武漢ウイルスによる肺炎の感染拡大で株式市場も大混乱。日経平均もNYダウも1000円幅、2000円幅1000ドル幅、2000ドル幅が当たり前のように見られる日々の変動にも多少慣れが生じる昨今となってきた。
敢えて新型コロナウイルスとは言わずに本稿では武漢ウイルスとして発生地の名称をつけておくが、更に世界的な流行をパンデミックならぬパンダミックとも言っておきたい。パンダの国からの感染拡大だから敢えてこうした言い方が当然だろう。
素性の知れない見えない敵との戦いは今年に入ってからと考えられるのかも知れませんが、インターネットなどで言われている話では昨年9月22日に端緒があるともされており、その真相はこれから徐々に明らかになると思われる。
多くの投資家にとって年初までは楽観ムードに包まれていたせいもあって
2-3月の一気の株価急落にはついていけなかったという向きも多いのかも知れません。
日経平均は期間2か月で2万4000円台から1万6000円台まで急落し、先般ようやく19500円前後まで戻ってきた。戻り相場の目途を3分の1戻りとするか半値戻りとするか投資家のスタンスで異なるが、それとともに日銀によるETF買いがこれまでの倍の金額実行されるとの発表があったことによるリバウンド相場の目標水準として、日銀のETF買いのコストが1万9500円とされたことを参考にする向きもあると思われる。
市場関係者は今3月期末の日経平均株価にこの程度の水準を期待したと言え、一時はこの水準を上回った局面もあった。実際には明日3月末の相場次第となるが、思い切った資金投入で実力行使となる可能性もある。
ただ、問題はその後の展開と言える。
冷静に考えると日銀による買いは今期末を意識したものと言え、その後の展開については企業業績の落ち込みなどの現実問題が引き続き株価の足を引っ張る可能性もある。
武漢ウイルス問題の終息が見えない中で市民生活は不要不急の外出は自粛するように言われ、それを忠実に守ることで感染を防ぐとの意識が生まれる一方で、消費の委縮で経済には様々な影響が及び上場企業にとっては財務体質などの好悪で評価に差が出てくる可能性もある。
全体相場を代表する日経平均はソフトバンクG(9984)やファーストリテイリング(9983)などの特殊な採用銘柄にも影響を受けやすい。インデックスに影響をもたらすこれらの銘柄は業績とは無関係に変動を続けているとの印象がある。
それが企業の存続にも影響をもたらす客観的な情勢で一気に評価を落とすことになればここはより慎重に取り組む必要がある。
個別株にはPBRが0.5倍以下の銘柄が数多く見出せる状態となってきた。つまり解散価値の半分以下となってきたという銘柄が市場にあふれかえってきたとの印象がある。本来なら余裕のある投資家はこうした水準となっている株式を積極的に買いたいと思う筈だが、武漢ウイルスによる企業業績への影響を見極めようとする動きが大勢を占めていると推察される。
まだ企業からの武漢ウイルスによる業績への影響について分析をし投資家に伝達する動きは限られているようにも思われる。不透明なまま期末を迎えようとしている訳で、この先も積極的な買いはいくら割安感があっても入り難いと考えられる。
先週までは期末配当取りを目当てにコツコツ買いも入り、一定水準まで相場全体は戻ってきたとも言えるが4月後半から5月連休にかけての株式相場は武漢ウイルス次第と言えるのでまだまだ予断を許さない展開が続く。
株式による運用はリスク分散(銘柄分散、時間分散など)を基本としながら状況に応じてキャッシュポジションを上げ下げしながら全体の資産を指数の変動以上の水準に高めていくことが重要。
そのためにはここでの株価変動を冷静に捉える必要があるだろう。
(炎)
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