有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
=コラム「株価は常に嘘をつく」=
(有料メルマガ第390回・2016/7/19配信号)
※2016年7月現在の内容です。留意してお読み下さい。
【前略】
― 株価はいつも嘘をつく。そう考える理由は、市場のムードに流されたほん
の一部の投資家が総発行株式数のうちの微々たる一部の株、出来高の小さ
い株なら1単元とか数単元の売買で、株価は動いて行ってしまいます。そ
んな売買で現れた株価で、その企業の本当の価値が決まるわけがないと考
えることで、冷静さを保つようにしています ―
株価は市場で売買されることで変わります。毎秒のように市場の電光掲示板に表示され変化していきます。
この動きに一喜一憂してバカな投資行動をとり続けると、アレクサンドル デュマの書いた小説『モンテ・クリスト伯』に出てくるダングラール男爵のように不毛な決断しか残されていない状況に追い詰められる可能性が出てきます。
モンテ・クリスト伯(=巌窟王)の復讐で飢え死にしかけた瀕死のダングラールが命の次に大事な金を食べ物に交換させられたように、『命を失うか、金を失うか。どちらでも好きな方を選べ』というような、どちらを選んでも不毛すぎる選択しか残されていないような状況に追い込まれないことが重要だと常に考えて、投資行動を行っています。
(注)ダングラール男爵(ウィキペディアから引用させていただきます。)
『 巌窟王を裏切って復讐された男
モレル商会の会計士。ダンテスの出世を妬み、また帳簿の不正を知られていたため彼の存在を疎ましく思い、虚偽の密告状を作ってフェルナンに提出させる。ダンテスが投獄された後、モレル氏の紹介でスペインの銀行へ入って頭角を現し、フランス有数の銀行家にまでのし上がった上、貴族の未亡人と再婚して男爵の地位を得る。
やがてモンテ・クリスト伯爵の画策によって次第に銀行の経営が傾く。娘のユージェニーをアンドレアと結婚させ、彼の実家から送られる結納金を元手に再起を図ろうとするが、結婚式の最中にアンドレアの正体が発覚し、面目を失った上、娘にも捨てられる。
さらに最後まで残っていた預金をモンテ・クリスト伯爵に引き出されたことで、銀行は破綻。家族を捨てて夜逃げした後、ローマで伯爵の受領証を換金し現金を手に入れるも、ルイジ・ヴァンバの一味に拉致される。飢えと乾きで散々苦しみ、食事と引き換えに有り金のほとんどを奪われ、やがてモンテ・クリスト伯爵の口から彼自身の正体を知らされショックで放心状態になった後、解放される。』
(以上で引用を終わります。)
話を株式投資に戻します。
株式投資では欲と恐怖に振り回される一握りの投資家がつけた値段(=株価)に騙されないものが、最後に富を得ることができると考えています。
企業の姿は『その企業が持っているリアルな価値』とは大きく乖離した『株価』というバーチャルで歪んだ数字で証券取引所のボードの上に表示されて投資家の目にとどきます。
多くの投資家はパソコンの画面に映し出された株価というバーチャルで動き続けている『企業のリアルな価値の影』を追うことで利益を掴もうとしてあがきます。
【中略】
しかしこの『企業のリアルな価値』は、投資家のその企業に投資したいという需要(=光)によってマーケットのボードに『バーチャルな影(=株価)』として写しだされます。
そしてその影(=株価)は、大きく歪んで写し出されることがほとんどです。
光(=需要)が強ければ大きく、そしていまのように光(=需要)が弱ければ小さく歪みます。
なぜか。
それは『株価』というバーチャルな影は、欲と恐怖でいびつに磨かれたミスター・マーケット(=全ての投資家の総意)というプリズムを通過することで大きく歪んでしまうのです。
その歪みを補正して『企業のリアルな価値』を予想するためには事業内容や資産背景を把握して理解しておくことが重要になると考えて私は努力しています。
「株式投資は人間の欲望を変数として機能している制度であり、わずかな入力(投資家の欲と恐怖に駆られた投資行動)の変化が劇的な出力(投資の損益)の変化に帰結するものである」ということを常に忘れないようにしています。
株価の中にはブランド価値というバランス・シートに乗っていないモノによってプラスアルファの値段がつきます。ただバランス・シートに表示されていないので誰にも正確に把握できません。
いまはブランド価値をゼロ評価しても、バランス・シートで確認できる目に見える資産価値だけから考えても超バーゲン・セールの株価になっている企業がいくらでも見つかります。
【後略】
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
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また、コラムでは、「トランプ大統領の選挙対策のための政策で、日本など米国を除く世界の株が低迷させられたままの状況が続いています。外国証券会社の日本株への空売り攻勢も続いています。しかしトランプ大統領の選挙対策が終わり米国株も上昇が勢いを増していくなら低迷している日本株にも投資資金は戻ってくる。外資証券会社の空売りも買い戻されていく。そう考えながら必要以上に下げている好業績で、今期も前期比で増益を確保しそうな企業への調査を続けています。」と題し、現状想定する今後の市場予測に伴う、投資行動について書くと同時に、ファンダメンタルズ分析の利点についても触れています。
さらに、最近投資の参考とした情報と、その結果投資した3銘柄をピックアップして、ケーススタディとして財務分析情報を掲載しています。
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