東芝の件では「巨額の減損だ、半導体部門を高く売る、投資家が纏まらない、上場廃止になるか否か」・・・等々、様々なニュースが飛び交います。
この半年間、何ともまどろっこしく感じます。東芝旧経営陣が決算の粉飾に溺れたのか否か?新経営陣には頼れるのか?・・・という辺りは別として。
日本のハイテク産業の中で残った唯一とも言える成功事例である東芝の半導体事業。
6,000億円近い債務超過を解消するために(上場廃止を回避するために)同事業を2兆円以上で売りたい・・・と言う辺りから「すったもんだ」となっています。
昨年のメディカル事業の売却に始まり、単なる資産の切り売りを続けることで生き残りが可能なのか?何ともビジョンが感じられません。
各論を言い合っても埒があきません。要は産業革新機構なりがサッサと東芝本体の増資に(6,000億円ほど)応じてしまえば良いと思います。
株価300円として時価総額は約1兆2,700億円ですから、6,000億円を入れて32%の株主になります。
今期予想で4,300億円もの営業利益を稼ぐ会社なのですから、頑張って時価総額を上げてくれれば世界的にも有力な半導体事業を守れますし、機構には巨額な再生益をもたらすのではないでしょうか?
無能な経営陣も一掃され、贅肉を削ぎ落とした後に「さあ頑張ろう!」となれば社員もヤル気を出してくれるのではないか?・・・と。
金融機関(メガバンク)は貸付金と投資資金を失いたくないがために、後先考えずに「早く売って債務超過を解消しろ!」と騒ぐだけですが、日本の銀行と言うのはアイデアも無ければ気概も無く、経営陣の責任回避しか頭にありません。
80年代バブル期以降の30年間、本来の仕事である産業の育成・維持の為に・・・などと身体を張って考える渋沢栄一のような銀行経営者はおらず、高齢者や弱者からのボッタクリに明け暮れています。
東芝全体の事業や雇用をどう守り、どう将来に活かすのか?こんなボッタクリ連中の言いなりになっていては産業が衰退します。
全体の9割もの稼ぎ頭(主要事業)を失って、どうして東芝は再生するのか?
まずは債務超過を解消させて時間を作り、同事業を有効活用し、その上で取捨選択をして事業再生に繋げるのが筋ではないのか?と思います。
これが中国ならサッサと狂産党主導で金を入れ再生させるでしょうし、米国ならメガ金融主導で専用ファンドを作って再生させるのでしょう。国内産業にとっても投資主体にとっても共にメリットがあるのですから・・・。
国の金で個別企業を救うのは何チャラと・・・対面や理屈ばかりを気にして誰も責任を取りたがらない馴れ合い社会。「大型再生事業と投資収益事業の二本立てだ!」と決めて堂々と金を入れれば済むと思うですが、原発利権を守りたい経産省も絡んでいるため身動きが取れないのか。
JALには1兆円を入れたけど東芝には6,000億を入れられない、入れ辛い・・・ということ。縦割り行政の弊害があらゆる処で産業を蝕みます。
さて、今月に入りトランプ政権の迷走や不穏な東アジア情勢を嫌って金融市場も落ち着きません。「アメリカは本当にしょ~もない大統領を選んじゃったなぁ~。」と、世界の投資家も参っていることでしょう。それほど格差が広がり社会の断絶を招いていると理解せねばいけないという事実の裏返しでもあります。
ともすると我々日本人は戦後のアメリカを贔屓目に見るようになっていますが、本当に良かったのは70年代のベトナム戦争辺りまでで、それ以降は徐々に凋落していたと考えるなら今の中国との関係も分かり易いのではないでしょうか。
6月末の決算発表も一巡し、それら数値が株価にも一応は反映されたところですので、一部でポジション調整をしました。つまり「ちょっと行き過ぎかな?」と考えた銘柄を少し入れ替えしました。
為替にしても株式にしても、割安、割高と言った議論の前に、その値動きの殆どを海外投資家に握られている現状からすれば「不透明な時は動かない」と決めて、どちらに動いても売買が可能な自由度の高いポジションになるよう心掛けています。
但し、運用を長い目で見れば余程のタイミングに無い限り敢えて勝負に行く必要は無いと考えている訳ですが、割安と思えば増やしています。
例えば「売上高や営業利益などが伸びている反面、前期の特別利益が無くなり純利益ベースで減益」といった、明らかな一過性の数字の変化を捉えて売り込まれた銘柄などは拾っています。表面上の数字(本質的な変化では無く、ネットに表示された単なる数字の変化)に反応して機械的に売買され動いた銘柄は、その後の冷静な評価で戻すからです。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)
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