CFPの梶原真由美です。
今回は私の職業でもある「ファイナンシャル・プランナー(FP)」についてお話します。
FPの知名度はここ10年で飛躍的に高まりましたが、
「FPは何をする(してくれる)人ですか?」
という質問をすると様々な回答が返ってきます。
・保険を見直ししてくれる人
・投資信託をおすすめしてくれる人
・銀行にいる人
・住宅ローンの相談に乗ってくれる人
・家計の見直しをしてくれる人
このような答えが返ってくることが多いです。
どれも正解なのですが、どれも不正解です。
普段仕事をしていて、FPという職業の本来の役割を伝えることに苦労しているのが現状です。
今回のコラムでは、本来のFPの役割をお伝えするとともに、良いFPの選び方をお伝えします。
■FPの定義とは
NPO法人日本FP協会がHPで説明している「ファイナンシャル・プランナー」の定義を見てみましょう。
NPO法人 日本FP協会HP
https://www.jafp.or.jp/aim/fptoha/fp/
【人生の夢や目標をかなえるために総合的な資金計画を立て、経済的な側面から実現に導く方法を「ファイナンシャル・プランニング」といいます。
ファイナンシャル・プランニングには、家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広い知識が必要になります。
これらの知識を備え、相談者の夢や目標がかなうように一緒に考え、サポートする専門家が、FP(ファイナンシャル・プランナー)です。】
このように幅広い知識・情報を駆使して「相談者の夢や目標がかなうようにサポートをする専門家」がFPなのです。
つまり、保険の見直しをして終わってしまう、住宅ローンの相談にのって終わってしまう。
正確に言うと、これだけでは本来のFPの仕事を完遂したことにはなっていないのです。
本来のFPの仕事が正しく理解されていない理由はFPの歴史に隠されています。
■FPの歴史
FPの発祥はアメリカ、1920年頃と言われています。
もともとは保険商品を販売する為の手法として、FPを名乗る販売員が存在していました。
そこから金融業界全体に派生し、FPの認知度は戦後のアメリカ高度成長期で一気に高まりましたが、FPの手法は専ら商品セールスの為に使われる事が多く、問題視されるようになりました。
なぜなら当初、FPを名乗るために必要な資格や基準が存在せず、誰でもFPを名乗ることが出来た為、「商品の売り手」の都合良くFPの名称を使われてしまったのです。
1969年、このままではいけないと立ち上がった13人のFPがシカゴに集まり、非営利業界団体、会員組織、教育機関3つのFP関連組織を誕生させ、本来のFPの姿を取り戻すための制度設計をしました。
そして1973年、初のCFP認定者が42名誕生しました。
そこからアメリカのFP組織は熟成を重ね、現在では先進国中心として24カ国・地域にCFP資格は導入されています。
我が国日本には1992年に導入されました。
CFP資格とはCERTIFIED FINANCIAL PLANNNERの略で世界共通水準のライセンスです。
日本でFPの仕事が正しく理解されていない理由のひとつには、従来のアメリカがそうであったように、商品の売り手の都合良くFPの名称を使われてしまっている現状がままあるからではないかと考えています。
■日本でのFP資格は2種類ある
実は日本でのFP資格は「きんざい(=一般社団法人金融財政事情研究会)」「日本FP協会」の2つの団体が認定しています。
1992年、アメリカのCFP資格を日本FP協会が導入したことが日本でのFPの起源となりますが、その後2002年に職業能力開発促進法に基づく技能検定に、ファイナンシャル・プランニング技能士検定が導入されました。
現在ではFP技能士(国家資格)の指定試験機関として「きんざい」と「日本FP協会」が存在しており、FP技能士資格の1級~3級を認定しています。
また「日本FP協会」の民間資格としてAFP(=AFFILIATED FINANCIAL PLANNER)を、国際ライセンスとして「CFP」を認定しています。
資格の難易度としてはAFP=技能士2級 CFP=技能士1級と同水準となっています。
■アメリカでの高いFPステイタス
FPの発祥であるアメリカでは、FPは医者・弁護士に並ぶステイタスのある職業だと聞いています。
なりたい職業ランキングでも必ずFPはランクインするそうです。
なぜアメリカではそうなのに、日本では職業の役割さえ正しく伝わっていないのだろうと考えてきましたが、最近その理由がぼんやりと見えてきました。
冒頭お話した、FP本来の仕事である、幅広い知識・情報を駆使して
「相談者の夢や目標がかなうようにサポートをする専門家」
として活躍するには、医者や弁護士に匹敵する程の学習と経験が必要なのです。
そうでなければ知識不足、経験不足で相談者の夢や目標達成のサポートはなし得ません。
そしてその水準に達しているCFPが日本ではまだまだ不足しているのです。
これもFPの仕事が正しく理解されない理由のひとつだと考えています。
本来の仕事を提供出来るFPが圧倒的に少ないのです。
私もAFPとなって10年、CFPとなって5年経ちますが、顧客のサポートをしながらも日々経験不足や勉強不足を痛感しています。
学んでも、学んでもまだまだ足りないなと感じます。
きっとそれはFPでいる限り一生続いていくのだろうなと感じています。
■良いFPを見分ける3つのポイント
もしみなさんが良いアドバイザーと巡り会いたいのであれば、3つのポイントを確認してみましょう。
1つめの基準にCFPであることが挙げられます。
AFP・CFP資格には年会費や単位取得制度が存在しており、あまりFPに本気でない人にとって、CFP資格は労力と費用ばかりかかり継続するメリットがないのです。
とはいっても企業に所属しているCFPについては、企業がその単位取得補助や年会費を支援している場合も多いので一概にそうとは言えません。
2つめは、いわゆる財務三表分析を用いているかどうかです。
相談者のパーソナルファイナンスを分析する基礎となる情報は貸借対照表(BS)、損益計算書(PL)、キャッシュフロー表(CF)に集約されます。
企業分析と同じですが、個人においてもこの数字を把握しないままするアドバイスは的外れとなってしまうことが多いのです。
3つめはそのFPと長い付き合いが出来る体制が整っているかどうかです。
例えば大手金融機関に所属するFP等は、異動や転勤などで担当を外れてしまえばそれまでとなってしまいます。
「相談者の夢や目標」をかなえるには一朝一夕では出来ることが少なく、数年~数十年のフォローが必要な場合が多いからです。
また会社担当FPが会社を辞めてしまっても関係は終わってしまいますね。
どれだけ真剣に仕事に向き合っているかもチェックして欲しいところです。
いかがでしたでしょうか?
一生付き合える良いアドバイザーと出会うことは人生の財産だと思います。
みなさんのアドバイザー探しの参考にしてくださいね。
そして、このコラムでFPという職業を少しでも理解していただけたら嬉しく思います。
株式会社マネーライフプランニング
パートナーCFP 梶原 真由美
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