来年から日本でISA(少額投資非課税制度)が始まるのをご存知でしょうか?
これは日本で株式投資を活性化させるために、ここ数年税制の中で検討されてきた制度で、もともとは英国のISA(Individual Saving Account)を模範とした制度となっています。
日本では現在開かれている通常国会で法案が通過して、来年から導入される予定ですが、模範としている英国では20年以上も存在している制度です。
そこで先月本場の英国に行く機会がありまして、様々な金融機関にこのISA制度などをヒアリングしてきましたので、これから数回にわたりまして英国の金融機関やISA制度の話について見てきたこと、聞いてきたことを報告したいと思います。
1.英国ISAの歴史
英国ではこの株式投資優遇制度は、サッチャー政権時代に国営企業の民営化プログラムが発端だと言われています。
つまり英国で国営企業を民営化する際にその株式の受け皿として個人の株式投資に大きな期待がされ、そのために税制優遇制度を作ったと言う事が発端のようです。
その他にも英国では貯蓄率の改善と言う課題があったようで、それに寄与する目的も大きいものでした。
その後、株式だけではなく投資信託や、債券・預金などにもこの優遇制度が広がり現在では人口の50%以上の人がこの優遇制度を利用している状況にあります。
日本では、統計としては整理されていませんが、株式口座の口座数が600万口座とも言われていて、重複を考えると200~300万人の個人投資家が存在するものと考えられます。
英国と比較すると人口の2~3%程度が個人投資家であると考えればまだまだ拡大の余地がありそうです。
2.ISAの制度
英国ではシンプルな制度で、一年間に株式投資(投信や公社債を含む)が約135万円まではその配当や譲渡益(キャピタルゲイン)について非課税になる制度です。時間も恒久的な制度なので、普通に投資する人は皆このISAを利用すると考えて良いと思います。
日本の場合には、様々な制約があって非常に複雑な制度になっています。文字で説明するのは非常に困難なので、ぜひwebで調べてみてください。
図にしても複雑な制度なので、果たしてこれで本当に普及するのか?
と疑問符が付きます。
3.実際には
英国では街中でインタビューをしてみてもISA(アイサ)は本当に広く普及しています。知らない人はいないと言ってよいくらいです。
ただし、実際に細かく聴いてみると
「株式ISA」(株式投資をする非課税枠)
「現預金ISA」(預金に対しての非課税枠)
が2種類ありまして、現預金のISAにはすべての人が抵抗感はないのですが、やはり株式投資に対するハードルと言うものは少しあるようです。
つまり、株式投資を普段から行う層と、全く興味がない層に分かれていると言う現実は日本と変わりませんでした。ただ、20年以上も経って制度が定着している英国では株式投資に対する親近感が日本よりも高いと言う事は確かなようです。
次回は、金融機関側からみたISA制度についてヒアリングしたことを報告します。
株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
これは日本で株式投資を活性化させるために、ここ数年税制の中で検討されてきた制度で、もともとは英国のISA(Individual Saving Account)を模範とした制度となっています。
日本では現在開かれている通常国会で法案が通過して、来年から導入される予定ですが、模範としている英国では20年以上も存在している制度です。
そこで先月本場の英国に行く機会がありまして、様々な金融機関にこのISA制度などをヒアリングしてきましたので、これから数回にわたりまして英国の金融機関やISA制度の話について見てきたこと、聞いてきたことを報告したいと思います。
1.英国ISAの歴史
英国ではこの株式投資優遇制度は、サッチャー政権時代に国営企業の民営化プログラムが発端だと言われています。
つまり英国で国営企業を民営化する際にその株式の受け皿として個人の株式投資に大きな期待がされ、そのために税制優遇制度を作ったと言う事が発端のようです。
その他にも英国では貯蓄率の改善と言う課題があったようで、それに寄与する目的も大きいものでした。
その後、株式だけではなく投資信託や、債券・預金などにもこの優遇制度が広がり現在では人口の50%以上の人がこの優遇制度を利用している状況にあります。
日本では、統計としては整理されていませんが、株式口座の口座数が600万口座とも言われていて、重複を考えると200~300万人の個人投資家が存在するものと考えられます。
英国と比較すると人口の2~3%程度が個人投資家であると考えればまだまだ拡大の余地がありそうです。
2.ISAの制度
英国ではシンプルな制度で、一年間に株式投資(投信や公社債を含む)が約135万円まではその配当や譲渡益(キャピタルゲイン)について非課税になる制度です。時間も恒久的な制度なので、普通に投資する人は皆このISAを利用すると考えて良いと思います。
日本の場合には、様々な制約があって非常に複雑な制度になっています。文字で説明するのは非常に困難なので、ぜひwebで調べてみてください。
図にしても複雑な制度なので、果たしてこれで本当に普及するのか?
と疑問符が付きます。
3.実際には
英国では街中でインタビューをしてみてもISA(アイサ)は本当に広く普及しています。知らない人はいないと言ってよいくらいです。
ただし、実際に細かく聴いてみると
「株式ISA」(株式投資をする非課税枠)
「現預金ISA」(預金に対しての非課税枠)
が2種類ありまして、現預金のISAにはすべての人が抵抗感はないのですが、やはり株式投資に対するハードルと言うものは少しあるようです。
つまり、株式投資を普段から行う層と、全く興味がない層に分かれていると言う現実は日本と変わりませんでした。ただ、20年以上も経って制度が定着している英国では株式投資に対する親近感が日本よりも高いと言う事は確かなようです。
次回は、金融機関側からみたISA制度についてヒアリングしたことを報告します。
株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
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