有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
 自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
 なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。


=コラム「知っていたほうが役に立つ簡単な投資知識(3)」=
 (有料メルマガ第353回・2015/11/03配信号)


※2015年11月現在の内容です。留意してお読み下さい。


【前略】


■有形固定資産と減価償却(その2)


☆減価償却の方法にはどのような方法があるか。

 減価償却をするに当たっては色々な方法がありますが1)定額法、2)定率法がポピュラーな方法としてあげられます。

 どちらの方式を選択するのかはそれぞれの企業の判断によります。
 ただし資産の種類によっては定額法しか適用できないものもあります。建物がそうです。昔は建物についても、どちらの方法でも適用できましたが、法律改正がありました。


1)定額法:

 資産がその価値を持つ期間にわたって定額で償却を行なう方法です。

 償却費の額が原則として毎年同額となります。

 例えば1000万円の固定資産があり、10年間にわたって価値がある(これを耐用年数と呼びます)場合、昔は残存価額が取得額の10%と決めらえていました。
 残存価値とは固定資産が使用できなくなった時の処分価値=売却価格、利用価値をさします。

 法律改正で残存価格を1円として、1円以外は全額償却できるように法律が改正されました。このように法律はときどき変わって行きます。

 賃貸不動産投資など長期の投資をすると、個人でもこの法律改正に随分泣かされることがあります。

 平成19年度税制改正により、平成19年4月1日以後に取得する減価償却資産については、償却可能限度額及び残存価額が廃止され、1円まで償却することとされました。また定率法の計算方法についても大幅に改正されました。

 このため、平成19年4月1日以後に取得する減価償却資産の一般的な減価償却の方法である定額法と定率法による償却費の計算方法が変わりました。

(注)平成23年12月税制改正により、平成24年4月1日以後に取得する減価償却資産について定率法の償却率等が改正されています。


 定額法でも1年目の償却額は

1000万円÷10年間=100万円

となります。

 その後9年目までは、ずっと100万円が毎年償却額として発生することになり、10年目の償却額から1円を引きます。
 従って、10年目だけ100万円―1円が減価償却額となります。


2)定率法:

 資産がその価値を持つ期間にわたって定率で償却を行なう方法です。
 償却額を計算する際の定率を償却率と呼んでいます。

 償却費の額は初めの年ほど多く、年とともに減少します。

 ただし、定率法の償却率により計算した償却額が「償却保証額」に満たなくなった年分以後は、毎年同額となります。

 例えば1000万円の固定資産があり、10年間にわたって価値がある場合

 償却率 0.200
 改定償却率 0.250
 保証率 0.06522
 償却補償額65,520円(=1,000,000×0.06552)

●1年目

 1年目の償却額はこの場合償却率が0.200なので

 1000万円×償却率0.200=20万円

●2年目以降は6年目まで

 (1,000,000-前年までの償却費の合計額)×0.200

 と毎期現在の資産価額に償却率をかけて償却額を計算していきます。

●7年目の償却額

 65,536円(=改定取得価額262,144円×0.250)

【計算上の注意点】

〇調整前償却額の計算
(1,000,000-前年までの償却費の合計額)×0.200=52,429
〇調整前償却額52,429円が償却保証額65,520円に満たないので、改定取得価額(注)に改定償却率を乗じて償却費の額を計算します。

(注)改定取得価額は(1,000,000-前年までの償却費の合計額)です。

 償却率は耐用年数によって決まっており、耐用年数に応じた償却率を示す償却率表があります。

●8、9年目

 65,536円  改定取得価額×0.250

●10年目

 65,535円 期首帳簿価額 ―1円<改定取得価額×0.250


☆減価償却では、減価償却期間も大切です。

 減価償却については、償却方法の他にもうひとつ大事な事があります。
 それは減価償却を行う期間です。

 通常、会計の世界ではこれは企業が合理的な判断に基づいて期間を決めてよいとされています。ただ、その場合企業は合理的な判断を何かの形で示さねばならないので手間がかかる場合もあります。よって法定耐用年数を用いて償却費を計算する会社が多いようです。

(注)法定耐用年数とは、法人税計算を行うために企業が様々な資産の耐用年数を決めています。儲かっている企業などは、法人税を減らすために耐用年数を出来るだけ短くして、費用を多く計上し、課税所得を減らしたいという思惑があります。でも恣意的に、そのようなことをさせないためにも耐用年数で縛りをかけているわけです。

 しかし利益を大きく出すために減価償却の変更を行う上場企業も時々あります。このことに関しては注意が必要です。

 税法は毎年のように、どこかの内容が変更されているので、注意が必要です。自分が減価償却を行うときは税務署や税理士に確認することが必要です。

 株式投資を行うためには、そこまで気にしなくても大丈夫です。上記程度の知識で十分だと考えています。


経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)


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 石川臨太郎は、現在末期がんを患い闘病中です。
 株式投資は出口戦略を考えて実行すべきものだと考えて、最近は、常に勝ち逃げできるタイミングを計りながら投資を進めてきました。

 株式投資も経済戦争です。だから勝つこともあれば、負けることもあり、負けたら目的を達成できない危険な行為です。勝算がないままで戦争を仕掛けるのは愚の骨頂ですし、必要もないのに戦争を仕掛けるのも愚かなことです。

 そして自分が株式投資という戦争で目指した目的を達成できたら、行なう必要の無くなった株式戦争はやめることが大事です。

 つまり勝ち逃げすることも本当に大事なことだと考えています。
 そして戦争の目的を達成して勝ち逃げを狙う以上、その目的を達成するために「戦略」が大事で、次に「戦術」が必要で、戦争目的を達成したときの出口戦略が大事だと考えています。

 石川臨太郎の2019年の最大の投資目標は、いま8500万円ある株への投資額を7000万円程度に落として、2000万円を10年程度は6%の安定配当を出してくれる可能性の高いものへ、株は5000万円くらいの残高で平均3%の配当を貰えそうな10年持てる企業に投資する。
 株などで200万円程度の税引き後のキャッシュを確保して、年金と合わせて生活費の確保を計るというものです。

 その為の出口戦略を策定して1月9日から11日まで、出口戦略に向けての投資を実行しました。

 その具体化のために投資を増やしている株や、その理由を具体的に紹介しています。

 詳細はこちら。 ⇒ http://www.iforum.jp/magazine.htm
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