今週(8月19~23日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で292円10銭上昇し(率にして1.4%の上昇)、2万710円91銭で取引を終えました。4週ぶりの上昇です。
週初は、前週末の欧米株式の上昇、円高の一服などを受け、日経平均株価は19日(月)、20日(火)と続伸。米政府が、中国の通信機器大手華為技術(ファーウェイ)への輸出禁止措置に関し、一部の取引を認める猶予期間を延長すると発表したことも好感されました。
また、ドイツのショルツ財務相が景気対策としての財政出動に言及したことも、投資家心理の改善に寄与しました。ドイツは国家財政、経常収支ともに黒字を維持しており、伝統的に財政出動には慎重な国柄です。そのドイツが景気対策の実施に踏み切るとすれば、マーケットに与える影響は大きなものになると思います。
日経平均株価は、21日(水)に小反落しましたが、22日(木)に小反発。23日(金)も続伸しました。しかし、日本時間で23日夜に予定されるカンザスシティ連銀主催の経済シンポジウムでのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を控え、模様眺め機運も広がりました。
来週の株式相場は、パウエル議長の講演内容に左右されるでしょう。
良くも悪くも、マーケット心理をあまり忖度しない、ストレートな物言いが同議長の特徴です。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の再利下げは確実視されていますが、パウエル議長のコメントによっては、株価が急落する可能性があります。
ただ、トランプ政権は減税やインフラ投資などの景気対策の実施も示唆しており、ドイツの財政出動の可能性と合わせ、株価を下支えするものとみられます。
中国を含め、主要国が足並みを揃えて、金融緩和、景気対策に動くなか、消費増税を予定し、日銀の金融緩和余地も乏しい日本は厳しい立場です。日経平均株価も上値の重い展開とならざるをえないでしょう。
好業績が見込まれる成長株の発掘が急がれます。
(水島寒月)
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