先週までに多くの企業が決算発表を行っていることは皆さんもよくご存知かと思います。ファーストリテイリングやソフトバンクGにリードされたような一部の銘柄に人気が集中する偏りが見られる株式市場ですが、企業業績は本来株価に影響をもたらす有力な基本的な拠り所と言えます。
2018年1月をピークに1年間の調整を経て戻り相場を展開しつつある株式相場の動向は企業業績の行方がポイントとなるが、皆さんも手持ちの銘柄の業績をしっかり吟味しておられるものと拝察致しております。
1年間の企業活動の結果が、業績として示され、その結果をベースにまた新たな1年間の業績を見通し、投資家各位に示されるイベントがこの時期にラッシュとなる。
企業業績の発表のパターンはいくつかある。
期初ないし期中に見込まれた業績結果が上振れする上方修正は一般的に投資家に好感され株高につながることになるが、反対の場合はその逆に株安につながるというのはよくあるパターン。
前期が上方修正されて着地したとしても今期の業績が減収減益で示されるとネガティブに見られる売り圧力が高まる。
これも反対に前期が下方修正され減収減益となったとしても今期の業績見通しが増収増益で示されればその時の株価次第だが買いニーズが高まることになる。
既存の株主及び新たな投資家、市場関係者はこうした決算発表のパターンを横目に行動を見せる。
そこに市場全体の需給が絡みあいながら個別株の方向性が決まっていく。
いくら好業績だからと言っても現実に市場に投資家のリスクマネーが入ってこないとなれば株価は穏健なまま推移することになる。
企業としてはその好業績の背景をいかに投資家に確認させるのかが重要であるが、なかなかすぐには投資家には伝わらない。まず決算分析が必要でその分析を担うアナリストが説明会や個別訪問して活躍するのがこの時期である。
億の近道の読者の皆さんの中にはアナリストとしての活動もされている方もお見えだと推察されるが、各自の分析結果を投資の拠り所とされているものと思われる。
問題は業績結果よりも不確実な未来の業績にある。国内外のマクロ経済が不透明な時期に積極的な投資などできないというのがこれまでの流れだったが、そうした慎重な投資家の行動は不確実なマクロ経済が何らかの施策が市場にメッセージとして示されれば一気に変化するということも念頭に入れておく必要があるだろう。
(炎)
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