇒1127円(+138%)
・神戸天然物化学(6568)18年8月13日配信
株価2718円⇒1548円(-43%)
・丸順(3422)18年9月18日配信
株価826円⇒470円(-43%)
・クロスフォー(7810)18年10月9日配信
株価421円⇒343円(-19%)
・カンロ(2216)19年11月5日配信
株価1665円⇒1496円(-10%)
・ロンシール工業(4224)20年4月24日配信
株価1758円⇒1796円(+2%)
※ピックアップ銘柄は買い推奨ではありません。
私の目で面白い、アツイ要素がある!という理由で記事を執筆した企業の経過観察です。
執筆から3年程度は継続ウォッチしていきたいと考えていますので、銘柄は今後さらに増える見込みです。また、銘柄には大化け狙いと堅実成長狙いの銘柄が混じっています。
●山王(3441)は3月9日に配信した『相川伸夫の山王(3441)ENEX展示会取材報告』 http://okuchika.net/?eid=9035 で詳しく解説していた特許が成立した事を材料に株価は高値927円まで上昇しました。
コロナの暴落によって3月13日の安値353円まで付けていましたので強烈なリバウンドになりましたね!
しかし、個人的には山王のIRには物足りなさを強く感じるものでした。
今回の山王のIRの出し方では、3年前に初めて水素透過膜のIRを出した時に対しても発展性も感じられませんでした。実態としては前回の掲載記事で書いたように実用的に水素透過膜が製造できる段階の技術特許であり、着実に進展しています。私としてはカラー資料で現状報告と今後の展望や計画等に関しての説明資料もIRに期待していたので、正直残念ではありました。
まだまだ先の長い事業ですので気を長くして見ていこうと思います。
◆本決算フォロー
●テノックス(1905)
⇒20年3月期決算説明会の動画
https://www.net-presentations.com/1905/20200522/
着目すべきは従来動画でのIRなんて開示していなかったものが、今回動画を掲載していることです。
今期の決算予想・配当予想は非開示となっていますが、時価総額65億円に対して有利子負債0円、現金同等物が93億円と完全なるネットバリュー株でもあります。
今年の7月に創業50年に成ります。配当方針での配当性向は30%と謳われており、減配可能性はありますが、動画には株価とPBRのグラフ+「IRに関する問い合わせは記載の部署に、返信は後日します」と佐藤代表が明言している所には好感しかありません。
同社はこれまでも土木の割安バリュー株という評価が今後こうしたIR活動が活発になっていけば変化も生まれてくる可能性があります。
杭打ちの施工不具合の損出しは前期で終了です。
●特殊電極(3437)
18年~20年まで毎年20%近い増益を達成しており、好調です。
今期の業績予想は非開示ですが、事業内容からすると今期は厳しいでしょう。
とはいえ、株価に関しては大きく買い増ししている光通信(20年4月で24.88%まで保有増大)次第と言えるのかもしれません。
●東北特殊鋼(5484)
東北特殊鋼に注目してきている理由はバリュー株かつ、ポテンシャルの高い磁性材料の基本特許を押さえていることです。収益に関しては不動産賃貸事業(西友)での利益が変わらず安定しています。
今期の業績見通しは非開示であるものの、本業である特殊鋼事業は自動車の出荷台数も冷え込むことから厳しく、一部減損なども出てくるかもしれません。
とはいえ、1997年上場以来一度も赤字にはなっていない経営体質でもあり、かつ最近になって増配姿勢も強めていたり、HPの更新も増え、最近では私が注目している磁歪クラッド鋼板の記事なども増えてきているので期待感は高まってきています。
●パウダーテック(5695)
今期業績の見通しは非開示。
2004年からリーマンショックでも黒字体質の財務堅調企業ではありますが、今期はそこそこの減収減益が濃厚だと私は試算しています。
同社が取り扱うのはプリンターのインクに使われるトナー(その中のキャリア)です。
Officeが全世界の先進国でテレワーク推進になり、会議で回覧されていた紙の資料等が大きく電子化されている以上、業績にはその影響が直撃してしまうと考えられます。
これまで長らくペーパーレス化は声高に10年以上叫ばれてきましたが、今年以降はこれまで以上に加速度的に進んでいくことは間違いないのではないかと思われます。
まだまだ私が着目しているフェライトの微細粉を用いた新規事業は売上1億円程度とのことですので、しばらくは業績的にも株価的にも厳しいのではないか?と考えます。
●東京エレクトロンデバイス(2760)
業績絶好調!株価も好調で素晴らしいですね!
コロナ禍での業績影響はありましたが、以前より記事で繰り返し注目していたCN事業とPB事業の堅調さは際立っており、ここにより収益は大きく向上することになりました。
・相川伸夫の銘柄フォローレポート 東京エレクトロンデバイス(19年3月4日配信記事) http://okuchika.net/?eid=8288
一年前に配信した私の記事で、今期の21年3月期は…
・EC1200億円×利益率0.8%で試算していましたが、コロナの影響で下回ってしまいました(PBセグメントがECに統合されたのでおそらく以前の区分けであれば150億円程度がPBと推測)
コロナが起こっていなければニアピン賞だったと思っています(笑)
⇒東京エレクトロンデバイス 2020年3月期 本決算説明会動画
https://youtu.be/3f9ZUec_6Bk
決算説明会の動画があるのでこちらも視聴して頂くと今後の更なる成長ストーリーが理解できます。
⇒新中期経営計画(VISION 2025)に関するお知らせ
https://www.teldevice.co.jp/ir/ir_data/ir_news/ir_200515_1.pdf
中経も意欲的であり、TEDIoTの伸び代やCN事業の成長は非常に楽しみです!
ちなみに中経最終年度の数値(下限値)で計算すると、
売上1800億円
経常利益90億円
でありザックリEPSは560円に成ります。
配当性向40%は出すと仮定すると配当金は224円に成り、現在の株価であれば7.9%の配当利回りにもなります!
これは決して不可能ではない数字だと感じます。
今後も長期で見守りたい注目銘柄です。
●神戸天然物化学(6568)
同社は設備投資の減価償却が記事掲載当初より重い計画であったために、生産遅延の影響下では業績ダウンは致し方無い。中期見通しはコロナ影響以外にもネガティブな要素(設備投資の一部再送り&顧客先の競合企業の出現)もあり、今期見通しは従来見通しより大きく下方修正して開示。
私が楽しみにしている量産ステージの高収益製造業に大変貌するにはしばし時間がかかる公算が上がってしまったが、気を長くして見守っていきたい。
●丸順(3422)
私が今、一番注目している企業です。
業績見通しを5割近くの企業が見送る中、名証2部上場の丸順は前提条件と共に開示した。
減収減益ではあるものの自動車部品会社でまさかの黒字での見通しでの開示があり、大変驚いた!
丸順は日本・中国(広州と武漢)・タイで製造をしており、海外連結会社は3か月ズレて丸順の連結決算に合わされる。
※今期1Q=日本は3~6月、中国(広州・武漢)+タイは1月~3月の業績が出る。つまり、完全にロックダウンしていた売上80%減などと報道のあった2月3月の中国が今期の業績見通しに計上されており、かつ、日本では非常事態宣言の影響の強い今期が含まれており、にもかかわらず黒字だと想定しているのは正直驚きました。
よって、今期の1Qは相当に悪い数字であることは間違いありません。
個人的には赤字であろうとすら試算しており、もし黒字で着地出来たならポジティブサプライズなのではないかと思うほどです。
本来であればコロナの影響さえなければ前期も過去最高利益を更新していただろうし、今期も東プレからの仕事で日産のデイズやルークスの車種の増加、トヨタのカムリの仕事の増加などで過去最高益更新だったことでしょう。
2016年3月期には連結自己資本比率4.2%の危険領域(単体ではアウト)であったものが、現在では連結自己資本比率25.2%も急速な改善かつ本業で最高益を叩きだしているほどです。
低PER株はリスクが高い(業績のブレや一撃大赤字等)からこそ敬遠されるのは常識です。とはいえ、実力ベースでの評価で見た時には同社のPERは2を下回ります。
IRも大変積極的であり、東プレとの提携・EV事業への躍進、世界トップレベルの冷間プレス加工技術、3000tの新規プレス導入等、株価は右肩下がりでも会社の実体はますます輝きが強まるばかりです。
前期EPSは204.9円で着地して、配当は8円でした。配当性向にして3.9%ですが、その8円でも配当利回りは1.7%に及ぶほどの安い株価で放置されています。
中経最終年度の2023年3月期のEPSは約260円であり、この時の配当性向が15%であるなら39円であり、現状株価での配当利回りでは8.3%です。
経済が通常の戻りさえすれば十分に実現可能圏内であると私は分析しています。
プレス企業はシクリカルであり、リスクも高く見られる企業ですが、それでも一般的にはPER6~10での評価あり、さすがにPER2は低すぎるのではないか?と思います。
ちなみに本業の実力値(特益除く)で評価する低PERランキングでは大抵TOP10に位置している状況が続いています。
今期上期での経常利益予想は15億と予想されていますが、1Qは壊滅的であると推測するとよほど2Qは強く、下期は不透明ゆえに横這いで数字を置いているのではないか?と勘ぐってしまいます。今後どうなるか非常に注目しています。
1Qが赤字で売られる展開になったなら、そこが面白いタイミングではなかろうか?と考えます。
・19年10月21日放送【株式会社丸順 齊藤社長】直撃インタビュー
(KCR総研) ⇒ https://youtu.be/Y6LoR5oHlx8
こちらに同社の斎藤代表との対談での動画があるので、興味がある方は一度ご覧になってもらうと良いでしょう。
●ロンシール工業(4224)
前回執筆した企業です。
アフターコロナ、又はウィズコロナ銘柄であり、かつ、技術力のある老舗の製造企業です。
まだ取材は実現しておりません。
今期の業績・配当見通しは非開示であり、まだ分からない状況ではありますが、同社の抗ウイルス製品への引き合いは増えていると思います。
1Qは工事控えの影響もあったと考えられるのでそうした数字がもし出てくるのであれば2Q以降でしょうが、商品特性上、追い風は長く吹くものと考えます。
るのであれば2Q以降でしょうが、商品特性上、追い風は長く吹くものと考えます。
また取材が出来ましたら記事としてアップしたいと思います。
◆相場展開について
非常事態宣言での人々の自粛によって経済は大きな影響を受けました。
しかし、経済が受けた影響に対して相場は多くの方が想定している以上の強さで戻ってきました。
この後には第二波の懸念も当然存在しますし、世界ではまだコロナの感染は続いています。にも拘わらず、
「コロナなんて無かった」
「コロナショックならぬ、コロナノミクスだ!」
という言葉すらよく耳にするほどです。
「市場がコロナの影響を織り込んだから株価は上がっている」
という見方も出来るとも思いますが、私は違うと思います。
現金を突っ込む所が株しか存在しないという現象なだけ、つまりバブルだと感じています。
債券も大規模な財政出動によって、利回りがかなり薄くなり、商品の原油なども生産が回復しないために価値が暴落し、金か株式くらいしか今は突っ込む所が無い。
しかも日本では日銀ETFの買い入れを増額してまるで無尽蔵かと思える程株式を買い始めました。
コロナの第二波が来れば株式は下がるでしょう。しかし、一時的にしか下がらないのでは無いか?とすら思えてきました。なぜなら下がれば日銀が買ってくると思われるからです。
ここまで目茶苦茶な相場展開をしてくるのは完全に想定外でしたが、これからさらにバブルに向かうのではないか?という考えが強まってきました。
これがもし、始まったばかりのバブルなのであれば、この後相当強くなってくる可能性が出てきます。
バブルが来てインフレが起こるのであれば、弾けるその時まで上手く乗りたいものです(笑)
※投資はあくまで自己責任でよろしくです!
それではまた。
『全力全開全力前進!!!』
(相川伸夫)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
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