米国中間選挙では民主党が下院を奪い返しました。恐らくは結果がどちらに転んでも、長期的な見通しは立て辛いものの徐々に米国金利の行く先も見えてきましたし、米中の貿易摩擦なども(民主党からの影響もあり)幾らか知的な対応になると考えれば、新興諸国への悪材料もそろそろ出尽くしになるのではないかと期待しています。
ここ2年ほど、まずは株式市場に資金が流入していましたし、債券市場もボトムが見え始めた(確認できつつある)と考えています。
他に有効な投資市場(資金を振り向ける先)が見当たらない中で、新興国と言うだけでこれ以上通貨が売られ続けるとも思えませんし、回復を始めてから10年にもなる米国の好調がいつまでも続くとも思えません。最悪なのは米国の債務膨張が止まらなくなり金利が上げ続けるケースですが、まだ暫くは大丈夫と思います。
多少の乱高下はあるものの、新興国の金融市場は徐々に安定へ向かうのではないかと考えている次第です。もちろん政情不安のニュースが続いている国は別ですが。
トランプ政権による中国との貿易紛争の拡大、イラン6か国合意からの離脱表明、8月のトルコリラ・ショック・・・等々から時間が経過し、新興国通貨の下落や金利の上昇は峠を越えつつあるように見えます。
最近の戻りは短期筋の買い戻しによるリバウンドとも考えられますので、慌てて投資するなどはせず、欧州ではイタリア、中東ではトルコ、中南米ではブラジルやメキシコ辺りの金利や為替動向を見ながらで良いかと考えています。
さて、金融商品の中には新興国通貨を使った10%越えといった魅力的(に見える)な金融商品が各社から売り出されていますが、利回りだけに注目して飛びつくのは非常に危険です。何せ相手は何が起こるか分からない新興国ですから(苦笑)。
年10%の利回りを得られると言うことは、並行して年10%の損失(変動)の可能性もあると言う事です。しかも金融機関による組成や取扱いの費用も含まれていますので、ザックリ言って、10%のリターンなら15%の変動リスク(損失可能性)を背負っている商品と捉えて投資を検討すべきです。
大きなリターンを狙う見返りとして大きな変動リスクを受け入れる商品ですから、債券とか投信だから安全などと言うことは(全く!)無く、中長期の投資が大前提でありタイミングも大事です。もちろん短期投資なら単なる博打です。
検討する際には数年で満期を迎えるような商品は避けてください。損益確率の観点からも数年では圧倒的に投資家不利になります。
では何故に数年程度の(投資家不利の)商品が多くみられるのかと言えば、設計上の効率や見栄えの良い商品組成をするためという事もありますが、最も重要な点は、数年以上に渡って資金を動かせない商品では資金効率が悪く金融機関の儲けが減るからです。売り買いがあれば必ず販売会社は儲かりますので、長くてもせいぜい3年、4年と言う商品が中心になっている訳です。
つまり、幾ら利回り10%と言っても、3年程度の商品で往復10%以上もの費用(為替手数料を含む)を抜かれたら3年間の単純計算で実質20%÷3=7%以下にしかなりません。
平たく言えば、大雑把に、リターンが7%以下でリスクが15%(費用込み)にもなる商品なのですから、分が悪いことは一目瞭然ですね。
金融機関側は販売手数料が確実に入り、且つ損することはありませんから、投資家利益より見栄えと収入ありきの商品が多数になることは必然です。特に大手証券や大手銀行が取り扱う商品はほぼ全てがこの手の商品です。
もちろん倍率の高いFXはそれこそ博打中の博打ですから、ギャンブル好きの方以外には倍率数倍を超える取引はお勧めできません(汗)
ところで、先月下旬のメルマガにて「ZOZOは高過ぎる」と書いてから15%も下がって幾らかホッとしています(苦笑)。個別銘柄の記述をすると気になるもので(汗)
先月31日に中間実績が発表されましたが、前年同期比で売上は26%伸びているものの利益は27%ダウン。PB商品の不振やコスト増などによって利益率が落ちている訳ですが、そもそも中間時点で前期比それほどの伸びが無いにもかかわらず、通期予想で売上49%増、営業利益22%増の数字を修正しないことに不信感を持ちました。
その通りなら下期売上が前年比で67%、営業利益で57%も増えることになります。どう考えても無理がありますが、恐らく株価が下がると困るから・・・では無いかと。
ここ1~2年、数百億円以上も費やして美術品を買い集めたり、贅沢な暮らしが報道されたり、スペースXへの出資は1千億円にものぼると言われています。そんな莫大な金を既に溜め込んでいるとは考えられず、2千億円もの金を何処かから調達しているはずと想像できますし、その原資は自社株くらいしかないと考えられます。
これはあくまでも想像ですが、37%超保有する自社株担保で上記金額の借り入れをしていると仮定すれば、時価総額が大凡6千億円程度まで下がってしまうと早期返済の話題が出てくる懸念があります。
公開企業のオーナーなら資金調達の実態を公表してもらいたいものです。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)
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