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10月号連載記事
■好きなことをするというのは、必ずしも楽をすることではない
「好きなこと」をすれば、やる気・意欲が高まるから仕事の効率が上がり、良い結果が出せる。その通りです。ただ、「好きなこと」の定義はなかなか難しいと言えます。
例えば学校のクラブ活動を例に挙げてみましょう。
「雑談部」というクラブがあるとします。放課後部室に集まって、若い男女が色々な話をするのは楽しいでしょうし、多くの人にとって「好きなこと」の一つには違いないかもしれません。
しかし、現実にはそのようなクラブを(少なくとも私は)見かけたことはありません(事実上そうなっているクラブは時折見かけますが・・・)。
なぜ、「雑談部」が存在しないのか?親や学校の先生の受けが良くないのはもちろんのこと、同級生からも馬鹿にされるというのが原因の一つでしょう。
それだけではありません。「雑談部」のように、明確な目標が無く達成感を得られない活動は、実のところそれほど楽しくないからなのです。
例えば、野球部やテニス部。球ひろいや雑用はともかく、練習は厳しく、実際に試合をする時間は、全体のごく一部です。それでも、多くの若者が「雑談部」で楽しいおしゃべりに興じることではなく、野球部やテニス部などで、苦しく厳しい練習に耐えることを選びます。彼らに「野球部やテニス部の活動は『好きなこと』か?」と問えば、ほとんどの場合「イエス」という答えが返ってくるでしょう。
●「やりたいこと」ではなく「やるべきこと」を選ぶ
ドラッカーは「強みを生かせ!」ということを強調します。強みと自分がやりたいこと=「好きなこと」は必ずしも一致しませんし、ドラッカーは具体的なケースでそれを説明しています。そして、強み=「自分が行うべきこと」とやりたいこと=「好きなこと」が食い違うときには、必ず前者を選ばなければないと述べます。
やりたいこと=「好きなこと」をあきらめて、強み=「自分が行うべきこと」を行うのであれば、「仕事を楽しむ」どころでは無いと考える読者の方も多いかもしれません。
確かに、二者択一で自分の好きではないことを選んだということだけを考えれば、「楽しくない」ということができるかもしれません。しかし、この二者択一を迫られた人物は、なぜそのような判断をするのでしょうか?そこに問題の本質を解くカギがあります。
●高い目標が無ければ仕事を楽しめない
ドラッカーは
「失敗したことが無い人間に重要な仕事を任せてはならない。なぜなら、失敗したことが無い人間は『挑戦したことが無い』からだ」
と述べます。
(続く)
続きは、産業新潮
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10月号をご参照ください。
(大原浩)
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(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
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