8月の決算発表が一巡すると「もう夏も終わりに向っているんだなぁ~」と感じる季節です。早いものです(^^;)
四半期決算も一巡感が出てきましたが、同業種でも明暗が分かれるなど今回の開示内容の評価は難しいです。いよいよ経営者の力量が試され、経営能力次第で業績が大きく動き、株価で評価され易い市場になるのか否か。
国内株式市場は相変わらず、好材料で上げた銘柄に空売りが増えたり、または決算実績がどうであろうと短期的に乱高下するだけ(大手資本が株価を操作するだけ)の市場です。
将来の事業価値を見据えてとか、割安に放置されているから・・・と言った本来の投資運用の場になっていません。
それにしても依然として株主還元が少ないと感じます。
特に歴史ある会社の配当政策などに顕著に見られます。成長企業でも無く、事業内容にも収益にそれ程の変化も見られないのに、僅か数%の業績向上を自慢げに謳いつつ、その割には多くても配当性向30%程度で慢心し、キャッシュを溜め込んで還元せずにいる経営者が多いです。
大幅に業績を伸ばしたり改善した会社でも僅かな増配に留めるなど、形ばかりの株主還元に終始する会社も多く見られます。つまり日本株市場は投資市場として機能していない故に「貯蓄から投資へ」とならないことが分かります。
そもそも控え目な会社予想に対し、好調な米国景気など外部環境のお蔭で業績アップに繋がったと言うのに、まるで自分が貢献したかのように、しかも「30%も出したぞ!」的な表現が多いことにも落胆します。
「今のご時世、お前じゃなくてもそれくらいの数字になるよ」・・・と。
大きな業績改善や新事業の拡大などが無く、従来型の企業で業績が若干向上しているくらいの場合、頑張っているのは(ステイクホルダーの代表である)従業員であり、経営陣ではありません。
であれば、その果実を従業員と株主に配分すべきなのですが、それをしないから市場に評価されずPBRが1倍を割ったままになっていると言うことを理解出来ない。保身のため?気付かないフリをしている経営者も多数見られますが、業績が伸びないままにPBRが1倍を割っている会社など、サッサと経営陣を交替させるか余剰資本を株主に返還させる機能を持つのが健全な市場です。
利益が出たら従業員や株主にしっかり還元する会社、そして経営陣に事業拡大の意欲がみられる会社に投資しなければなりません。社内慣行で順送りにトップが決まり、無難な経営に終始している経営では投資価値がありません。
そもそも論として現在の市場環境を前提とするなら、投資尺度でみれば日本株は依然として割安です。
何せ益利回り7%程度に対して国債利回り0%(預金も0%)と言うギャップや、TOPIXのPBRが1.34倍など海外主要市場と比較しても十分に割安で、本来なら株式投資は相当なリターンを見込めるはずです。
ところが株主還元が少ない状態が当たり前のように続いているため、投資家が取るリスクに対してリターンが低い状態が続き、健全な投資市場になっていないから中々儲からない(投資に見合わない)訳で、それ故投資家の裾野が広がりません。
つぶさに見て行けば割安株は沢山あるのですが、株主還元率が低いままでは株価も上がらず投資に見合いません。こんな市場で下手なタイミングで万年割安株に投資してしまった日には資金が塩漬けになります(苦笑)。
株価が割安に放置されているなら、簡単にアクティビストに狙われ経営から追い出されるような市場運営をしなければ(投資家がリスクを取ってくれないため)投資家は増えません。市場運営者と財界が癒着している場合ではありませんね。
決算発表の姿勢からも経営陣の人となり(投資家に対する会社の姿勢)を感じることが出来ます。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)
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