日本は緊急事態宣言からちょうど1か月が経ちました。
この大型連休中に政府は緊急事態宣言のさらなる延長を決定し、とりわけ特定警戒都道府県の範囲では接触機会の削減を徹底することを訴えています。
しかし、目を海外に転じてみますと世界最大の感染国となった米国はじめ欧州の要であるドイツ、そしてオーストラリアやニュージーランドといったオセアニア地域でロックダウンや制限解除に向けた動きが活発化し、正常化への道筋を模索している段階にあります。
株式市場においても米国の経済活動再開に向けた期待は押し上げ要因としても強力に作用しています。ウイルス終息に関してはまだまだ前途多難で道半ばですが、パニック的な混乱状況を脱して冷静にウイルスと向き合い、そして共存する社会の未来像、“ポスト・コロナ”を描き始めたと言えます。
このウイルス騒動を乗り越えた先にある技術革新について、さらには強力な大型経済対策、大規模金融緩和がもたらす景気浮揚への期待について、新たな社会秩序を模索すると同時に有力な投資テーマを探る動きが活発化していると言ってよいでしょう。
業界紙の株式新聞ではコロナ後の10大テーマとして次の項目を挙げており、いずれも投資妙味のある新テクノロジーへの注目度が高いと言えます。
1.半導体
2.5G
3.量子コンピューター
4.クラウド
5.原油安
6.地政学リスク
7.非接触IF
8.バイオマーカー
9.マイナンバーカード
10.ドローン
やはり1.半導体、2.5Gなどはコロナ影響も少なく、テクノロジーの基盤となってきますので、外せないところでしょう。
4.クラウドや8.バイオマーカーなどはコロナショック真っただ中でもけっこうな強気相場を演じましたので、ここからのポスト・コロナとして考えるとやや乗り遅れとなる懸念もありますね。
そうした観点から対象を絞っていきますと、やや意外感があるかもしれませんが3.量子コンピューターの注目度が高いことが見えてきます。
この量子コンピューターに限らず「量子技術」というのは暗号やセンシング、光学分野などでも研究が盛んに進められており、まさしくポスト・コロナで実現する近未来のコア・テクノロジーとなる可能性を秘めています。
【注目株その1】
AI(人工知能)技術における高い開発力を有し、日本屈指のデータサイエンティスト集団であるブレインパッド(3655)
【注目株その2】
海外大手企業からの信頼と実績のあるテラスカイ(3915)はクラウドソリューションで業績堅調、財務基盤も盤石と安定感に長ける
【注目株その3】
今秋に持株会社体制に移行予定で、蓄電システムなどにより一層注力することが見込まれているエヌエフ回路設計ブロック(6864)も有力視
市場の物色動向や好みに応じて関連銘柄を拾ってみるのがよいと思いますが、この機会に投資を決断するわけですから、不透明感や不安感はできるだけ消化しておきたいところでしょう。
先行き不透明感の強い今だからこそ、各企業の特色や強みなどを時間をかけて分析したり、分かりにくいところはIR担当者に問い合わせてみたりすると、より納得して投資判断にも自信を持つことができると思います。
(あすなろ産業調査部 加藤あきら)
[加藤あきら氏の過去コラム]
老後資産1億円達成への相場道#1 http://okuchika.net/?eid=8729
老後資産1億円達成への相場道#2 http://okuchika.net/?eid=8746
老後資産1億円達成への相場道#3 http://okuchika.net/?eid=8815
老後資産1億円達成への相場道#4 http://okuchika.net/?eid=8890
老後資産1億円達成への相場道#5 http://okuchika.net/?eid=8961
老後資産1億円達成への相場道#6 http://okuchika.net/?eid=9002
老後資産1億円達成への相場道#7 http://okuchika.net/?eid=9040
老後資産1億円達成への相場道#8 http://okuchika.net/?eid=9062
[加藤あきら氏プロフィール]
国内・外資の大手金融機関で経験を積んだのち、あすなろ投資顧問に在籍。
市場動向分析、市場心理分析、チャートだけでは語らない「大局的な視野」を持ち日々銘柄を分析する。顧客に寄り添うアドバイスに定評がある。
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株式会社あすなろ/関東財務局長(金商)第686号/加入協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
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