有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
=コラム「勝ち逃げこそが最高の戦略である」=
(有料メルマガ第226回・2013/5/7配信号)
※2013年5月現在の内容です。留意してお読み下さい。
【前略】
もし、私が予想したように、購読者の皆さんが株式投資をする最大の目的が『株式投資などの運用で作った資金を利用して豊かな一生を送ること、資金的な不安を持たずに安心して一生豊かな生活をエンジョイするのを可能にすること』ならば、株式投資のように時によっては資産を大きく減らしかねないリスクも存在する相場商品への投資において、自分が目的とした資金を作れたときは、株式投資という経済戦争を停止することが正しい選択だと考えています。
もっと正確にいうなら、株式投資を行なうことで、一生安泰に暮らせる資金を作れたときは、一生安泰に暮らせる金額を株式投資から引き上げて、株式投資から分断して逃がすことが最大の重要事項になると考えています。
これは株式投資を一切止めてしまうということではなくて、『一生安泰に暮らせる資金』も含めて、自己資金を全力で株式投資に投入するという全面戦争状態をやめるということです。株式投資で大きく勝つときは、通常は『自分が当初に予想した、一生安泰に暮らせる資金』を上回るほどの資金を作ることができることが多いと思います。
そこでオーバーした資金の一部は株式投資に残しておくこと、その資金で株式投資を続けることも必要だと、私は考えています。
特に日本においては、アベノミクスで黒田日銀が金融緩和のバズーカ砲を発射して心地よいインフレを発生させようとしています。一歩間違うと高いインフレを起こしてしまう可能性もすてきれません。
高いインフレが発生すると、いま時点では『これだけあれば安泰と考えた資金』では一生安泰に暮らせなくなるインフレが発生する可能性(=リスク)もあるので、余裕資金を使って株式投資という経済戦争を遂行できる運用能力を維持して、鍛えて、さび付かせないようにすることも大事なことだと考えているわけです。
株式投資を中止する方法=出口戦略もいろいろあると思います。一気に株式投資を中止して、現金に換えるという作戦もあるでしょう。しかし、これはかなり難度が高い精神力と実行力を必要とする作戦だと感じています。
私のような普通レベルの決断力と実行力しか持っていない平凡な投資家にとっては、資金が増加するにしたがって、段階的に戦争を縮小して行くという方法を検討しておくことが、勝ち逃げ戦略としては優れていると考えています。
過去に大きく資金を増やした投資家で、その後で資金を失ってしまった人は、一生安泰に暮らせる以上の資金を作り上げたときに全面戦争をやめないで、自分の資金のほとんどを株式に投資したまま、さらに傭兵(=借金)までつぎ込んで戦線を広げていった投資家に多かったように思います。
私は、このような勝ち逃げすべきときに、逆にのめり込んで戦線拡大を続けるという行為は戦略的にまずいと考えています。
大きく資金を増やせたことに酔ってしまって、自分の当初の戦争目的(=株式投資をする目的)を忘れ、戦線を拡大し続けて、最後にせっかく作った資金(=一生お金の心配をしないで豊かな生活を送れるほどの資金)を失ってしまっては、まったく意味がないと考えています。
戦争を行なっている最中でも、戦況が厳しくなることが明白なのに戦闘行為を続けるのは愚かな行為だと思います。戦略的撤退とか、一時休戦は株式投資でも必要なことだと考えています。
そして戦争は、勝てる可能性が高いときに仕掛ける。負けることが分かっているのに、無謀な戦争は行なわない。このことも大事だと思います。
また、すでに戦争を始めており、勝てる確率が高いチャンスの時に戦闘を躊躇する。そのために勝機を失う。これもとても不味いことだと思います。
まだ一生安泰に暮らせるほどの資金を得ていない状態で、投資環境が信じられないほど良くなって、さらに大きく資金を増やせるチャンスが大きいのに、ある程度資金を増やせたことに安心したり、その資金を失うリスクを必要以上に恐れて、株式投資を中断するような戦略も不味い戦略だと思っています。
もちろん、現在のすこぶる良好な投資環境がいつまで続くかは分かりません。すぐにも投資環境が悪化する可能性も、もちろんあります。
だから冷静に自分の投資リスクを管理して、常に本当に大丈夫かなと、石橋を叩くことが大事です。しかし石橋をたたきながら、石橋を渡ることも実行しないといけないのだと思います。石橋をたたいたら石橋にひびが入って危険だというなら、そんな怖い石橋は渡るべきでないことは当然のことです。
しかし人間は脅えすぎて勝てるチャンスを降りてしまうと、その失敗の無念さから、取ってはいけないときにリスクを過大に取る習性のある生き物のような気がします。
やはり勝ち易きに勝つのが良い戦争(=経済戦争、株式戦争)だと考えています。そして勝ち易いときに勝っておかないと、勝ちにくくなった時に戦線を拡大するという過ちを犯す危険性が高まります。
さて、出口戦略を考えるときに、どのようなことを準備していくのが良いのでしょうか。またどのような銘柄をポートフォリオに増やしておくべきなのでしょうか。
株式投資で資金が大きく増えたときには、株式投資から預金に資金をシフトして、その資金を使って賃貸マンションを一室、また一室と現金で買い増して行きました。
全てをマンション投資に当てたわけではなくて、私設年金を作ることにして、毎月の分割払いではなく、10年分を前払いして、次に株式投資で大きく稼げたときに、11年目から60歳になるまでに必要な掛金を、また一括で支払うようなことも行ないました。
公的年金と私設年金を組み合わせて、60歳から毎年100万円ずつ受け取る年金が多くなるように準備をしました。
◆去年までの私の安定収入予定図
59歳までは賃貸収入+配当収入+α+現金100万円
60歳 賃貸収入+配当収入+α+100万円の年金
61歳 賃貸収入+配当収入+α+200万円の年金
62歳 賃貸収入+配当収入+α+300万円の年金
今年は、3月末に今年の利益の3分の一を株から預金にシフトしました。
大雑把にいうと、今年の私の安定収入予定図は次のように変化しました
59歳までは賃貸収入+配当収入+α+現金300万円
60歳 賃貸収入+配当収入+α+100万円の年金+現金200万円
61歳 賃貸収入+配当収入+α+200万円の年金+現金100万円
62歳 賃貸収入+配当収入+α+300万円の年金
このように、59歳から62歳までの、1年間に使用可能な資金額は同じ額まで平準化することが出来ました。
【後略】
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
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本日配信の有料メルマガでは、300年を超える長い歴史を持ちながら、時代を見据えてグローバル化を推進しており、安定した取引先と業績を支える製品・サービスを有し、キャッシュリッチで低PER低PBR、連続増配の実績と、年2回の株主優待があるグローバル企業を研究しています。
また、コラムでは、「単純に業績から判断して、理解できない株価の動きが続いています。その上下の変動幅は大きく、株価の動きを観察せずに投資判断を行い、投資すると含み損を大きく抱える場合も多くなりました。たかだか3か月間の業績数字で株価を判断するべきではないと思っても、株価が下がれば迷いも出ます。『休むも相場』という言葉も意識することも大事だと感じます。」と題し、自身の現在行っている投資行動を示しつつ、世代による投資行動の変化にも言及しています。
さらに、証券会社の相場操縦もどきの影響が少ない市場から、研究銘柄候補として4社を挙げています。
加えて、先般来のカーボン関連では、最近開示された会社発表資料を読み解くと同時に、関連企業の2社へ取材した内容を追加しています。
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