産業新潮 http://homepage2.nifty.com/sancho/
11月号連載記事
■人間の手だけを雇うことはできない
●猫の手も借りたい
「猫の手も借りたい」という慣用句があります。実際に役に立つかどうかは別にして・・・忙しい時には「猫の手」でさえ頼りにしてしまうという意味です。もっとも「猫の手」だけを切り取って持ってきても仕方がありません(少しシュールな表現ですが・・・)。同じように「人手不足」の会社に切り取った人間の手をすらっと並べても何の役にも立ちません。
猫や人間の手は本体(胴、頭、足など)が一緒になっていてこそ初めて役に立ちます。さらに、少なくとも人間の本体(多分猫もそうではないかと思いますが・・・)には「心」が付いてきます。
この心がドラッカーのいうところの「ビジネスにおいて最も厄介なもの」ですが、その「ビジネスにおいて最も厄介なもの」である心こそが、「利益を生み出す唯一の源泉」であるのも事実です。なぜなら、どのような最新鋭設備を備えた工場も、豪華絢爛なレストランも、多数の商品を備えた小売店も「心を持った人間」が稼働・運営しなければ絶対に利益を生むことはありません。人間が稼働・運営しない工場や店舗などはただ存在しているだけのガラクタにしかすぎません。
自動販売機やオートメーション工場はどうなのか?という議論があるかもしれません。しかし、少なくとも現在のところ、自動販売機をどこに設置するのか、どのような商品を販売しどのような販売価格にするのかは人間が決めますし、商品補充も人間が行います。オートメーション工場も、最終的な管理や危機管理などは人間が行います。
これからAIが、このような「判断」などを行うようになる可能性もありますが、すくなくともそれまでは「心を備えた人間という最も厄介なもの」がビジネス(企業経営)における収益最大化の最大の鍵となります。
●合理的経済人は存在するか?
経済学においては、「合理的経済人」なる概念が登場し、経済モデルを構築するときなどによく使われますが、実際のところ「経済合理性」だけで行動する人間などこの世に存在するのでしょうか?
もちろん、「損得」が人間の心や行動に大きな影響を与えることを否定できません。同じ商品であれば、価格の安い方を購入するのが普通ですし、同じ仕事ならば給料が高い方が良いに決まっています。しかし世の中には、一個数千円のデジタル時計ではなく手作業で組み立てた一個数千万円の機械式腕時計を身に付ける人がいます。時を刻む正確さはむしろデジタル時計の方が上かもしれません。あるいは、自宅で飲めば一本数千円のシャンパンを銀座のクラブで数万円・数十万円払って飲む人がいます。また、ボクサーの大部分は、とんかつ屋などでアルバイトしながら世界チャンピオンを目指しますが、実際に世界チャンピオンになれる可能性はほとんどありません。劇団員の多くも、アルバイトをするだけではなく(自分が出演する公演の)、入場券を自腹で購入さえします。
このようなケースはまだまだいくらでもあげることができます。そのようなたくさんの例を見ると、「人間がどれほど『経済的非合理人』(=心によって動かされる存在)であるかがよくわかります。
(続く)
続きは、産業新潮
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11月号をご参照ください。
(大原浩)
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(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
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