その昔に上場していた企業がMBOなどで上場を一旦廃止して再上場する事例が増えています。

 IPOは文字通り最初に株式市場に株式を公開して公の企業になることで社会的な使命を担う企業にとっては極めて意義深い出来事です。これによって成長資金を獲得できたり、認知度が向上してビジネスがやりやすくなり、人材も集まりやすくなったりします。


 そうした上場メリットを放棄して一旦上場を廃止して数年の時間を経て再上場する企業が多いのは上場のメリットを十分に得ることができず、コストがかかるからとか成長するための取り組みにおいて先行投資で業績が停滞する可能性がある場合、既存株主に対して迷惑がかかるといったことなどを避けるべきだと経営者が配慮することが考えられます。


 経営者は上場廃止の期間でブラッシュアップして価値を高めて再上場して市場での評価を高めようとしますが、上場後の人気はいずれも今一つのようです。大方は有力企業となって業績を向上させることに成功させて再上場しているようですが、投資家は冷めた目で見ているのかも知れません。
 成長性よりも安定性を求めた再上場が大半のようですので、市場での評価がなかなか高まってこないのかも知れません。


 しかしながら長い目で見ていると良い投資成果が上げられる可能性もあります。一度改めて皆さんもチェックされてはいかがでしょうか。


【直近の2ndIPO】


1)マクロミル(3978・東証1部)
 上場日3月22日 インターネット市場調査

 公開価格1950円 初値1867円
 安値1640円⇒高値1972円 時価1962円

 上場初値が公開価格を割れ、一旦安値1640円をつけたが、その後上昇トレンド。公開価格を上回ってきた。


2)オークネット(3964・東証1部)
 上場日3月29日 中古車等のネットオークション

 公開価格1100円 初値1300円
 高値1391円⇒安値1163円 時価1306円

 公開価格に対して18%上回る水準で初値をつけ一旦高値1391円まであったが、その後1163円の安値をつけ本日初値1300円を抜けてきた。
 かつて外国人投資家にも人気だった成長企業がブラッシュアップして再上場。


3)スシローグローバルHD(3563・東証1部)
 上場日3月30日 回転すし

 公開価格3600円 初値3430円
 安値3380円⇒高値3595円 時価3475円

 公開価格をなかなか抜けずに推移。
 上場直後の安値水準への下落まであと100円幅。


4)ウェーブロックHD(7940・東証2部)
 上場日4月10日 壁紙、リフォーム

 公開価格750円 初値721円 高値743円 安値619円
 時価671円

 日本ウェーブロックがケミプロ化成を傘下に収め、一旦上場廃止して再上場。
 地味な印象ながら安定成長が期待できる点で注目に値。住宅資材関連。


5)LIXILビバ(3564・東証1部)
 上場日4月12日 住宅資材、リフォーム

 公開価格2050円 初値1947円 安値1938円 高値2082円
 時価2049円

 旧トステムビバ。LIXILの子会社。上場初値がいきなり公開価格を割れ、その直後に安値1938円をつけたが、その後は公開価格を上回る展開。


(炎)


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