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炎の相場回顧録(その3)

2016/11/01 21:46 投稿

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 前回はバブル崩壊後の株式市場で中小型株が注目されたという話をご紹介しました。大型株主導の相場が崩壊したことから市場は真逆の銘柄群に白羽の矢を立てたのではないかと思います。

 80年代後半に店頭市場(現在のJASDAQ市場)にIPOを果たした銘柄が1990年に急騰し振り返ってみればバブル相場の徒花になってしまいました。バブル崩壊後の市場の混乱は証券会社の損失補てんまがいの行為が蔓延し、それが好需給の中小型株活用につながったのかも知れません。


 特金・ファントラの運用者であった私にとってこの時代はとても大変な時代でありました。まともな調査もせずに右から左へと銘柄を売買してリターンを上げる異常な時代でした。証券会社も運用会社も一体となって利益を上げる時代でしたが、私はその時代において投資対象企業を調査する部署から運用に配属されたこともあり、ディーラー感覚の方とは一線を画そうと必死でした。

 しかしながら運用成果を秘密裏に約束するような悪しき慣習もあって(これを俗に握りと呼んでいました)、最終的には運用者の預り知らない世界での対応が横行していました。


 当時の平均PERは20倍以上となり、個別銘柄には30倍~50倍もざらにあるような時代でしたので絶えずおっかなびっくりでまともな運用などできる訳はありません。おのずと運用者は短期売買を重ね、薄利での転売、それを数量でカバーするという毎日が続きました。

 そこで求められたものは勇気を持つことだったのかも知れません。

 そうした過去最大のバブル相場形成時代から30年を経て、現在は全く真逆の相場になっている訳です。PERは10倍以下銘柄が863銘柄もありPBRに至っては1倍割れが1800銘柄(上場企業の約半分)となっている状況を私たちはどうみたら良いのでしょうか。

 運用者としては一定期間で比較的高い成果を得ることのできる市場環境になっていると考えることができます。バブル時代より今の方が投資家にとっては投資に適した環境が整っていると感じられますが、皆さんはどのようにお感じでしょうか。


(炎)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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