昨年9月、スルガ銀行の不動産融資の件で「まだまだ他行でも不正融資が出てきそう」と書きましたが、不正融資もさることながら、悪質不動産業者による様々な手口も露わになってきています。

 TATERUに続きレオパレス21にも呆れました。
 大手から中小まで荒みきった不動産業界。これほど遵法意識と倫理観を失っている業界は他に見当たりません。大きな金が動く「当たれば儲かる」業界ですから、金のために良識を失っていくのでしょう。

 業界関係者が相談に来る場合も、「危なっかしく」そして「美味しそうな」案件が多いのですが、冷静に調査・分析すると「本当に儲かるの?」「止めた方が良いのでは?」と断る案件が多いです。兎に角、人の金(他人の褌、他人のリスク)を使ってひと儲けしたい、当たれば数年は悠々自適・・・と言うブローカー話が本当に多いです。


 先日は不良債権への分類増加に困っている地銀から債権買取りを進めているブローカーさんのお話を聴きました。表立っては動けませんからブローカー間の伝言ゲーム的なビジネスですが、銀行の決算期も近いことですから、慌てた地銀が変な事件に巻き込まれなければ良いです・・・。
 不正融資の結果として増えた「回収に困窮している貸付け債権」を買い叩き、しばらくすると債務者に対して、おっかない人が出掛けて行き、買取り価格以上の収益化を目指して追い込みをかけるのかも知れません。

 別の話では、債務整理をして高収益物件に変身させられる物件を探している業者さんもいらっしゃるようです。皆さん(硬軟取り混ぜて)様々なテクニックを駆使して収益化を目指しています。商魂逞しいです(汗)


 もっとも、近所の独裁国家のように地方政府が腕力で国民から土地を取り上げ、100倍以上もの転売益を上げるような無法地帯から比べれば可愛いものですが、この法治国家日本でも見えないところで様々なことが起こっていることに気づかされます。

 例えばサラ金と言えば、回収困難となっている不良債権を如何に回収するかが収益率の向上に直結しますし、ここが一番美味しい部分だと仰っていた専門業者さんもいました。

 何か事が起これば直ぐに有象無象が疼きだします。数兆円にも及ぶ不動産債権は彼らにとっても大型のビジネスチャンスになっていくことでしょう。
 「カネ、カネ、カネ」の恐ろしい世界です。
 バブルが崩壊したらどうなるのか?安易な借金は怖い・・・(汗)

 これからは一層詐欺的なビジネスが増えそうですが、ここは法治国家であるはずの日本。流石に無茶なことは出来ませんから、万が一にも脅迫的な連絡や(怪しい)詐欺モドキの話を受けた際には、慌てずにちゃんと録音(または録画などのエビデンスを元に)し、警察に相談しましょう。軽いことなら各自治体の不動産業者を管轄している部署に相談すれば良いです。

 首都圏の不動産がバブル化していることで悪質業者が跋扈していますから、警察も行政も敏感になっているそうです。


 ここのところ市場にはリスクオンの動きが出ているようで、新興国にも資金が向かっていますし、株式も買戻しに加え中長期資金も入っていると聞きます。が・・・、国内株式については来期が1割減益となるなら日経平均で21,000円辺りへと中心レンジが下がりそうです。
 製造業の受注もここ数か月がボトムになりそうという話も聴きますが、流石に新年度予算は前期より控え目に出してくることが予想されますから注意が必要と思います。
 もちろん、そんな中で強気予想を出してくる会社は余程確信を持てるほどの受注なりを得ているとも解釈できます。
 つまり、1月中旬には割安のイメージで書いたものの、今の水準であればそれほど割安ではありませんから、戻りが速いからと言って、慌てて飛び乗るようなことは避けたいところです。

 NYも随分堅調に戻しました(火曜日の大引け時点で年末の安値比、ダウ平均、S&Pともに約17%弱の上昇)。
 トランプ大統領は何時また変なことを言い出すか予想が付きませんが、最近の傾向を見ると、市場はこの思慮浅い大統領の言動の特徴に慣れ、先読みするようになってきているとも感じます。中間選挙で民主党が勝ってからは彼の我儘が通り辛くなっていることもあるかと思います。
 加えて、世界的に金利が上がり辛くなってきていることも見えてきました。


(街のコンサルタント)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)