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 日経平均やTOPIXはダメでも東証2部やマザーズ、JASDAQなどの中小型株指数は比較的堅調。とりわけ直近に株式上場を行った銘柄は株価の変動こそ高いものの、リスクを承知で臨んで、結果として比較的高い成果を上げているようです。

 2016年にIPOを果たした銘柄は83銘柄ですが、その中の約30銘柄は比較的高い成果を上げています。また、その中の10銘柄は多少の上下変動はありますが、初値で投資して2倍になったり、安値で投資して何倍にもなったりと投資のパフォーマンスが高まる事例が見られます。


 なぜこうした結果になるかと言うと、まずは需給です。
 IPO時に放出する株数が限られていてまとまった買い方をする投資家がいればなかなか株価が下がらないという状況になります。
 また、上場後のIRがもたらす株高も生じやすいと見られます。


 IRには単純に会社の内容をサイト上で説明するだけではなく某有名地上波TV番組に出たり、パブリシティで取り上げられることも含めて投資家の関心を集めるケースが特に重要です。

 最初は認知されていなかった企業の内容が動画像で説明され徐々に投資家に認知されると株価が底堅く推移するという事例も見受けられます。

 当然のごとく事業の成長性が本物かどうかを投資家は見極めようとしますのでこうした鋭い選択眼に耐える必要がありそうです。株価がどうやって決まるかを知っているかどうかで利益に対しての時価総額の水準が決まってきます。

 同じIPO銘柄でも見事に二極化していますが、それは投資家が判断した結果でもあり実際の未来における投資成果は絶対ではありません。

 IPO銘柄に関心を寄せる投資家の皆さんにとっては公開時の公募をもらう作業と同様に上場後の企業内容を吟味して初値以降に投資する判断を行うことで運用成果を高めるチャンスがあると見て良いかと思います。

 好需給によって支えられた成長株のIPOが日本の株式市場にとっては光明と言えます。
 皆さんもぜひIPO銘柄を研究なさってはいかがでしょうか。


【炎が厳選した2016年にIPOした活躍2銘柄】


1.WASHハウス(6537)マザーズ

 上場日11月22日 公開価格2300円 時価5460円

 宮崎本社で九州を地盤にコインランドリー事業を展開する同社の直近の活躍が顕著です。関東圏などでのFCを積極化させるなど、国内2万店(昨年末364店舗)構想を掲げ成長指向。このことを示す新規店舗開設のリリースが相次いでいます。
 今期予想経常利益3.8億円に対して時価総額373億円。経常利益40億円程度までを折り込んできた格好。
 初値から高値まで3.8倍、安値から時価まで3.4倍と高パフォーマンス。2月14日に上場後初めてのアナリスト向け決算説明会を開催。カンブリア宮殿などのメディアに出演するなどメディア戦略にも注力。
 海外ではマイクロソフトとの提携なども含めて提携戦略も積極化。

 3月末に2分割を実施するなど株式流動化を実行するなど株価を意識している点も評価。社長は元証券マンで機関投資家を意識。


2.リネットジャパングループ(3556)マザーズ

 上場日12月20日 公開価格1830円 時価1180円
  (2/24に5分割)

 本やCDなどのリユース事業や情報家電等のリサイクル事業を展開。
 先日筆者は同社の物流センターを訪問。

 公開価格から初値は1.9倍。初値から高値(7350円)が2.1倍、安値から時価までが2.2倍と安定した株価推移。
 今期予想経常利益2.7億円に対して時価総額は107億円。
 PCや携帯電話などの情報家電のリサイクル事業が既にスタート。都市鉱山を標ぼうするほかPCのデータ消去などにも注力。金メダリストが数多く輩出されている愛知県大府に拠点を置いており、みんなのメダルプロジェクトでも話題性。

 成長性への評価から現状の株価水準は納得のいくところです。自社事業と絡めた株主優待制度の導入も図るなど投資家にとっての投資魅力を高めていこうとする施策にも評価の余地があります。


(炎)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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