産業新潮 http://homepage2.nifty.com/sancho/
5月号連載記事
■成功する方法は一つではない。
●経済学は科学ではない
このように申し上げると多くの反論をいただきそうですが、まず科学とはどのように定義づけられるか検証してみましょう。
「科学」のとらえ方にも多々ありますが、「科学的・論理的」に科学を定義づければ、「論理によって説明され、その論理を実験によって繰り返し証明することができるもの」といえるでしょう。つまり、論理的に説明されるだけではなく、その論理が実験によって証明されなければならないということです。
もちろん、生きた経済において、実験のための一定の条件を繰り返し準備することなど不可能ですから、経済学は学問ではあっても科学ではないという結論になります。
同じことは「歴史学」「社会学」など他の学問についてもいえます。
また、医学のうち、少なくとも「医療」は科学ではありません。実験室で細胞を培養したり遺伝子を操作することは科学であるかもしれませんが、患者を治療することはむしろ科学であってはなりません。
なぜなら、治療を求める患者をモルモット代わりにして人体実験を行うことなど現代の文明社会では到底許されないことだからです。
企業や経済のかかりつけ医(ホームドクター)とでも呼ぶべきドラッカーも、同じように経済学は科学ではないと述べています。「患者たる企業や経済が病に苦しんでいるのに、個々の企業や経済の病状など顧みず、まるでアインシュタインの相対性理論のような普遍的な理論を求め続けているために、現在の経済学が役に立たないのだ」と、ドラッカーは鋭く指摘しています。
●観察者(傍観者)であるべし
ドラッカーの著書の中で一冊だけを選ぶとすればどれか?という質問には多くの答えがあるでしょうが、「現代の経営」をあげられる方が多いようです。確かに「マネジメントの権威」というドラッカーの一般的イメージからいえばそうなるのかもしれません。
しかし私は、「傍観者の時代」だと思います。ドラッカーの自伝的要素が強い本ですが、この本にこそ、「いったい何によってドラッカーの経済・ビジネスに関する理論体系が構築されたのか?」という最も根本的かつ重要なことが詳細に描かれています。本人が十分認識しているように、ドラッカーは科学者でも理論家でも実業家でもありません。優れた傍観者(観察者)なのです。
ただ、傍観者といっても遠くから眺めているだけではありません。例えば生物学でいえば、沼地に入り込んで泥だらけになりながら虫たちの動きを観察する、というようなフィールドワークを果敢にこなしているのです。
ドラッカーがコンサルティングを引き受けたのは、世に知られるGEやGMなどの大企業だけではありません。数多くの中堅・中小企業以外にも病院をはじめとする非営利機関のコンサルティングも多数こなしました。その中でドラッカーが感じたのは、マネジメント手法などに共通項はあるものの、それぞれの組織にはそれぞれの成功法があるということです。
続きは、産業新潮
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5月号をご参照ください。
(大原浩)
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