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働き方改革に思う

2017/03/28 01:22 投稿

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ブラック企業が、ホワイト企業へ変身中というのが
日本企業の「今」なのでしょうか?


ほんの数年前に牛丼屋の深夜一人体制やコンビニの店長の超長時間残業の悲惨な実態がありましたね。
未来ある新人を死に追いやった電通の過労死問題もありましたね。

そこで出てきた「働き方改革」。
デフレ脱却のためには消費が大事。消費が振るわないのは給料が下がっていたから。

給料下げるのは企業が悪いと政府が乗り出す。
政府が異例の春闘で賃上げ要請。
さらに、これまでの長時間労働は是正されつつあるようです。


昔に比べて、日本人は確実に働かなくなっています。

週休二日が大企業中心に90年代から定着。
国民の祝日も何日も何日も増加。

そして、現在、プレミアムフライデーや週休三日の導入、
さらに、裁量労働への移行の真っ只中ですね。

小池都知事は首都ラッシュアワー緩和のために
10時や11時の出社を呼びかける。


給料上げて労働時間が短くなると企業の利益が減る恐れがある。
企業経営としては、そうならないように社員の生産性を
格段に向上させることにしゃかりきですが、それはとても難しい。


今回は、そのことを書きます。



#### 楽をして成果を出したい ####



日本の生産性は格段に低い。
これは、日本人の能力の問題ではありません。

単に、働く側にとって生産性を高めなければならない動機がないもんね。


まず、残業という制度が、生産性を低下させます。
だらだら仕事をやれば楽してお金が入るのですよ。

経営者は、サービス残業を見過ごすのも、それが無料(サービス)だからです。
サービスで残業を40時間してもらい、
実際の残業代は20時間だけをつければ、
株主は損し、経営者と従業員がそれぞれ20時間分得をする。

経営者はタダで社員一人あたり20時間の無料労働を得る。
社員はだらだらやることでサボタージュの恩恵を受ける。

株主は低いROEで犠牲になる。とほほ。

労働がタダだと思えば、経営者は工夫しません。
タダのものをうまく使うのは難しい。


人は楽をします。「楽」は楽しい。

資料やレポートやインターネットの記事などを味わいつつ、
そうだよな、ふーん、そうなんだあ、とダラダラと読めば楽しい。

人間誰だってボーとできる時間が必要。

たばこで一服できる職場は減ってきているようですが、
たばこでも吸ってさ、雑談もしなきゃさ、
パワハラ溢れる職場で、やってられないよね。

生産性が低いと急にいわれてもね。
俺たち精一杯やっているよね?
愚痴を言い合うため今日も同僚と居酒屋へ直行!!



### 努力するインセンティブがないですね ###


長期目標を定めて努力を積み上げることができる人は案外少ないものです。
大体は、努力なんて真っ平ゴメンなさいですよ!

どうして業務のために日々自己研鑽なんかする必要がある??
やってもやらなくても給料は同じなんですからね。


日本の労働市場が加算方式ならいいですよ。
理系の大学院の学力や知見に対して、いくら。
弁護士資格に対して、追加ではらう。
語学の能力に対して、さらに追加ではらう。

こうした技術習得や専門知識に対して、
それを年棒に反映させることができれば、努力する動機となる。


現実。

努力して昇進することは年寄りがフン詰まっているから難しい。

定年が伸びてしまってね。
65歳まであるいは70歳まで上の方々がお働きになる。

役員や部長のポストが足りないんじゃよ。

いつまでヒラ??環境悪いですよ。それで努力しますか?


日本は、何にも勉強しない連中と日々努力している努力家とが同一賃金。
日本で博士をとっても、学士と同じ給料です。
高度人材や専門家にとっては、魅力のない国です。


努力するインセンティブがないですね。



### 生産性が低い。どうすれば高くなる?? ####


そんな中で、生産性を上げるにはどうしたらよいのでしょうか??

それは、方法を聞けば、めちゃくちゃ簡単な話です。
(でも、行動は難しい)


社員が行う動作を細分化。
ひとつひとつを見直せば生産性なんてすぐに数倍になります。


たとえば、「日経新聞を読む」という「動作」。

だらだらと読む。味わって読む。
記者も最近はエンターテイメントのような読ませるコラム、
書くのが上手ですねー。

その記事の単純な「消費者」になってしまうのです。
悪いことではありませんよ。
エンターテイメントを消費しているわけですからね。

味わうことは諦めて、単に情報をとることに徹する。
とにかく速く読む。数倍の速さになるはず。

すなわち生産性数倍。(味気ないでしょ)


わたしがやっていることです。

新聞は最大4分までしか時間をかけないと制限。
ストップウォッチで測る。真剣に4分と決める。
理解力を最大に高めて全力で読む。
4分以上の自分の時間を新聞にはつぎ込まないようにする。
(眺めているだけという説もある・・・ははは)


エレベーターを待つ時間、信号を待つ時間で「何をやるか」をしっかりと決めておく。

携帯できるもの、単語帳などがポケットにあるかを確認する。
興味のあるもの、なんでもよい。
(スマホでゲームをやっている人がいるが、ゲームは生産的ではないですな)


電車やエスカレータや階段など移動中に何をどうやるか
あらかじめ計画を立てておく。

昼間のランチの時間に何をやるべきかを決めておく。
できれば10年ぐらいの単位で高い目標を立てておく。


実際、わたしがやっていること。

裁量労働で昼間の大学院に週に2回通うこと。
社会人なので学生なら1.5年でとれる単位を3年から4年かけてとる。

昼間の大学の方が大学が沢山ある。
自分がやりたい専門が多数あるから。

その分、働く時間を土曜日や早朝に確保しておく。

昼間の大学院は、社会人は無理だと諦めるのではなくて、
真昼間の大学院にこそ、自分の状況と合う大学があると
考えてみてほしいですねー。
週に二日働けない不利を土日や夏休みでカバーする。


大学。お金はそんなにかかりませんよ。
なぜかといえば、国からの給付金があるから。
最近はMBAやMOTや会計大学院だけじゃない。
なんと理学部の大学院も工学部も給付金90万円が貰えます。


要は、人がやらないこと、人ができないことをやる。
それが付加価値を保つコツですよね?

わたしの知り合いは、社会人で昼間の大学院に行き、
野球のコーチをして、ボランティアで夜間はタダ塾で教えて、
自治会活動やPTAもやっている人がいる。

生産性が高い。
自治会の会議中にみんなと討論しながらパソコンで自分の仕事をやっている。
器用だわ。あの人。


おすすめは、朝やることと夜やることを明確にわけること。

朝は頭が働くので難しいことをやる。
夜は寝る前は疲れているので簡単なことをやる。

簡単なことでやらなきゃならんことは夜までとっておいて
朝はやらないようにしている。


それによって、生産性は上昇する。

だが何のために??


それは大学生でもあり社会人でもあり親でもあり先生でもあるから忙しいわけ。
生産性上げる必要あるわけ。そうしないと首が回らないわけ。

資格目指すなら、1ヶ月でとれるものよりは、
数年かかるものを目指したいですねー。



### 「10年」と「10秒」 ####


10年と10秒の待ち時間の使い方。
この二つ。

生産性というものを突き詰めると。
10年と10秒。このふたつを意識すること。


10年の高い目標を10秒単位で積み上げるという感覚です。


普通できないはずです(笑)。大変なんだもの!!


自己管理を徹底。
娯楽は年に何回何時間までと制限をつけてその中で思い切り楽しむ。



### 消費者ではなく創造者に ###


何事もそうですが、消費者がいなければ、生産者は食べていけません。

小説を書くのは何年もかかるが、読むのは数時間。

消費する側で生きるか、創造する側で生きるか、
その選択には覚悟を伴います。

創造する側の生産性はプラス。
消費者の生産性はzeroですね。


社会人になってしまうと、みんな、なぜか、例外なく、
簡単な目標を設定しようとするでしょう??

もったいないよねー。本当にもったいない。
できる人たちばっかりなのに。


企業経営者は、
「より高い、より難しい目標」
を目指せる土壌を用意することなんですよね。

だから、副業どんどんやっていいよ、残業ゼロね!
という会社の社員は生産性が高くなる。

それが働き方改革でっせ!


日本のように努力することにインセンティブがない国で、
生産性なんか上がらない。

みんなで生産性を上げるのはホワイトカラーでは特に難しいんですよ。

わたしが下手くそだからみんなを鼓舞することができないのかわかりませんが、
チームメンバーに言っています。

「せっかく生きているんだから、人の三倍生きた方が得じゃない?」

メンバーの反応はすこぶる悪いです!
(他人から努力しろ、お前は努力が足りない!と言われるのはとても嫌なものですよ。そりゃそうだ。)


あるアナリストには、死んだら気の済むまでゆっくり休めるんだから、
いまは寝ないでがんばろうよ言葉をかけている。

(これは完全なパワハラなのでしょうか?わたしは努力を鼓舞しているつもりなんですがね。)


でも、他人をやる気にさせることはできなんですよね!
(結論!! だから働き方改革は難しい!)


生産性というのは自分だけの中で自分がやればいい話。


働き方改革は困難です。
人の何倍も生きたい人ってそんなにいない。

人は楽を幸せを感じる。
自分のペースでだらだらやっているときが楽なんですよ。


他人にいくらですね、生産性、生産性と言ったって、
組織の人間関係がギクシャクしてしまうだけ。まあ、効果は全くない。

自分だけでやればいいんですよ。10年と10秒を。
他人のことはもう干渉せずにね。


他人がサボる。いいじゃないの!!
自分が頑張る。いいじゃないの!!!



===意識改革は難しい。私益を追求することで公益を達成する===


つまり、いいたいことは?


お金のためになら努力する人は多数いるかもしれない。
でも、人が努力するのは、自分の生き方の問題であって、
努力はそれ自体が尊いものである。

努力は本来はお金のためにやるもんじゃない。

どうしてもやりたいことやどうしても達成したいという渇望がほとんどの人々にはないってこと。

知ってました?

そういうあなたにだって、10年越しの大計画なんてないでしょ?
あったらびっくりだわ。


そういう人はこんなくだらないコラム読んでないわ。


働き方改革は日本全体の課題ではありますが、
働き方改革って、意識の改革ですよね。

ライフワークバランスよく。仕事と家事と両立。

私益かつ他益かつ公益となる分野を自分で探して自分で努力する。

公益の追求の範囲で私益を追求する。
両者は並列する。正反合。



===大望===


わたしには10年越しの夢はあるんですよ。本当にごめんなさいですよ。
威張っているようで偉そうにしているようで本当にすみません。。。


自分だけの大計画があるからやるしかない!!どうしてもやりたいからやる。

上司や経営からやれといわれてやるわけじゃない。


組織として会社として改革(強烈な自己研鑽)を社員に強要しても、
社員には気概とか人生をかけて命がけでやりたいことなんてこれっぽっちもないわけ。

だから、生産性なんて上がらない。
みんな働くだけで精一杯。
余裕なんてないんですよ。
(実はこれはパラドックスですよ。生産性が低いから余裕がないんですよ。生産性が高ければ余裕が出てくるわけ)


働いていないときは、休日にはですね、演劇見たりしたいわけ。
映画を見たり、本をゆっくり読んで、釣りや散歩やサイクリング。
あるいはごろごろしていたいんですよ。

それを責めることはできないんですよ。
他人は他人。他人の人権があるんですからね。


さあて、みなさまには、ぜひ、大望もってほしいね、
だって、もったいないもんね。

みんな大望を持てると思うから。なんてね。

努力はそれ自体尊いものなんですよ。なんてね。

生きる目的を持ちましょう。なんてね。


がんばれるときだけがんばりましょう。無理しないで。


日本株ファンドマネジャー
山本 潤


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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