4月第2週央。東京は冷たい雨。今年は長く楽しめた桜も散る頃合いとなったようです。
4月に入り高値圏の株式市場は昨日は軟調に、ドルもやや軟調に推移となりました。
昨日、IMF(国際通貨基金)が世界成長見通しを3.3%に引き下げ。
今年3度目の引き下げで、2009年の金融危機以来最低数値への修正だったことや、米トランプ大統領のEU製品110億ドル相当への関税をかけるとツイートで呟いたことも影響したものと見られます。
米国も日本も株式市場が高値圏に来ていたので、利益確定の理由でもあったでしょう。
また、米国の経済指標では、2月のJOLT求人件数が昨年の4月以降で最低だったことも芳しくないニュースでした。
今年に入ってからの米国経済指標は、政府閉鎖の影響が暫く残り、その後も強弱入り乱れ、決め手に欠けるものが多く見られます。
先週末に月初恒例の前月(3月)の米国雇用統計が発表されました。雇用者数は事前予想より良かったものの、平均時給の伸びは予想ほど伸びず、インフレ懸念を示す数値にはならず、金利への影響は限定的でした。
そんな中で、本日4月10日に開示される3月のFOMC(米連邦市場委員会)議事録が注目されます。
3月FOMCでは、今年の利上げ見通しはゼロに下方修正され、バランスシートの再投資が10月から再開される見通しが発表されました。今回開示される議事録で、このような結論に至った経緯が確認できるのではないかと思います。
特に、10月からのバランスシートにある米国債の再投資の対象が短期債七日、長期債対象なのかも興味深いところです。
折しも、先日に、トランプ米大統領が「FRBはすぐに利下げすべきだ」発言に見られるような利下げ圧力もあることから、短期債への再投資により2年以内の短期金利が低下してくれば政策金利の下げと同等の効果が得られ、つじつまが合うのではないかと思います。トランプ氏は、FRBへのこのような口介入でもそうですが、人材介入でFRB見張り番を置きたい意向も持っているようです。ついに、金融の独立性から政・金一体化路線が露骨になるのか?(まぁ、我々の身近にも、そんな国はあるのですが、、、。)
さて、4月になってもレンジ相場内で、こう着している為替相場。
主要通貨の対米ドル相場は、対3月末、昨日までの動きは円-0.26%、ユーロは+0.39%、BREXITが気になるポンドでさえも+0.15%と小さな動きです。
一方で、南アランド、メキシコペソ、ブラジルレアルなどの新興国通貨は対ドルで上昇トップ3となっています。
なかなか決まらないBREXIT、決まりそうと報じられながら4月中の合意の可能性は低くなった米中通商協議。なんとなく、緊張感が低下してダラッとした印象です。
BREXIT協議は4月12日の交渉期限を前に、本日10日にメイ首相がベルリンを訪問。
EUからは短期ではなく、長期の再延期が提示されるのではないかと見られていますが、その場合、5月のEU会議に英国も出席する必要があり、このあたりが議会で承認されるのか?英国内の離脱強硬派から反対され、またまた議会でこの案が否決される可能性はあります。
合意なき離脱は回避されるか?
ギリギリの交渉次第で何が起こるか分からないので警戒感は持っておくべきかと思います。
今週、注目の米国経済指標は物価関連です。10日発表の3月消費者物価、11日発表の生産者物価。強いインフレ傾向を示す数字とはならない予想です。
また、本日、ECB理事会が開催されます。
経済減速が言われるEU。一方で、マイナス金利政策の副作用を懸念する向きもあり、マイナス金利の階層化が協議されるのではないかと見られています。
ドイツの国債金利は、EUの景気減速が言われだした2月あたりから10年物利回りが低下。ほぼ連日、マイナスの利回りでの終値となっています。(直近は独国債10年物利回り:-0.012%)米国の対EUへの貿易環境
の悪化が、今後どうEU経済に影響するか?見ていきたいと思います。
トランプ氏の次のターゲットは日本でしょうか。
BREXITや米中通商協議といった解決が直ぐになさそうながら、リスクをもつ政治的イベントもあり、また、日本では、3週間後から10連休。ポジション調整も徐々に入り、リスクテイクも限定的となるのではないかと想像します。
そんな中ですが、つき過ぎず離れ過ぎず、市場の動きを注視していきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※4月10日東京時間午前11時半執筆
本号の情報は4月9日のニューヨーク市場終値ベースを参照しています。
なお、記載内容および筆者見解は参考情報として記しています。
式町 みどり拝
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
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