2月28日に375円と言う安値をつけていた創薬ベンチャーの株価が5月8日の高値2455円まで6.5倍にまで跳ね上がった。
この銘柄は皆様ご存知の新型コロナウイルス肺炎に対応したワクチン開発を行うと発表したアンジェス(4563)。
2か月余りで6.5倍は2018年10月から2019年1月にかけ急騰を演じたサンバイオ(4592)の株価上昇率を上回っている。
この時は10月安値3115円から12730円まで4.1倍となったが、今回のアンジェスはこの上昇率を上回っている。しかもかなりの大商いを演じた点も類似している。
このアンジェス株が先週末は乱高下を開始した。サンバイオが12730円の高値から短期間に2401円まで急落したことは記憶に新しい。梯子を外された投資家の悲鳴がこの時は上がった。
今回はどうだろう。
国策となるコロナ対応ワクチン開発で逸早く名乗りを上げ矢継ぎ早に他社との提携などを発表してきた同社の株価が2455円までつけたあと引けにかけ一気に1523円まで急落を演じた。前日比500円安のストップ安ながら高値2455円からは932円安。出来高は9113万4600株、売買代金は実に1747億円だからやはり過熱していることは明確だ。
終値ベースの時価総額も1710億円で、高値時点では2700億円を超えていた。
医薬品開発にはフェーズ1からフェーズ3までの開発過程があり、開発には時間を要することは創薬ベンチャーへの投資を重ねている投資家であれば十分に認識されている筈ですが、今回も未知のコロナウイルスへの対応ということで短期にムードが先行した感が強い。
創薬ベンチャーというのは必ずと言って良いほど短期急騰後に乱高下を見せる。
マザーズ指数を押し上げてきた創薬ベンチャーのリード役が一気に崩れたことからマザーズ指数も高値869ポイントから822へ前日比マイナスに転じた。
とは言え、まだ上昇トレンドのマザーズ指数が大きく崩れている訳ではない。
一方で日経平均は2万円台に乗せて終え、明暗を分けた格好となった。
週明けの株式相場はこうした流れの中で投資家の関心がどこに向かうのか興味深い。
(炎)
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