「2012年に日経平均が2万円を超える15の理由」という本を講談社から出版したのは、2010年5月ですからかなり昔のことになります。
当時はリーマンショックの生々しい記憶がまだ冷めやらぬ時期で世の中の反応は「2万円?夢物語でしょ!そうなったらうれしいでけど・・・」というものでした。人々は2万円どころか、日経平均が4000円まで急落するのではないかとびくびくしていたのです。
その後、2012年3月に「銀座の投資家が『日本は大丈夫』と断言する理由」をPHP研究所から出版したときには、2011年3月の東日本大震災・福島原発事故の直後で世の中を沈滞ムードが覆っていました。
確かに私は、<3.11>という大事件を事前に予想できなかったため、日経平均が2万円に到達する時期を読み間違えました。これは否定できない事実です。しかし、この2冊の本を今読み返しても、日本経済の先行きや株価の大きなトレンドに対する考察は間違ってはいません。
『日本という国が力強い成長』を今後とも続けていくことに疑いはなく、当然(平均)株価も完全にパラレルでは無いにしても関連性を持って上昇します。
前回の思わぬ事件による失敗やバフェットの「何がいつ起こるか予想することはできない・・・・」という金言を考慮して、時期の特定については今回行いませんが、少なくとも私が生きている間(私は間もなく還暦)には日経平均が10万円に到達すると考えます。
なぜ、「日本経済や株価に対してそれほど強気なのか」については、これまで色々なところでコメントしてきましたし、今後もいろいろな解説を行いますが、直近の市場のムードが「株価が上昇しているのにもかかわらず弱気」であることも、私の考えを後押ししています。
有名な相場格言に「大相場は悲嘆の中で始まり、懐疑の中で育ち、熱狂とともに終わる」というものがあります。つまり、大きな上昇相場というのはリーマンショックのような大暴落で人々がおびえている中で始まり、その後株価が上昇しても人々が懐疑的な気分の中でびくびくしている中で育つということです。そして、世の中の懐疑的気分が無くなり、人々がバブルで熱狂する中でリーマンショックのような暴落で大相場は一瞬にして終わるわけです。
8000円近辺から考えれば、現在の株価は3倍水準であり、すでにバブル水準と考えて多くの(特にベテランの)投資家が積極的にカラ売りをしかけていることは大いに理解できます。
しかし、私は今回の上昇相場は並みのスケールではないと考えます。3倍に株価が上昇しているのにもかかわらず、世の中のムードがまだまだ懐疑的でバブルとは程問い状態です。「株を買わないやつは馬鹿だ」という評論家も現れていませんし、むしろ「リ―マンショックから10年目だからまた大暴落がやってくる」というような話を素人のコメンテーターまでが口にするような状況です。
現在の状況は1994年頃の米国市場に非常によく似ていると思います。
1994年のダウ平均は、4000ドル近辺でした。1980年代においては1000ドル程度でしたから、この水準はとてつもなく高く思われ、私の周辺のプロフェッショナルのディーラたちは大規模なカラ売りを仕掛けました。
しかし、結果は皆さんのご存じのとおりです。その直後からIT・インターネットバブルが始まり、2000年頃には1万ドルを超える水準に到達しました。その後ITバブルの崩壊によって一時的に値を下げましたが、現在のダウ平均は2万5000ドル近辺、すなわち1994年の水準の6倍以上にもなるのです。4000ドルが日経平均2万円と換算すれば約25年間で12万円以上に上昇したことになります。
また、1980年代の1000ドルを、日経平均の安値水準8000円と考えれば、現在のダウ平均は約25倍。日経平均に換算すれば20万円。
今後の日本の株式市場はそのぐらい大きな上昇相場を経験すると考えます。
夕刊フジに掲載された全文はこちら
https://www.zakzak.co.jp/eco/news/180626/eco1806260006-n1.html
(大原浩)
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