億の近道 チャンネル版

市場のマネジメントその4

2013/03/25 15:07 投稿

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3月7日の小職のコラムを読んだ某金融機関の知り合いから、最近発生した金融当局からの呆れるばかりの、そして無駄以外の何物でもない行政指導(口先指導)や、その仕事ぶりについて具体的に教えてもらう機会がありました。
 聞ける範囲で一通りの話しを聞きましたが、確かに金商法上の法令違反ではあるものの、そんな法令に存在意義があるのか?法令自体を修正すべきではないの か?と感じるほど無意味な内容で、その法令通りに実行しなかったからとの理由で、形式的ではあるが届けを出すよう要請されたとの話しです。
 どう考えても中途半端な法令なのですが、彼らの論理では中途半端だろうがなんだろうがそれを守ることに意義があるのでしょう。とりあえず「金商法に記述 があるのにやらなかった」ことが発覚したのだから、その改善策を記述した届出をしろ(証拠を残させる)と言うものだったようです。

 詳細につきましては彼に迷惑をかけてしまう懸念がありますので書けませんが、簡単に書くとこんな感じです。
 とある街のレストランに2年ぶりに数10年来の馴染み客がきてランチを食べ、主人と楽しく会話をして帰りました。ところが関係法令に「最後に来た日から 2年間以上を経過した客に対しては”当店の食事は場合によっては食中毒を引き起こす可能性もあります”との注意書きを事前に手渡すように」との記述があっ たことが発端です。久しぶり(2年ぶり)の馴染み客故に店の主人も気を許し、急いで食事を提供したため、その注意書きを渡し忘れてしまいました。
 ところが数日してその顧客がこの法令があったことに気づき当局に確認をしたところ、特に問題は起こらないだろうが、法令違反には違いないのでその店の主人に事故届を出すようにと要請してきた訳です。
 それから、その「どうでも良い届出」の書き方について(重箱の隅のゴマの皮はコンマ何ミリだったか?のような記述を)何度も当局から指導を受け、数日かけてやっと書き上げ受理された…という、豆腐の角に頭をぶつけて死にたいくらい馬鹿馬鹿しいやり取りをしたそうです。
 当局の担当者も「参りましたね」と言っていたらしく、彼らもそのアホさ加減は分かっていながらも仕事なので止むを得ず、と言ったところでしょうか。さも ありなん、と感じましたが、世界で戦っているハゲタカファンドからみたら「よしよし、アホのままでいてくれ!」と喜ばれていることでしょう(苦笑)。

 常識で考えれば分かることで、旧知の顧客に食中毒などで迷惑をかけないよう、そして勿論ですが、普段から気を付けて料理を出しているはずです。ところが 「2年以上経過している場合には…」などの意味不明な記述があるから可笑しなことになった訳で、しかも無意味と分かっていながら、責任転嫁すべく権限(パ ワハラ)を用いて当該業者に書類を出させる…、自分の職位や組織を守るための(ゴミ同然の)仕事をする仕事。これこそが「お役所仕事」であり、日本国の産 業停滞の最たる原因です。

 こんな本末転倒のマヌケな仕事ばかりしているから大事な仕事(AIJ事件や金融詐欺、証券インサイダー、相場操縦事件などの調査)が蔑ろにされ、大多数 の国民にとんでもない損害を与えているのですが、老害が支配している(ぬるま湯)業界では中々軌道修正が出来ません。挙句の果てにはその責任の全てを特定 の金融業者に擦り付けて、彼ら自身は仕事をしているフリをして済ませます。こうして毎晩遅くまで(役に立たない仕事のための)仕事をし続け、そうして一定 の年齢に達すると「俺はこんなに頑張ったのだから天下りをして楽をして当然」と考えるゴキブリK務員OBに変身し、全国の関連組織や金融機関にばら撒か れ、庶民の生活はそのゴキブリに悩まされ続けます。財務省に限らず他省庁も同様ですね。

 今回のような話を聞くにつけ日本の将来を憂い、日本の金融市場はどうなっちゃうのかなぁ?と感じる今日この頃です。

 株式市場は月曜日のキプロス・ショックで一時的に売られましたが、翌日にはその下落分の2/3を回復しました。何と力強い相場と言うか、小泉改革以来のエネルギーです。
 2005年の小泉相場ではインデックスは9月からの約8ヵ月間で12,000円から16,000円台(約36%上昇)まで駆け登り、その後はサブプライム・バブルからの資金流入もあり2007年に18,200円(約50%上昇)を付けました。
 今回は8,600円辺りを起点として36%で11,700円、50%で12,900円になります。当時の円ドル為替は110円から124円へ12.7%の円安で、今回は79円から95円として20%の円安です。数字上は
「まあここら辺りが目処かな?」と感じますが、ベースマネーは当時より20%以上増えていますし、何より新興国の経済力が倍化している中で世界中の全ての 先進国が過剰流動性供給に参加している点が違いますから、つまりは既に小職の予想を遥かに超える動きとなっている訳です。

 こんな中では定義(前提条件、仮説?)を決めて投資をすべきと考えています。心の安定の為にも(笑)。
 例えば今後1~2年程度について、為替で言えば、巷で言われている通り、今の日本の産業にとって居心地が良いと言われている90円台後半で推移する場合 と、オーバーシュートして110円台辺りまで円安が進行してしまう場合。政治動向については参院選も自民党が勝ち、それなりに成長戦略が実行されていく場 合と、勝ちはしたものの構造改革が進まない場合、参院選で負け成長戦略も頓挫した場合など…と言ったパターンを組み合わせれば、現実的なところで5~6パ ターンになるかと思います。円高に戻るケースは少々複雑になりますのでここでは省きます。
 その中の2、3のパターンを組み合わせた仮説を立て、その中で投資すべき株式や債券を組み合わせる分散投資戦略です。つまり自分で市場をマネジメント(リスクコントロール)しているとの意識を持って投資することが大事です。

 当るとも思えませんが、小職の方針を一応ご参考まで。個人的には余り政治面には期待せず(つまり成長戦略はとてもゆっくり)、今後1~2年の平均値として100円/ドル前後を想定(ユーロは120円台が円安の限界)しています。
 株式に関しましては、まずは依然として割安に放置されていると考えている(含みが増加している)金融と、出遅れが顕著と感じられる産業機械、電子部品辺りを見ています。もっと詳しくボトムアップで検討するなら石川臨太郎さん銘柄を参考にすべきです。
 債券につきましては、これは考え方に特に変化はなく、海外の成長国の債券を円高のタイミングで仕入れホールドする戦略を取っています。
 もちろん想定外の事も起こりますので、3月に入ってからはポジションには余裕を持たせフルインベストメントはしていません。

(街のコンサルタント)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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