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1.明るい株

 今年の1月15日に2030円という高値をつけたアドソル日進(3837)は私にとっては今年忘れられない株の一つです。
 2015年に1000円でスタートした同社株は好業績のサイバーセキュリティ関連銘柄としてスタートから2倍の株価水準にまで上昇した訳ですが、その高値から全体相場の大幅調整によって短期に1200円割れの水準まで売り込まれてしまい、信用でこの株を保有していた投資家の中には投げざるを得なかった方もいて、反対に儲けそこなったという投資家もお見えになるのかも知れません。

 この株の話はそこからが面白い。

 その安値局面はピンチだったでしょうが、その水準で投げを拾った投資家はその後の株価上昇で大きく儲けたと見られます。

 それは業績が好調に推移したこと、IoT機器向けのサイバーセキュリティソフトが今後の業績を押し上げると見られるようになったこと、2月にJASDAQから東証2部市場に移行したのに続き、今秋に東証1部上場を果たしたこと、株式2分割を10月に行い流動性が高まったことなどを背景に2分割換算で2988円へと急騰したことがあります。

 2015年の1000円からすれば黙って保有していれば1年もかからずに2倍になり、2年もかからずに3倍の水準にもなった訳です。同社は先般、長年保有されてきた大株主(法人と個人)の持ち株を1098円で売り出しました。
 これを買ったのは機関投資家と外国人投資家だそうです。


 2017年も時流に乗って新たな活躍が期待できそうな予感がします。



2.暗い株

 同じシステム系ではありますが、コンサル企業として成長を見せていると考えられたにも関わらず投資家の信頼を裏切って暗い株になったのはベイカレントコンサルティング(6532)です。

 同社は今年の9月にマザーズに上場。上場初値は1963円で下限で決まった公開価格2100円を下回っての上場で嫌なムードが漂いましたが、上場してからわずか3か月で上場時の業績見通しである今2月期の経常利益39億15百万円を先般、大幅に下方修正。経常利益20億円と普通では考えにくい驚きの修正をしましたが、これを未だに最新四季報は大幅増益見通しというタイトルで表現していますので注意が必要です。

 とは言え時価は815円で、時価総額は126億円。この株価は既に経常利益10億円までの低下を折り込んでいます。また、BPSは790円でPBRは1倍強の水準になってきました。


 公開後の主幹事野村証券の上場責任が問われてもおかしくない一種の犯罪に近い事件のようにも思われます。今回のIPOは創業オーナーである江口氏やVCの資金作りに貢献しただけに終わるのではないかと思われます。

 前社長の萩平氏は大幅下方修正の責任を取って退職し新たに阿部取締役が社長に就任。
 このこと自体は従業員には歓迎されているようですが、それにしても無責任な話ではあります。

 業績の信頼回復、2月決算での初配実施はせめてもの投資家への罪滅ぼしと言えましょう。


 こうしたIPOが二度と許されることのないよう投資された皆さんは怒りの声を上げるべきではないかと思います。


(炎)


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